適材適所
ダンスをテーマに撮ってきたドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンが
パリの3大ナイトショーの1つ“クレイジーホース”の全貌に迫るドキュメンタリー。
普段カメラが入れないところまで70日間にわたり完全密着して映しだす。
端的に言えば、ストリップショーのダンサー達のドキュメンタリー。
ナレーションもなく、舞台裏からステージまでを垂れ流すように映しだしている。
だけど、その中で発せられる感覚的な言葉はしっかり捉えている。
ストリップ劇場と言っても裏ぶれた場末の悲壮感はあまりない。
日本では夜の帳なお仕事は生活に困ってやむを得ず身を落とすケースをイメージするし、
このストリップ劇場にもそういうダンサーもいるのかもしれないけど、
このステージに立つコトを夢見てオーディション受けている人もいる。
ダンサー達は脱ぐコトにも恥じらいはなく、実に堂々としている。
一途にステージに立つことを夢見ていて、他の誰よりもステージに立つ願望が強くても
採用側の好みに合わなければ不合格になる・・・。
それに加え、ショーはエンタメであると同時に、
舞台セット・照明・衣裳・ダンサーの演技・ダンスなど
美の極みが結集してこそ成り立つ総合芸術なのだ。
一般社会でも人事は上役の独断で動く不条理なコトが多々あるが、
それはどの業界でも言えるコトなのかもしれないね・・・。
努力や実力だけでは通用しない世界・・・。
人を惹きつける“何か”を持っているかどうかなのだろうか?
だけど、“何か”を持っていても使えるか否かは全く不透明だから、採用側も議論する・・・。
だけど、日本のように会議室で慎重に議論を重ねるという感じではなく、
オーディションの最終候補者達が並んでいるのを眺めながら
採用側(審査員同士)の井戸端?なノリの会話の中で
瞬発的に即決していくのは国民性の違いなのだろうか?
照明の色遣いのこだわりや影絵のような撮り方。
ショータイトルの文字を背景にダンサーが並ぶ光景は
ブロードウェイミュージカルのようでした☆
画を観ているだけでもワクワクした作品でした♪