あの時の妖精
ペンネーム:あめ玉
「ほら、おきて!」
お母さんにおこされた私は、朝ごはんを食べて学校へ行った。
私の小学校の名前は、ともだち小学校。
『ともだちがたくさんでき、ケンカのない』ということを願って作られたらしい。
そして私たちの小学校、ともだち小学校には7つの不思議があった。
その中の1つが、女の子が気に入っている不思議で、校舎のうらに妖精がいるということだった。
私も気になっていたが、だれも「妖精を見た」ということは一度もなかった。
ある日私はいつも通り学校へ行った。
そしてそうじの時間が来た。
私の班は校舎のうらのそうじだった。
「妖精に会えるかな?」と思い、校舎のうらをのぞいてみた。
……やはり妖精はいなかった。
「こんなの七不思議だもんね。いるわけないよ」
そう自分に言い聞かせても、妖精はいると思ってしまう私。
だから毎日校舎のうらをのぞいていた。
でも、やっぱりいなかった。
私は、「妖精はいる!」という七不思議をどうしても諦められなかったのだ。
ある日の放課後も校舎をのぞいた。