~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『愛についてある土曜日の面会室』・・・ ※ネタバレ有

2013-01-14 20:14:18 | 映画【フランス】


  『愛についてある土曜日の面会室』:公式サイト

面会室

 ①ボーイフレンドが警官に暴行した罪で逮捕されてしまった少女ロール
 ②多額の報酬と引き替えに瓜二つの受刑者と入れ替わる依頼を受けた青年ステファン
 ③息子が殺された真相を探る為にアルジェリアから来て加害者の姉に近づく母ゾラ
フランスのマルセイユを舞台に刑務所の面会室へと向かう3人の男女の心の軌跡を描く。
女性監督レア・フェネールが28歳の時に撮った長編映画デビュー作。

 ①少女ロールが最後に付添人の青年にキスするんだけど、
  それは感謝のキスだったのか?
  惹かれ始めているキスなのか?
  さりげなく意味深でしたね。

 ②受刑者と瓜二つの青年ステファンが入れ替わるエピソードは無理があったな・・・。
  双子でもなく、整形したわけでもなく、ソックリな人っているものなのかしら?
  それだけ激似だったら、入室する前に係員に尋問されそうなものだけど。。。
  それに、今の時代は仕事と恋愛に行き詰っている青年っていくらでもいるし、
  高額報酬に揺れるほど、生活に瀕しているようにも見えなかったし・・・。

 ③加害者の姉はゾラが被害者の母だと薄々は勘づいていたのかもしれないですね。
  だから、ゾラが加害者である弟に面会に会いに行ったら
  ゾラが子守りとして家に来るのは最後になるとお互いにわかっているような空気だった。
  とは言え、子守りとして加害者の姉の家に来ているのに、
  加害者の姉の子供は映っていなかったような?

刑務所の面会室と言えば、ガラス越しのイメージだけど、
この作品の刑務所の面会室は同日同時刻に一室に受刑者と面会者が一斉に集められて、
ブースで仕切られた一角でそれぞれ対面する。
フランスの刑務所ではこういう形式なのかしら?
だからこそ、②のような依頼も考えついたりするのでしょうね。

偶然の出来事から引き起こる展開をオフホワイトなタッチで描く演出は
スサンネ・ビア監督を思い起こしたりもしました。

 ①初恋と妊娠?
 ②恋人との生活
 ③息子への愛情
どれもそれぞれの“愛”をモチーフに
新しく出会ってしまった人との間にも生じる葛藤を絡めていて
邦題通りの内容だったけど、ただそれだけなんですよね。。。
3組が同じ面会室に居ても3つのエピソードがシンクロする事もなかったし・・・。

面会時間が終わり、刑務所から出ていく面会者達の帰り道が
まるで木のように枝分かれしているのを
上から見下ろすように撮っているカメラの構図は印象深かったんだけど、
結局、何が言いたかったのか?主題がつかめず消化不良な作品でした。


≪『愛についてある土曜日の面会室』関連記事≫

 仏女流監督レア・フェネールがデビュー作を語る「刑務所の面会室はまるで情熱的な劇場」 〔MOVIE ENTER:12.12.14〕


2 コメント

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こんばんは (とらねこ)
2013-01-17 21:21:46
BCさん、こんばんは。
お元気していらっしゃいますか?新年始まりましたが、正月気分がまだまだ抜け切らない私です…。
こちらご覧になったのですね

私のところ、TBはいただいたものがきちんと反映されなかったり、自分の出したTBが反映されなかったりということも続いて、すっかり疲れきってTBは廃止にしてしまいました。

さてこちらの作品ですが、刑務所の内と外とで大分人生が違ってしまいそうな、その境界線にある面会室を描いたところが面白い作品でしたね!
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空間。 (BC)
2013-01-18 23:55:06
とらねこさん、こんばんは。
私はお正月休みは一週間実家でのんびりしていたので先週は体のリズムが戻らなかったりしたけど、
今週は新年会があったり業務も忙しくなってきたりしているので、
ようやく元のリズムになってきました。

何年経ってもコメント一切残さず、
作品がカブったら何でもかんでもトラバ打ってくるブロガーさんに
お返しするのがめんどうに思えてきたので、トラックバック廃止も考えたんだけど、
普段はトラバばかりでもベストや〇周年、大きな映画祭の時には
温かいコメントくれるブロガーさんもいるので、しばらくトラバ継続しておこうとは思っています。

私は静かなタッチのフランス映画が好きなので
この作品はミニシアターで予告編観てから楽しみにしていて、
私の地方ではようやく公開されたので早速観てきました。

日本とは随分違う面会の仕方に驚きました。
刑務所の内と外では雲泥の差なんだけど、
面会室での対面はバリアがなく人と人とが関われる。
内と外が交錯する異質な空間に着目しているのは面白かったですね。
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