テニスと読書とデッサンと!

遠回りしてたどり着いたカレー。

お店に入ってカレーを食べる。

スパイスが効いていてすごく美味しい!

料理の不得手なオトコは

こんな美味いカレーを自宅で

作ろうだなんてムリ、ムリ、ムリと

挑戦することもなく最初からあきらめて

また食べに行けばいいさと思う。

 

ところがある日オトコは

スーパーで珍しい食材やら

調味料やらが目に留まり、

好奇心のアンテナがピーンと立つ。

なになに?

そのオトコがたまたま手に取った商品は

様々なスパイスが配合されたカレーの素。

"これさえあればご家庭で

本格的インド料理が楽しめます"と。

オトコはそれを手に取り目線を上げた。

「よし、たまにはインドカレーに

挑戦してみるか」

オトコはパッケージの裏に書かれた

食材を漏らさずいっしょに買い求め

いそいそと自宅に戻りエプロンを着けて

フライパンに火を入れる。

香り立つスパイス、肉の焼けるいい匂い。

なるほどこれは確かにインドカレーだ。

 

これに気をよくしたオトコは

さらに美味しいインドカレーをと今度は

市販のセットになったスパイスではなく

自分で”これは!”と思うスパイスを

浅い知識のまま買い揃え、調合し、

オリジナルのカレーを追求し始める。

棚の上には数多のスパイス瓶がズラリと並ぶ。

まるでオーケストラのようだ。

それを眺めているだけでも楽しい。

 

だがしかし(笑)、

世の中そう上手くはいかない。

スパイスの調合がよくないのか、

タマネギの炒め方が悪いのか、

煮込む時間が違うのか・・・

油にギーを使ってみようとか、

トマトの種類を変えてみようとか、

失敗を重ねいろいろ悩みながらも

どうにかなんとなくそれらしい味に

近づいたかも〜と

オトコは生ぬるい達成感を味わった。

だけどどう贔屓目に見ても

すごく美味しいと思える味ではない。

才能のなさを感じたオトコは以来

パタリとキッチンに立たなくなった。

 

それからしばらく経ったある日、

打ち合わせから家に戻ったオトコは

家人が作ったカレーを食して驚いた。

すごく美味しいのだ。

「これ、どうやって作ったの?ルゥは?」

「フツーのカレーだよ。

マルエツで買ったハウスバーモントカレー」

「・・・・・・・」

 

所詮オトコの料理なんてそんなもの。

ヤル気の空回りがグルングルン。

巡り巡って探し求めていた美味しさよりも

バーモントカレーのほうが美味いのだった。

棚の上のオーケストラよ、

今はスパイスの和音ではなく

なにか心を慰める音楽を奏でてくれないか。

 

※文中の”オトコ”とは私のことです。

写真のカレーは家人の作ったもの。


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