~青いそよ風が吹く街角~

映画(主にミニシアター映画)の感想文を軸にマイペースで綴っていきます。

『パフューム ある人殺しの物語』・・・ ※ネタバレ有

2007-04-06 00:39:40 | 映画【ドイツ】
   子犬は全てを見ていた、そして告発する。。。

映画(映像)では唯一、描写出来ない人間の感覚“嗅覚(匂い)”。
しかも、現代でも香水の原料として抽出するコトが不可能であろう“生き物の匂い”
をモチーフにした作品。

主人公:グルヌイユ〔ベン・ウィショー〕は
初めて心惹かれた女性の匂い(香り)を永遠に残せなかった・・・・
そういう無念さと
自分には体臭が備わっていないコンプレックス(常人ではない絶望)から
“女性の匂い”に異常に執着する・・・
愛情を求めても愛情を得ることが出来ないことを悟っていて
それでも何かにすがろうとするうらぶれた野良犬のように・・・

ローラ〔レイチェル・ハード=ウッド〕は愛していない男性と結婚させられそうだったし、
娘を大切に思うゆえに過保護になっている父:リシ〔アラン・リックマン〕の愛情も窮屈だったと思う。
≪↓私感(推測)ですが・・・≫
後半、グルヌイユがローラ部屋に現れた時も
多分ローラは抵抗せずに従った(殺された)ような気がする・・・
ローラとグルヌイユは目と目で呼応して暗黙の了解のうちに・・・
良くも悪くもお互いを求め合っていたように感じました。

クライマックス、グルヌイユが作り出したパフューム(香水)の匂い(香り)にひれ伏した大衆が
それぞれ愛撫する場面を観ていて何故か『愛の神 エロス』を思い起こしました。(^-^ゞ

   風景がまるで水墨画のようなタッチ・髪をそぎ落とす⇒『ヘヴン』
   赤い髪の女性:ローラ⇒『ラン・ローラ・ラン』
トム・ティクヴァ監督の過去作品のエッセンスもふり掛けていましたね。(^-^)


P.S.↓ローラ父に関する疑問(謎)2つ。。。
①なんで、ローラの部屋の鍵をわかりやすいところに置いていたんだろう?
②本当にグルヌイユの父親なんだろうか?

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
香水願望。 (BC)
2007-04-07 22:57:02
はらやんさん、こんばんは☆

もし、ローラが抵抗したなら大きな叫び声を出したり物音で
下階にいた父親も気づくと思うんですよ。

ローラは強い決意でグルヌイユに従ったのではなく、
目と目を見つめ合った瞬間に本能的にグルヌイユの香水作りへの願望を察知して
従っていったような気がしました。
ローラが窮屈な現実に嫌気がさしていた時に
幸か不幸かグルヌイユが出現してしまったのかもしれないですね。
返信する
こんにちは (はらやん)
2007-04-07 09:01:36
BCさん、こんにちは。

ローラが抵抗せずに殺された感じがする・・・。
なるほどそういう解釈もできますね。
過保護すぎる親から解放されたい、そして自分を必要とする人(ゆがんでいるけれど)に捧げたいという気持ちはあったのかもとも考えられますね。
返信する
香水☆ (BC)
2007-03-16 23:24:24
ひらりんさん、こんばんは☆

奇跡⇒結末までの展開は引き込まれましたね☆

ひらりんさんが観に行ったシネコンにはこの映画PR用の香水があったのですね♪
いいなぁ~。
私が観に行った映画館には香水なかったの。(T_T)
香水の匂い嗅いでみたかったよぉ~。
返信する
トラバ・コメントどうもでーす (ひらりん)
2007-03-16 02:39:51
シネコンに置いてあった、この映画のPR用の香水は、
恐くて嗅げなかったひらりんでーーす。
ほんと数奇な人生を送ったグルヌイユ。
あーんな奇跡?!が起こって、
あーーんな結末で終わるなんて。
衝撃的でしたっ。
返信する
グルヌイユ・・・ (BC)
2007-03-14 22:40:32
ALICEさん、ようこそ♪
私感に賛同ありがとうございます。(*^-^*

>グルヌイユの夢の為に協力したような
そんな気がします。
だから彼は殺人をしているのに
何か憎めなかったのかも知れないですね。

グルヌイユをそっと抱きしめて守りたくなるような・・・
そういう気持ちになりました。
余韻が残る作品でしたね。(*^-^*
返信する
こんばんは。 (ALICE)
2007-03-12 22:55:10
BCさんの考えに私も賛同です。
ローラは最後抵抗しないで
グルヌイユの夢の為に協力したような
そんな気がします。
だから彼は殺人をしているのに
何か憎めなかったのかも知れないですね。

不思議な映画でしたが後々まで
印象に残る映画だったなぁ。
返信する
香り。 (BC)
2007-03-07 20:09:20
りんたろうさん、ようこそ♪

そうですよね。”香り”が伝わってきましたね。(*^-^*
返信する
こんばんわ☆ (りんたろう)
2007-03-05 21:37:13
コメントありがとうございました♪
衝撃的な作品でしたね☆
最初から最後まで眉間や体に力入りっぱなしで物語にのめり込んでしまいました(^-^)
「香り」という観客には匂う事のないものをどう伝えるのかと思っていたのですが、悪臭漂うパリの街や香水の数々、しっかりと伝わってきました♪


返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。