~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

*『ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路』* ※ネタバレ有

2011-04-27 23:47:18 | 映画【フランス】


  『ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路』:公式サイト

真心

モーツァルトの実姉ナンネルの知られざる真実とフランス王太子との密かな恋の行方を描き、
実際のヴェルサイユ宮殿でロケを敢行。
重厚なバロック音楽と共に絢爛な映像を創り出している作品。

最近の音楽伝記映画はハズレが多すぎるのでこの作品はスルーしようかと思ったんだけど、
夕映えの道 - goo 映画』のルネ・フェレ監督の新作という事で気になって観てきました。

 
*『夕映えの道』* ※ネタバレ有

才能は男性女性問わず授けられても、
ナンネルが生きた時代は男性であるか女性であるかによって
才能を活かした人生を歩めるかどうかが決まる封建的な時代だったのでしょうね・・・。
女性に生まれてしまった事で音楽の道で生きる事は出来ず、
王家の生まれではなかった事で愛する王太子とも一緒になれず・・・。
もしかしたら、弟ヴォルフガング(モーツアルト)よりも
姉のナンネルのほうが音楽的才能あったのかもしれないのに・・・。

ナンネル役の女優さんは監督の娘さん。
今後も女優を目指すかどうかわからないからなのか演技はイマイチだったけど、
まだ高校生とは思えないほど落ち着いた雰囲気の正統派の美少女ですね。
妹も王女ルイーズ役で出演していましたね。

女性進出が目覚ましくなってきた現代でも社会では男性優位意識が根強かったりする。
だから、仕事はミスなくこなして当たり前だし、
男性上司に指示された事以上の成果を出してこそ初めて女性も男性と同等だと認められる。
逆に仕事をこなせなかったら「所詮女は・・・」と罵られ、雑用同然の仕事でこき使われるだけ・・・。

ナンネルが今の時代に生まれていたら、
女性作曲家または音楽家として脚光浴びていたかもしれないけど、
女性が男性と同等に専門職で生きていくのは至難の道だというのは
今でも変わらないのかなぁとしみじみ思ったり・・・。
そういう事を考えさせられた作品でした。


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