~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

*『ペタル ダンス』* ※ネタバレ有

2013-05-23 23:49:45 | 映画【日本】


   『ペタル ダンス』:公式サイト

さよならば
グレー

様々な苦しみや悲しみを抱えながら生きる若い女性達が
小旅行に出たのをキッカケに自分を見つめ直していく姿を描くロードムービー。
石川寛監督の7年ぶりの長編映画。

ジンコ〔宮崎あおい〕の彼氏が電話口で「好きだ。」と告白するんだけど、
監督の前作『好きだ、』へ自らオマージュ?

宮崎あおいは最近の映画では髪が長かったり短かったりするんだけど、
この作品ではエクステなのかしら?

安藤サクラは『かぞくのくに』の時は腰までのロングだったけど、バッサリ切ったよね。

 『かぞくのくに』・・・ ※ネタバレ有

忽那汐里はキム・テヒに似ているような?

この中では普通に明るいイメージの吹石一恵が最も繊細な役を演じていた配役が印象深かった。

近年は中華圏映画の出演が続いていた安藤政信を日本映画で観るのは久しぶりなような?

現代は「さようなら」「バイバイ」という言葉はあまり使わなくなったよね。
特に職場では「お先に失礼します」「お疲れ様です」で済ませがちだったりする。
前者の2つの言葉だと馴れ馴れしすぎるから、後者の2つの言葉だと無難な感じがする。
すなわち、無意識のうちに距離を置いてしまう現代社会なのかしら?
具体的な言葉を交わしたくても、それに触れられなくて、
オブラートに包むような抽象的な言葉になってしまったり、言葉少なになってしまったり・・・。
お互いにもっと話したい事、気持ちを知りたい事はあるんだけど、
核心に踏み込めないもどかしさ・・・。
そして、逢えなくなった人への郷愁。

風景は薄曇りの空、霧のようにまとう吹雪、白い海。
オフホワイトな空気感はソフィア・コッポラや岩井俊二を彷彿させる。
距離を置いて直線的に立つ登場人物達を俯瞰的に見つめる画的な構図はホ・ジノを思い出したよ。
4人は皆ジーンズでマフラーなどのアイテムはグレー。
若い女性4人が主人公のわりには華やかさは皆無で地味だ。
だけど、女子達の普段着ってこんなものだったりする。
そういう時にキメキメの服装で来るようなギャルはこういう旅には出ないだろうし。

即興演出なのかしら?
その場の空気で発せられる自然なやりとりなのでドキュメンタリーかと錯覚するほど。
無駄な装飾をしない終わり方もヨーロッパ映画ぽい。
言葉の行間(余白)を紡いでいくような物静かなテイストで私好みの作風でした。


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