若く体力のある人にとってはそれほど意識しないことでも、高齢者介護の現場においては、温度管理や湿度管理がとても重要です。介護において適切な温度や湿度とは、室温は夏場が25℃~28℃で冬場は19℃~22℃、湿度は50%~65%と言われています。そのため、これらを無視してしまうと、熱中症を起こしたり、体調不良の原因になってしまい兼ねないのです。
これらのことが介護現場で重視されている理由としては、高齢者は体温調節機能が衰えているため熱中症にかかりやすく、その死亡率は80%にも及ぶことが挙げられています。しかも、冷房がききすぎてしまうと今度は冷房病になる危険性もあり、室内環境には細心の注意が必要です。冷房病とは、頭痛や腰痛、肩こり、神経痛などの痛みの症状をはじめ、内臓の冷えによる消化不良や下痢などの症状を伴います。そのため、前述した室温を保つことが欠かせません。
また、室温管理は冬場も怠ることができないのです。なぜなら、高齢者はヒートショックを起こしやすいからです。特にヒートショックは入浴時に発症しやすく、暖かい部屋から寒い廊下や脱衣所に移動し、そして熱いお風呂に入るというようなことをすると、血圧がその度に収縮して心筋梗塞や脳卒中を起こしてしまう危険性があります。そのため、冬場は寒暖の差にも気を配らなければなりません。
部屋から部屋への移動だけでなく、同じ室内に長くいるときも室温管理は欠かさないようにします。先述したように、冬場とはいえ寒暖差はあります。朝は氷点下ほど冷え込んでいても、日中にはぽかぽか陽気になることがあるため、朝の気温に合わせたままでいると室内の温度が上がりすぎることになりかねません。外気と室内の気温差はもちろん、一日を通した気温の変化にも気を配って、室温管理を行う必要があります。
それから、湿度管理にも気を配りましょう。喉が乾燥すると風邪やインフルエンザなどの感染症に罹患しやすくなりますし、痰が出にくくなり、肺炎を起こすこともあります。冬場は空気が乾燥するので、湿度管理もしっかり行いましょう。高齢者の健康管理において欠かせない室温や湿度管理については、コチラでも詳しく語られているので、ぜひチェックしてみてくださいね。