~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

*『アレクサンドリア』* ※ネタバレ少々

2012-04-18 22:52:45 | 映画【スペイン・ラテンアメリカ・カナダ】


  『アレクサンドリア』公式サイト

楕円

4世紀のエジプトを舞台にローマ帝国末期の混乱に翻弄された
女性天文学者ヒュパティアの数奇な運命を描く。

ヒュパティアは年齢不詳な佇まいやね。
清らかなお嬢様ぽい面差しかと思いきや、 無愛想な語り口はふてぶてしく感じた時もあるし。。。
だけど、そういうつかみどころがない雰囲気が天文学者という特殊な職には合っていたような気もしますよ。

今の図書館は本を借りにいったり、資料を探したり、自習の場だったりするけど
この地のこの当時の図書館は思想文化の中心とも言える聖地だったのかしら?

観る前は『クレオパトラ(1963) - goo 映画』みたいなスペクタル作品なのかと予想していたんだけど、
『クレオパトラ』みたいにロマンスが国家紛争を引き起こす要因となる劇的展開ではなく、
『アレクサンドリア』は宗教観の争いで国が変貌していく時代の波の渦中でのロマンスを描いている。

 ヒュパティアのように自分の思想をかたくなに貫くか?
 男達のように改宗し、時代と馴れ合って生きるか?
そういう2つに1つの選択は自己と社会の狭間で生きていかなければならない
現代人にも通じる普遍的なテーマとも言えるでしょうね。

あの結末はやりきれないですね・・・。
だけど、意志を梃子でも曲げないであろうヒュパティア、
時代からはみ出す事が出来ないヘタレな男ならば
そうするしか術がなかったのでしょうね・・・。

建物・衣裳・美術は壮麗だし、宗教の他にも天文が語られているので、
一見、高尚な印象も受けるんだけど、テーマは至ってシンプルな作品でした。


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