水神 ―SUIJIN

大辛口 酒造米　 「水神」 あさ開 岩手


なんという瑞々しさ
なんという 明らかさ


そしてシンプルなものがもつ 排他的な孤独感。

↑写真は、スキューバダイビングで写した 深海から見上げる 遥か彼方の水面…

まず香りで 厳しい海を思った。
時は１１月末。 今では 許されていない、レジャーダイビングの水深をはるかに越えた 深みへ潜った。

水深５０ｍ。
音もない。
光も届かない 世界
手元のコンピューターの、深過ぎる深度を告げる警告音がなりつづける。

生物もほとんど居ない
外洋の潮流もある。
自分が 今何をしているのか
いきているのか すらわからなくなった

エアーだけが 水面へと向かう。
だがとても遠い
もう あの水面へは 戻れないかもしれない

本気でそう思った

真冬の海 深みは更に水温が落ちる。
体も固く 自分のものでないような 感。

下をみた。
海底までは まだ 何百メートルも あるのだろう
ふるえた。
自然は何と　神々しい


……………ゆっくりとこの、神という名を持つ水を　体に流す。

無とは 無限で
ゼロとは 有数で
白とは 多彩で

無言とは饒舌である

これ以上ない シンプルな料理にあわせてみたい。 そこにこのお酒があってほしい。