『谷中暮色』:公式サイト
五重塔
「江戸の心意気を残した下町谷中に現代の東京の若者を放り込むとどうなるか」
という舩橋淳監督のアイデアをもとに、
映画・演劇専門学校の俳優コースの卒業制作としてスタートした企画。
現代と江戸時代を往還するフィクションと、
1957年に消失した谷中五重塔を取材していくドキュメンタリーが
一体となって展開していく長編映画として完成しました。
谷中五重塔放火心中事件 – Wikipedia
第59回ベルリン国際映画祭に正式出品された作品です。
感動でハグする記者も!船橋淳監督『谷中暮色』ワールドプレミア開催! - シネマトゥデイ
江戸時代の場面の原作は幸田露伴の『五重塔』です。
現代の場面はモノクロが基調。
谷中五重塔建立時の江戸時代の場面はセピア色が基調。
だけど、所々パートカラー(全体の内の一部分だけカラー)になっている。
現代の場面は紅葉した木の葉・鉢植え・お線香・筆などはカラー、
江戸時代の場面は灯がともるロウソクと延焼時の炎だけはカラーで撮っている。
最初から最後までずっとこのパターンでいくのかと思っていたら、
五重塔再建の会が開催されている谷中祭りの広場の場面からは全てカラーになる。
そういう独創的な色遣いが興味深かった。
生粋の大阪人の私は東京の土地勘がないので
谷中(やなか)はどういう町なのかは知らないのです。。。
大都会ではなさそうだけど、
東京メトロが通っているという事は田舎でもないようですね。
大阪で例えるならば阿倍野みたいな感じなのかな?
二人のキスシーンよりも二人が金魚すくいしている場面のほうが微笑ましかったよ。
昔ながらの町の風情を感じる場面が私は好き。
“古きを尊び、新しきを知る”伝統建築の精神。
そして、町の文化の象徴であり町の誇りでもあった谷中五重塔。
焼失した五重塔に想いを馳せ続ける町の人達。
カタルシスと郷愁が織りなす日本情緒を取り入れた手腕が見事でした。