ピカピカの一日が始まる
用意はいいかい？
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当たり前ですけど
今日って昨日から見れば
明日なんですよね。
明日から眺めたら今日は昨日。
それはあくまでも相対的な概念で
ぼくたちは常に今日の中にいて
昨日に戻ることも明日を旅することも
できないでいる。
「それでいいじゃない。
今日を生きるだけじゃ不満なの？」
「いや、べつに不満じゃないけど
ちょっと明日を覗いてみたいかなって」
「いいわ、あたしが見せてあげる」
「えっ？」
「さぁ、これに乗って」
「それって、ただの玄関マットじゃん。
こんなもので行けるの？明日へ」
「もちろん！」
「どうやって乗ればいい？」
「マットの上に体育座り」
「こう？」
「そう！日時を確認しておいて」
「え〜と、3月2日の23時46分」
「あっ、ちょっと待って。
記念に写真撮ってあげるから」
「えっ、こんなポーズのところを？
恥ずかしいなぁ。アホっぽく写らない？」
「大丈夫。いい感じよ。笑って」
パチッ！
「さあ、行くわよ」
「うん！」
「さん、にぃ、いーち、GO！」
「・・・ん？変化ないじゃん」
「バカねぇ、目を瞑って想像するのよ。
ほらほら、もうすぐクルクル渦巻きが
見えてくるはずよ。どお？」
「ぅわ〜！」
「見えてきたのね。それでいいわ。
その渦巻きの中心に向かって
どんどん入って行くのよ。怖がらないで！」
「ぅわわ〜〜！」
「なにか発見できた？」
「え〜っ、なんかぼんやりと明るい。
ひょっとして、これ、明日の夜明け？」
「そうよ！すごいわ！あなた、いま、
誰も知らない新しい朝の中にいるのよ。
間違いないわ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って！
今時計を確認・・・3月3日6時17分。
やったー！日付が変わってる！
明日に到着したんだね。ヤッホー！」
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ただフツーに3月3日という日がやってきて
目が覚めただけなんですけどね。
こんなふうに自分を盛り上げなくちゃ
今朝はベッドから起き上がれませんでした。
疲れとストレスが溜まっているのかな。
でも目覚めが玄関マットの上じゃなくて
よかったぁ。
いつもの私がいる日常から抜け出して
ひとり列車に乗ってどこか遠くを旅してみたい。
