テニスと読書とデッサンと!

ターン、ターン、ターン!

「雨宮、いつまでもそんな

しょぼくれた面してないで笑ってみろよ」

「・・・ぼくの・・・ぼくのせいで

桧山部長にまで迷惑がかかってしまって。

本当に申し訳なく思っています」

「気にするなって。お前だってなにも

悪気があったわけじゃないんだから。な?

オレだってお前くらい若けりゃ

お前と同じように雑巾を毒島(ぶすじま)さんに

投げつけていたかもわからんしな」

「部長、ぼくがあの時毒島さんに投げたのは

雑巾じゃありません。疑問です」

「えっ?そうだったんだ。

まあでも雑巾も疑問も同じようなもんだ」

「違います!そんなことしたら

警察沙汰になって二度とウチの商品を

仕入れてくれなくなります」

「だけど、まぁ、こうしてふたりで

謝りに行ったことで毒島さんも

機嫌を直してくれたんだからもう忘れろ」

「・・・・・はい」

「雨宮、今日はこれから何か予定はあるか?」

「いえ、特には」

「そうか、なら今からオレと付き合え」

「はい」

 

「部長、ぼくはてっきり飲みに行くものと

ばっかり思っていました」

「ははは!意外だろ?

ここの中央スイミングセンターはな、

お前は当然知らんだろうが、

スポ根ドラマ"金メダルへのターン"の

舞台になったプールなんだ」

「えっ、あの飛び魚ターンの?」

「雨宮・・・おまえ、知っているのか?」

「はい。父がビデオを持っていて

何回か観たことがあります」

「ほぅ、なら、お前、あれ、できるのか?」

「あれって?」

「二連続飛び魚ターン」

「できるわけないじゃないですか!

渦巻きターンなら少しは・・・」

「できるのか?」

「はい!見ててください。

ぐ〜るぐるぐる、ぐ〜るぐるぐる」

「なんだ雨宮、人間洗濯機じゃあるまいし。

あれ?ぅわ〜、すげぇ渦だ!

巻き込まれて溺れちまう〜」

「ははは!」

「ははは!

オレはお前のその笑顔を見るために

お前をここに連れてきたんだ」

「ブチョー!」

 

🎵泣い〜たりしなぁい

泣いたり 泣いたりしなぁい🎵

 

「あっ、これ、”プールに賭けた青春”ですね」

「さすが雨宮、よく知ってるじゃない。

この中央スイミングセンターは

月曜日の19時きっかりにこの曲が

かかることになってるんだ、オシャレだろ?」

「はい!」

「じゃあオレと勝負するか?50メートル」

「負けませんよ」

「よし!それじゃ、ヨーイ・・・」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。

50メートルじゃ渦巻きターンができません」

チャンチャン!

 

※今朝の大岡川では亀が泳いでいました。

泳げるっていいなぁってつくづく思います。

亀くん、飛び魚ターンやってみてくれないか?


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