『あいつの声』あらすじ：Ｋ－ＭＯＶＩＥ Ｃｉｎｅｍ＠ｒｔ 特設ウェブサイト
因果応報
実際に起き犯人が逮捕されないまま2006年1月に時効を迎えた
韓国3大未解決事件の一つ1991年イ・ヒョンホ誘拐事件を基にした作品。
犯人の声でカン・ドンウォンが出演。
著名なニュースキャスターの9歳の息子が誘拐され、殺害された事件。
制作当時（2006年頃？）は時効間近だったので、監督・出演者・スタッフが一丸となって、
犯人逮捕に繋がっていけばという思いで制作されたらしいです。
肥満気味な子供にダイエット？させるよりも
日が暮れるまでに帰ってくるようにしつけするのが親の役目だと私は思うんだけどね。
息子が誘拐された翌日にいつも通り洗濯や料理しているのも信じられなかった・・・。
（この作品では具体的に描かれていなかったけど、本当の母親ではないからなのでしょうか？）
それと、どうして妻が警察に通報してしまったのかがよくわからなかったな・・・。
（多分、錯乱していたからだと思うんだけどね・・・。）
刑事がトランクに忍びこんでいるのに犯人を捕まえる事が出来ないなんて・・・。
実際はわからないけど、
韓国映画で描かれる警察の捜査は事件を深刻に捉えていなくて
緊張感がなくてもたついているというか緩いなって感じてしまう・・・。
息子の電話の声が録音だともっと早くにわかっていれば
両親も犯人の虚偽の脅迫に振り回されずに済んだと思うんだけど、
当時の科学捜査はそこまで進んでいなかったのでしょうね。
誘拐された当日に殺害された息子の遺体は44日後に発見されていたけど、
ならば、少し白骨化するぐらい腐乱してそうな気もするんだけど。
その間、どこに放置されていたのかしら？
（それも実際に謎のままなのかしらね？）
ニュースキャスターの父親役を演じるソル・ギョングは
犯人と取引している時もスーツだし、もっと無精ひげ生やしてほしかった気もする。
だけど、ニュースキャスターは公人なので追いつめられている時でも
身なりはキチンとしている人だったのかもしれないですね。
冒頭のニュース番組の場面では顔が少しふっくらしていたのが
ラストのニュース番組では顔が少しほっそりしていたから
体重もコントロールしていたのでしょうね。
子供が誘拐されても整然と自分の代役のキャスターを立ててから
犯人との取引に挑む冷静さとは対照的に
ラストでは気丈にふるまう事なく
涙ながらのありのままの感情で息子のニュースを伝える姿・・・。
キャスターとしての自分と父親としての自分。
その辺の機微を適度に表わしていてさすがに上手かったです。
妻役のキム・ナムジュは話し方が可愛らしすぎる気もしたんだけど、
後半、赤い服着て犯人からの電話に振り回されている形相は凄まじかったです。
キム・ナムジュはキム・スンウの奥さんでこの作品は結婚後の復帰作だったそうですね。
そして、犯人の声を演じたカン・ドンウォン。
カン・ドンウォンは何回も実際の脅迫電話の犯人の声を聞いて、
声のトーンなど練習したそうです。
エンドロールで実際の犯人の脅迫電話の声が流れるのですが、
一瞬、本編の続きでカン・ドンウォンの声かと錯覚したほど、声や話すテンポが激似でした。
主に声だけの出演だったけど、
撮影現場に毎日通い、主演二人の傍で臨場感を出したそうです。
私感ですが、若い美男スターは自分をカッコ良く見せる事しか考えない人が多い？ので
顔がほとんど映らず声と立ち姿だけの役は実写ではやりたがらないと思うけど、
自分の顔が表立つ役ではなくても真摯に役作りに取り組むカン・ドンウォンは
アイドルではなくプロの役者なのでしょうね。
そういう彼だからこそ、この作品のソル・ギョング、
今までの作品ではアン・ソンギ、ソン・ガンホ、キム・ユンソクなど
ベテランの演技派俳優との共演に恵まれているんだろうな。
韓国映画界はカン・ドンウォンを一流の演技派俳優と組ませて
次世代を担う映画俳優に育てている印象を受けます。
誘拐当日に殺害しておきながら録音した子供の声を流し生きているように工作し、
脅迫電話を80回以上も繰り返して、大金も奪い取っている。
こういう痛ましい事件が未解決というのがやるせないですね・・・。
ラストで父親であるニュースキャスターが涙ながらに
「完全犯罪はない、協力して下さい。」という旨を主張していた。
時効は過ぎてしまったものの犯人が見つかる事を願う気持ちにもなりましたよ。
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