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MDの音声をデジタル化してみる

2024-06-07 16:33:25 | Weblog
先日、20年ほど前の講演を採録したいので録音はないかと聞かれました。といっても私が講演を行ったわけではなく、主催者側の一員として公式に録音をしていただけですけど。

少し探してみたところMinidisc (MD) に録音したものが見つかったのでとりあえずデジタル化して送ることにしました。

MDは写真左下に移っているものですけど、カセットテープの後継となる持ち歩ける音楽メディアとして開発されたもので、光磁気記録の技術を使用したディジタル記録メディアです。

写真で見る通りカセットテープよりは小さいのですが、SDカードなどに比べると格段に大きく、標準 (CD相当の音質) で録音すると80分しか録音できないため、iPodやMP3プレーヤーが登場すると早々に駆逐されてしまいました。

ディジタルで記録されてはいるのですが、著作権保護の関係上ディジタルデータとして読み出す機能が用意されておらず、再生したアナログ音声データをパソコンでデジタル化する必要があります。

MD最終盤にはそれまで録音されてきたMD音声を救うためにディジタルコピーができるプレーヤーも販売されたのですが、残念ながら入手していませんでした。

また、ネットの情報によると無理やりディジタルデータを取り出すソフトウエアがあるらしいのですが、正しく使えるか評価している時間もないのでアナログコピーを行いました。

使用した機材は写真左下のソニーのポータブルNetMDレコーダー MZ-N920、20年ほど前に購入したものです。NetMDといってもネットにつながるわけではなく、専用ソフトでダウンロードした音楽をUSB経由でMDに録音できるといった機能を持っているだけです。

付属のガム電池 (薄型の充電式電池) はすでに怪しくなっているので、これも付属していた単3電池ホルダーを使用しています (写真のMDレコーダーについている黒いプラスチックのケースが電池ホルダーです)。

再生した音声をディジタル化するための機材として、これも20年ほど前に購入した写真中央のCreative Labs SoundBlaster Digial Musicを使用しました。

パソコンとUSBで接続して、マイク入力、アナログライン入力、光ディジタル入力のいずれかをパソコンの音声入力とできる、またパソコンの音声出力としてヘッドホン出力、アナログライン出力、光ディジタル出力ができるというそれなりにユニバーサルなUSBオーディオアダプタで、UACに対応しているのでパソコン側の標準ドライバで利用でき、20年前の製品でも最新のパソコンで利用できる点が便利です。

パソコンでディジタル化するソフトウエアにはAudacityを使用しました。オープンソースのフリーウエアで必要な編集機能がそろっているのが使用した理由です。

まず、MDレコーダーとUSBオーディオアダプタを接続します。今回はたまたま家にあったTRS-2xRCAのケーブル、たぶん何かのおまけでついてきたケーブルを使い、MDレコーダーのヘッドフォン出力とUSBオーディオアダプタのライン入力端子をつなぎました。

次にUSBオーディオアダプタとパソコンをUSBケーブルで接続するだけで準備は完了です。

MDレコーダーのMZ-N920にはヘッドフォン端子をアンプなどに接続して使用するためのLINK-OUT機能が用意されていて、これを有効にすると標準的な出力レベルに固定され、ボリュームなどが効かなくなります。録音する際には便利な機能ですが、今回ディジタル化した講演録音のうち1本は録音レベルが低かったため、LINK-OUT機能をオフにしてボリュームを上げるとともに聴覚保護用の音量制限機能 (AVLS) もオフにして音量を上げるようにしました。

接続ができたらAudacityの「録音と再生」メニューにある「録音/再生オプション」で「オーディオ入力のモニタリングを有効化」をオンにします。これで録音中の音声がパソコンで聞けるようになります。

そして録音をスタートさせ、MDレコーダーの再生を開始します。Audacityのウインドウ右上に録音レベル表示のバーグラフと録音レベル設定つまみがあるので、音量が大きくなった瞬間だけバーグラフが黄色または赤のレベルに入るくらいに録音レベルを調整します。Audacityの録音レベルを最大まで上げても録音レベルが低いようであればMDレコーダーのボリュームを上げて調整をします。

録音レベルの考え方ですが、その昔カセットテープなどの磁気テープにはヒステリシスノイズ (略してヒスノイズとも言います) という雑音が避けられなかったので、できるだけ録音レベルを高くすることが求められました。もちろん記録できる範囲は決まっているので、ピーク時に録音できる限界を越えないようにするという設定方法が、先のような音量が大きくなった瞬間だけバーグラフが黄色または赤のレベルに入るくらいということです。

ディジタルになってヒスノイズのような雑音の発生はなくなりましたが、ディジタルで記録できる範囲全体を有効に使うことと、再生する際に音量調整を都度行う必要がないようにということを目的として録音レベル設定を磁気テープの時代と同じように設定しています。

早送りしながら何か所かで録音レベルをチェックしたら一度録音と再生をやめて録音データを破棄し、本番の再生と録音を行います。

標準速での録音ですので、2時間の録音であればディジタル化に2時間かかります。MDレコーダーの再生が終了したAudacityの録音を停止して、前後にある無音部分を切り取り、ファイルにエクスポートして終了となります。

今回はMDLP2という長時間モードで録音した2時間ほどの講演でしたので、128kbpsステレオのMP3にエンコードしてファイル化しました。

今回MDからのディジタル化を行って感じたことの一つは20年以上たってもMDのデータは消えないものだということ。そして20年前の機材もちゃんと使えるんだなということです。

この当時の講演録音がまだ数十枚あるので、機材が壊れる前にすべてファイル化しておかなければと思いつつ、時間がかかることを考えるとなかなか手を付けにくいなと思うこの頃でした。

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