~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

~『ハッシュパピー バスタブ島の少女』~

2013-05-04 01:04:50 | 映画【アメリカ】


  『ハッシュパピー バスタブ島の少女』:公式サイト

おこりんぼ

新人監督のベン・ザイトリンが29歳で手がけ、低予算のインディペンデント作品ながらも、
サンダンス映画祭グランプリやカンヌ映画祭カメラドール(新人賞)受賞して脚光を浴び、
第85回アカデミー賞で作品賞ほか4部門にノミネート。
ハッシュパピー役はオーディションで選ばれた撮影当時6歳のクワベンジャネ・ウォレスで
史上最年少でのアカデミー主演女優賞ノミネート。
世界の果てにあるバスタブ島で暮らす6歳の少女ハッシュパピーが体験した出来事を描く。

主題は“失われつつある故郷への想い?”で普遍的な印象だが、
世界には地球温暖化による浸水で何年か後にはなくなる地もある・・・。
原発事故の影響で退去を余儀なくされる地もある・・・。
そういった世界の事象を視野に入れると
故郷が奪われてしまう過酷な現実は決して他人事ではない気もする。

活気みなぎる音楽からもそういった現状を悲観的には捉えていない。
困難にもめげずになりふり構わず何としてでも前へ進んで行こうしている気もするの。
地を改善しようとしてやったことが裏目に出てしまって状況が悪化しまっても、故郷への想いは諦めない。

日本では文部科学省選定なので、観る前は子供向けな内容なのかと思っていた。
確かに、幼い女の子が主人公で動物が登場したりはするけど、共に共存していて同等な感じ。
寓話的だったのは亡くなった美人ママは傍を通るとお湯が沸くというエピソードぐらいで
言う程、浮世離れしたファンタジックにしていない。

幼い女の子ハッシュパピーも周囲に愛嬌振りまくわけでもなく、

かと言って、オマセでもなく堂々と自然に演じきっている。

子供だけではなく、大人も観やすい内容になっている。
と言うか、シビアな題材からして本来は大人向けな作品のような気もする。
ティム・バートンエミール・クストリッツァをマイルドにした感じの作風。
高評価なのはわかる気もした作品でした。
 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。