㊶妖怪の代表格は「天狗」である。日本霊界には、日本オリジナルの「天狗」が存在している。
㊷「天狗」の第一の特徴は鼻が高いことである。「天狗」には、必ず自慢の癖があり、「自分の方が偉い。」と思えないと安心できない。
㊸現代では、あらゆる分野で「天狗」が発生しており、功績も残すが、協調性なく、社会の破壊も多い。「名あって実なし。」となるのが一般である。
㊹「天狗」の第二の特徴は、その羽にある。「天使」との違いは、羽の折れ曲がり点で鋭い爪がある点にある。「悪魔」にも爪があるが、「天狗」が「天使」と「悪魔」の中間的性質を持っていることをよく示している。
㊺天狗の第三の特徴は、そのトビのような口ばしにある。ピーヒョロヒョロと鳴くトンビのような口ばしである。相手の弱点を攻撃する鋭い言論攻撃になったり、相手の弱味をえぐる鋭い一撃を加えることがある。
㊻特に、「カラス天狗」と呼ばれる一派は、知能も高く、カラスそっくりの口ばしをしている。口を開けば、自慢話か、他人をこき下ろすことに精力を使っており、「反省」ができないという特徴がある。高ころびして、挫折する以外に、自己の実像を知ることは少ない。
カラスそっくりの黒い羽根をしているが、肩を落とした後ろ姿のションボリしたところを見ると、悪魔より純真なところがあると思われる。
㊼天狗は頭に黒い烏帽子をつけていることが多く、かつて山岳修行した山伏の経験がよくある。そのため「仙人」同様の超能力を持っているものが多い。
㊽その超能力の一つが「遠眼鏡」で、山の上に棲みながら、木の上から、町の中の人間のなりわいを眺めている。このため、この世の流行や勃興してくるものに敏感である。ニュービジネス界の人材となることも多い。成長して倒産する者も天狗が多い。
㊾「天狗」の足には、鶏のような蹴爪があり、容赦なく、ライバルを蹴落とす。その競争心の強さには、他の「妖怪」も、「そこまでやるか。」と驚く。
㊿伝統的に、天狗は八つ手の葉っぱをもっているとされる。風を吹かせて、風雲を巻き起こすのが大好きなのである。ただし、「勢い」が好きで、堅実な仕事、手堅い仕事、末長い成功を収めるのは苦手である。短期で成果を出して、賞賛を得るのが大好きである。
『妖怪にならないための言葉』