詩人さん
“小さなヴェニス”と称されるイタリアの港町キオッジャを舞台に
異国の地で出会った年齢も育った環境も違う2人の男女が交流していく姿を
詩情溢れる映像とともに描く。
まさしく、詩情あふれる運河沿いの風景を
淡いスケッチのように切り取っていて美しいんだけど、
浸水した道路を小舟漕いで渡って行ったり、
浸水した店で足元がつかっていたりしても平然としていたりする。
画としては風光明媚であっても、
浸水している街でも動じることなく暮らしている人々の姿がある。
数年前のドキュメンタリー映画『ビューティフル アイランズ』でも映しだされていたけど、
浸水も日常の一部になっているのがその地の現実なんだよね・・・。
その街での初老の男と東洋人女性の交流は
無国籍な雰囲気ながらも、どことなく情緒があるんだけど、
結局、物語自体はヨーロッパ映画特有？の“身勝手な女”にまつわる悲恋でしかなく・・・。
恋愛描写は新鮮味がなかったので物足りない作品でした・・・。