かつて所有していたM3CSLに搭載されていた直列6気筒エンジンの最高峰、M社が
作り上げたS54B32エンジン。今回はその裏話を。
まずスペックのおさらいでし。
エンジン 直列6気筒DOHC24V
総排気量 3254cc
ボアストロ-ク 87 x 91.0mm
最大出力 343ps7900rpm
最大トルク 37.2kgm/4900rpm
圧縮比 11.5
給排気デバイス ダブルVANOS
シリンダーブロック 鉄ブロック
重量 216kg (ちなみにE92M3V8は202kg)
もともとのルーツはライトシックス系、排気量上限は3.0Lを想定していた模様。
BMW的には2.8Lが爽快感含めの上限排気量だったんじゃないかと思うふ。
昔のE46、3シリは2.8Lが最大排気量でしたからね。その後3.0Lが追加されました。
で、時代の流れに乗り、E46M3ではその排気量を3.2Lまで拡大。Maxパワー343馬力
まで搾り出す究極のストレート6となりました。
*********************************裏話***********************************
が、代償として当初、クランク周りが厳しかったようです。
排気量アップとしてボアは限界にきておりストロークを伸ばす方向へ。
馬力を稼ぐ為、8000回転以上を回す必要があった。フリクションロス目的でメイン
ベアリング幅を狭くした。
すると潤滑オイルが脇へもれるんで油膜保持が厳しい状況へ。
で、オイル循環不全となりメタルが破損、エンジンブローの結果に。
平成15年4月22日と平成16年9月14日、コレに関連してBMWは正式にリコ
ール届出をすることとなる。
”国土交通省・リコールの届出1回目”
”国土交通省・リコールの届出2回目”
このリコールでコンロッド側のメタルを変更していますが、同時にオイルポンプ
流量を上げて漏れるならそれ以上にオイルを流す作戦をとっています。
この対策以降、エンジンブロー発生はなくなり安心してZ4Mに搭載されております。
そんなわけで実はE46M3の日本第一便含め初期物のS54系エンジンは本当に限界
ギリギリでして。その切れ味はメチャいい感じぃ、美人薄命だったわけですぅ~
こんな記事を書いていたらM3CSLを思い出しちゃいましたよ~
V8エンジン乗りとしてあらためて直6を見直すと、いいエンジンでし。
月光花的には8000回転でも物足りない、9000回転までいっちゃって~って感じです。
バランスの組成もサウンドも、世界遺産的な貴重なエンジンだと思いますし、この
時代、直6エンジンが新開発できるメーカーも、もうないと思われ~
次期Z4はV8搭載なんて噂もありますから、現行で購入できるZ4Mは購入する価値大
ですぅ~
先日蟹江さんのZ4Mを拝見して、あらためていい車だぁ~と思わずにいられなくなり
今回、記事を書いちゃいましたぁ~
ありがとう、蟹江さん!(笑)
非常に興味深い記事で参考になりました。
初期型のS54がブローした話はどこかで聞いた記憶があります。そのような事情があったのですね。
今私が安心して乗ってられるのも(まぁ多少トラブル有ですが・汗)先人のM3使いな方々のお陰と言っても過言ではありませんね。
ところで月光花さんCSLにも乗ってらっしゃったとは驚きです!今度CSLのお話聞かせてください!
コレってたくさん賞を獲得してますよね~
130iのエンジンも18000キロを超えて凄くのびのびしてますよ。イチバン良い状態の時期かもしれません。こないだの代車(1700キロ)との違いは歴然と感じました。
BMW、特にM社は拘りが凄いと思います。現在、エン
ジンに拘っている数少ないメーカーに間違いありま
せんね。
そんなM社が耐久性限界を追求したエンジンがこの
S54系だといっても過言ではありません。
そんなエンジンが今だに購入できるところに価値が
あると思うわけです。このエンジンは一度、必ず
乗るべき、ベンチマークとなるハズでし(笑)
またお会いした時に続きを(笑)
S54B32エンジンは、イギリスのエンジン技術専門誌
「エンジン・テクノロジー・インターナショナル」
が主催する「インターナショナル・エンジン・オブ
・ザ・イヤー」の3~4L部門賞を5年連続受賞の快挙
を成し遂げてますぅ~
BMWのエンジンは10000kmを超えてからより滑らか~
になるようでし(笑)
1年点検も終えられ、ますます旬な時期を迎えられて
楽しめますね~♪
Z4M、いっちゃって下さ~い(笑)
その時はお披露目、宜しくですぅ~♪
2度のリコールの際にそんな変更がされていたのですねぇ、知らなかったです。安直にベアリング幅を元に戻さなかったところにエンジン屋の意地を感じます。
M社の意気込みを感じぜずにいられません。ここまで
拘ったエンジンってあまりないですぅ~
NA、高回転ですとホンダとフェラーリが近い存在だ
と思います。まぁこれらのメーカーはF1にも参戦し
ているわけでさすがにエンジン屋だと思いますぅ~
なんで拘りの設計思想はBMW製、全てのエンジンに
共通していると思うわけです。
お越し頂きありがとうございます。拙いブログ
ですけど宜しくです♪
ご質問のS50ユニット前期型には残念ながら
搭乗経験がございません。
ですのでS50ユニットは詳しくないのですよ。
またS54ユニットの連桿比も判りませんです。
お役に立てなくて申し訳ございません。