偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏番外 袈裟山(岐阜)

2013年02月15日 | 登山

袈裟山(けさざん) 千光寺・円空仏(えんくうぶつ)

430【データ】袈裟山 950メートル▼国土地理院25000地図 町方(袈裟山は山名ではなく、千光寺の山号)▼最寄駅 JR高山本線・高山駅▼登山口 岐阜県高山市丹生川町下保▼石仏 円空仏は千光寺の円空展示館。地図の赤丸印。四国八十八大師霊場石仏は千光寺周辺の山中に点在し、1番青丸印から時計回りに道がある。

4301【独り言】上野の東京国立博物館で円空仏を見てきました。円空(163295)は美濃(岐阜県)の生まれ。江戸時代初期に東日本各地を行脚し、旅先で鉈彫りの木彫仏を残した遊行僧です。円空の作仏は、丸太を半分あるいは四つに割った面に直接仏を彫り出す独特な作り方。円空があみだしたこの仏は、荒々しいなかにも素朴な表情をみせる作風が特徴です。大きさは手のひらにのるような小さなものから、立ち木に直接仏を刻んだ大きなものまでさまざまで、円空は12万体作仏を祈願したといわれています。一晩で何百体もの仏を作ったこともあるといいますから、小さなものが中心です。展示されていた円空仏は、飛騨高山の在にある丹生川の名刹・千光寺に残る円空仏です。千光寺は寺伝によると、飛騨の豪族・両面宿儺(りょうめんすくな)によって建立された寺。今回の展示ではこの両面宿儺がメーンでした。全体の印象としては、あまりにも立派な舞台に立たされたという感じで、これまで抱いていた円空仏の素朴さは消えていました。円空展は4月7日まで。

 円空との出会いはよく覚えていないのですが、訪ねた先で、円空仏を簡単に拝観できたのが気に入ったのかもしれません。40年ほど前に関東の円空仏を訪ねて、埼玉4302 県の春日部市や岩槻市に行ったことがありました。この地域は円空仏の多いところで、そのほとんどが公民館とか集会場にあって、管理している人が気軽に見せてくれたと記憶しています。丸谷尚一氏の『円空風土記』(昭和49年、読売新聞社)の影響もあったと思います。丸谷氏の『生きている仏像たち』(昭和45年、読売新聞社)も見ていましたので、辺境の地に眠る仏像を紹介する丸谷氏に共鳴していたのは確かです。
430343044305高山の千光寺を訪ねたのは平成10年でした。そのときの印象もまったく残っていません。ただ千光寺がある山中に四国八十八大師霊場の木祠が点々とあって、それを巡った記憶だけが残っています。木祠には左に弘法大師、右に各寺のご本尊石仏が並び、1番は千光寺のもう一つの名物五本杉のところでした。四国と同じように時計回りに巡りました。結構な山歩きでした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 石仏430水室山(千葉) | トップ | 石仏431足利・石尊山(栃木) »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。