~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

〇『おじいちゃんの里帰り』〇 ※ネタバレ有

2014-01-05 00:52:16 | 映画【ドイツ】


  『おじいちゃんの里帰り』:公式サイト

1960年代半ばにトルコからドイツに移住したイルマズ家。
家族を守る為、半世紀にも渡る家主フセインの努力と、
彼が新しい世代へトルコ系ドイツ人としての信念をバトンタッチしていく姿を綴る。

おじいちゃんが孫娘の妊娠を真っ先に見抜いていて驚いた。
普通の映画やドラマではそういうの見抜くのは女性なコトが多いから。
だけど、おじいちゃんは4人の子供を出産した妻も見てきている。
男性のほうが案外、女性の変化を冷静に鋭く見つめられるものなのかもしれないね。

冒頭はおじいちゃんの表情がポーカーフェイスに見えたので
アキ・カウリマスキ映画ぽくも感じたんだけど、
田舎を舞台にクライマックスまでは軽妙な音楽で綴られているのはエミール・クストリッツアを彷彿。
特に『ウェディング・ベルを鳴らせ!』を思い出した。

 △『ウェディング・ベルを鳴らせ!』△ ※ネタバレ有

ドイツが東・西に分断されていた頃からのお話だし、
やはり、日本人の私にとっては
ドイツ人・トルコ人・イギリス人のアイデンティティの違いが明確にはわからないので
登場人物の心情がつかみきれなかったりもした。

とは言え、家があるはずと信じていた場所の現状を目の当たりにして、
家を再建し、継続していこうとする意志を固める家族もいる。
幼い子供ながらもおじいちゃんのメッセージを伝えようと
スピーチの場に立つ孫の健気な姿には心が洗われる思いがした。

正直、2014年の映画初めはジム・ジャームッシュのヴァンパイア映画か
この作品のどちらを映画初めに観ようか迷ったけど、
この作品のほうが爽やかそうでお正月に観るには無難な感じがしたのでチョイス。
清々しいタッチだったので丁度良かったです。
 


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