偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏434若御子山(埼玉)

2013年03月11日 | 登山

若御子山(わかみこやま) 道標(みちしるべ)

434【データ】若御子山 730メートル▼国土地理院25000地図 秩父(地図に山名無し。秩父さくら湖の西の山)▼最寄駅 秩父鉄道・武州中川駅▼登山口 埼玉県秩父市荒川上田野の武州中川駅▼石仏 地図の「越」から若御子の登山道に入ってすぐの杉林の中。地図の赤丸印

434_2【案内】手元にある昭和45年測量の国土地理院2万5千地図「秩父」に若御子という山はないが、若御子という集落名があり、家屋が5軒ほどあるようになっている。しかし今の地図にはこの集落名もない。昭和50年代に廃村になったようだ。若御子山はこの集落の裏山全体をいうらしい。武州中川駅からこの若御子山に登ってみた。

43424343国土地理院地図・越の農家の庭先から獣除けネットの扉を開けて山へ入ると、土手に埋もれた小さな道標に出くわす。判読不明の文字もあるが「ひだりわかミこミち」としておく。若御子へはこの道標にしたがい左に入るが、正面の道の先の沢には「万延二辛酉歳(1861)馬頭尊」の石塔が立ち、こちらが本道のように見える。この小さな道標が若御子集落を象徴しているようだ。その集落は尾根上の南東に面した斜面にあったが、いまは杉林にのみ込まれようとしている。集落の上、尾根上に倒れてしまった木4344 4345 祠がある。山麓の秩父市荒川の上田野に建つ若御子神社は、かつてこの若御子山にあったと社伝にあるが、この場所がその神社なのだろうか。その脇に「先祖代々霊神塔」の銘がある石塔が立つ。霊神とあるから神道の墓石である。その上には三つの木祠がある。中央の木4346 祠には幣束を挟む木だけが残り、「稲荷大神」と書かれていた。ほかの二つの神名はわからない。ここから急な尾根を登り、その先の大反山との鞍部にもう一つ木祠があった。ここにも幣束を挟む木だけがのこり、そこには「大山袛神」とあった。若御子は神々だけが住む山になって久しい。

【独り言】武州中川駅の西にある踏切を渡って山へ向かうと、左手に稲荷神社があります。若御子山の登山口はこの先の左手、登りだしてすぐ農家の横に出ます。庭先に4347 4348 節分草や福寿草が咲いている農家です。この道は農家の庭先を通らしてもらうようになっているのです。畑仕事をしていた御主人に声をかけると、座禅草やミズバショウを案内してくれました。御主人が清水の湧き出るところに造ったミニ湿原には、盛りをすぎた座禅草が咲いていました。いつも正月ごろから咲きだすとか。ミズバショウは花を包む白い葉が出る前に緑の葉がでてしまうと、こぼしていました。すでにその緑の葉が出ていました。ここが山と人との境界で、その先にある猿や鹿や猪などの侵入を防ぐ獣除けネットの扉を開けて、神々が住む若御子の山へ入ります。

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