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映画感想文 Vol.16 「約三十の嘘」

2005年07月02日 | 映画感想文
約三十の嘘 (2005)
★★★★★☆☆☆☆☆


〝大きな嘘を一つ吐くには、約三十の小さな嘘を用意しないといけない〟
このフレーズで胸を打たれ、レンタルして即観ました!
で、観終わった後、「う~ん」という声が最初に出ました。

詐欺師ものは個人的に大好きなんですけど、観る前に期待感が強すぎたのか、予想してた話と全然違ったので、ちょっと残念な気持ちです。

僕的には、プロの詐欺師が6人集まり、チームを組んで難解な仕事に手を出す。プロの詐欺師が6人も集まったのだから絶対に失敗はない。そのはずだったのに、トラブルに巻き込まれて……のような痛快劇を予想してたんですけど、全然違いました。

これは二流の詐欺師たちが、久々に集まって詐欺を行うっていう入り方で、列車の中で作戦会議を開くんですが、これがまた長い。キャラ説明に必要なのはわかるんですけど、もう少し短く出来たと思います。

で、そこを長くとってるくせに、肝心の詐欺シゴトのシーンは完全にカットされて、次に仕事が終わった後の帰りの列車のシーンに飛ぶ。

「おいおい」って突っ込みました。「俺はそこが観たいんだよ」と。

痛快に詐欺をこなしていくプロの仕事を見たかったのに、いきなり仕事終わった後のシーンに飛んで、もう終わりじゃん!って思ってたら、手に入れた金を巡って仲間割れ。

全員詐欺師だから、嘘を吐いて、また嘘を吐いての騙し合いで、(まぁそんなに騙しあってはないんですが……)結局、誰もが金を独り占めしようという〝二流〟の部分が出てくるんですが、その騙しあいも弱いというか、そんなに驚かないんですよね。先が読めたっていうのもあるんですが。

だから、ストーリーとしてはパっとしなかったですね。全員のキャラを活かしきれていないし、人数はそんなにいらんやろって思いました。はっきり言って多すぎです。たしかに、トラブルを起こすのには人数を多くする必要はあるんですが、過去にそれだけのメンバーで詐欺で成功してるっていう設定があるから、それは崩れるんですよね。

まぁでも、のど飴中毒とか、パンダの設定は個人的に好きでした。

これは近年稀に見る予告編の方がおもしろいっていうパターンですね。予告編でかなり期待値は上がるんですけど、中身はそうでもないっていう。非常に勿体ないですね。だいたい、30も嘘は吐いてない気がするし……。

こういう静かな、終始列車の中の密室劇が好きな人にはおすすめかもしれませんが、個人的には、痛快に詐欺師の本領を見せていただいて、裏切り&逆転を見たかったんですね。これなら同じ詐欺師もので、織田裕二主演の「T.R.Y.」という作品があるですが、「T.R.Y.」の方がおもしろかったですね。(というわけで、次回は「T.R.Y.」で!)

まぁでも酷い!ってわけでもなかったし、5点ですかね。それ以上はちょっと厳しいですね。

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