聖なる場所
ハンガリーのタル・ベーラ監督が“最後の監督作”と公言して作り上げた作品。
モノクロの長回し映像で捉えた1人の農夫とその娘の過酷な日常生活を通じて、
人間の倫理と尊厳を描く。
ベルリン国際映画祭審査員特別グランプリ・国際批評家連盟賞を受賞作。
予告編なしで本編からの上映だったんだけど、
上映スタートと同時に劇場へ駆け込んだから空いている席探すのに5分もかかってしまった。。。
(だって、一向に明るくならないような映像なんだもん・・・。)
モノクロームで砂埃が吹き荒れている。
ソクーロフの『ボヴァリー夫人』を思い起こしたりしましたよ。
まっ、『ボヴァリー夫人』で吹き荒れていたのは砂埃ではなくてハエだったけどね。。。
後半の枯れ木のロングショットの俯瞰はまるで影絵のようでした。
『牛の鈴音』を思い出したりもしました。
一見、荘厳な画の高尚な物語な印象だけど、
こういう作家性の強いアート系作品はコンセプトやテーマは意外とシンプルだったりするよね。
“ニーチェの馬”というタイトルのわりには馬はあまり映っていなかったんだけど、
後半の一場面でじっと見据えている馬の顔のどアップが映しだされる。
それが全てを物語っているような気もしたんだけど、
私の感性ではつかめなかったです・・・。