~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『初恋』 ※ネタバレ有

2006-07-02 01:32:54 | 映画【日本】


犯罪の手口の演出には粗が目立つし、
(特に、奪った現金輸送車の車内を犯行後、素手で触るのは浅はかすぎるような・・・。
この二人、犯行準備は用意周到なのにぃ。
手袋をしたり、素手で触るならば後で指紋を拭いたりはしないのかなぁ~?)
時代背景の描写も心が張り裂けそうな“時代の匂い(荒廃した空気)”
を纏っていないと言うか・・・。

物語のキーパソーンとなる岸〔小出恵介〕や
みすずの兄:亮〔宮崎将(=宮崎あおいの実兄)〕も清潔感がありすぎるのかも?
小汚い系や濃い系のむさくるしいアクの強い若手俳優を使った方が
その時代を鮮烈に演出できたような気もします。
良い意味で“泥くささ”を演出してほしかったかな?
その方が“泥くささ”とは対照的なヒロイン:みすず〔宮崎あおい〕の“純真さ(淡い恋心)”
がもっと際立ったような気もするし。。。

演出的にはイマイチだったけど、みすずの気持ちには共感できる部分がありました。(^-^)
女の子って、好きな人に必要にされると
好きな人の言うことを全て信じて受け入れてしまう・・・。
みすずが20代だったら理性で抑えられて犯罪計画にはのらなかったかもしれないけど、
10代の頃は人生経験が少ない分、一途に突き進んでしまうのかもしれない・・・。
クライマックス、岸がみすずを想っていた事にみすずが気付く場面は涙しました。
岸はみすずの瞳を曇らせてはいなかったと思う。
みすずは岸と出逢って初めて恋をした。
(↑これからもみすずの心の中には岸が居ると思うし・・・。
みすずはもう一人ではないと言うか・・・)
そういう意味ではみすずは輝いていたと私は思う。
でも、犯罪行為ではなく、もっと普通の恋愛でみすずを輝かせてほしかったなぁ~。


P.S.私感ですが・・・
『初恋』を観ていて、少女漫画『ホットロード』〔作者:紡木たく〕を思い起こしました。
物語の大筋は違うけど、甘酸っぱい恋心や多感な年頃のやりきれない寂寥感・・・。
ヒロインの繊細な感性が少し通じるような気がしました。


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