★属国のビーチガール~a beach girl in occupied Japan★

ハワイフリークのお気楽人妻が、なぜかイラクのニュースを追ってます。HAT神戸情報や日常のことも♪

米兵がポルノサイトに提供した残虐写真

2005-10-05 | イラク
そのうちの数枚を紹介します。むごたらしい、気持ち悪くなる写真ばかり・・です。スプラッタ好きの方は必見。そうでない方は、見ないほうがいいかもしれません。わたしは訳しているうちに吐きそうになりました。

このポルノサイト騒動は、ヤフーUSA(AP他)もNYタイムズもアルジャジーラも報道しています。でも、いつものことですが、日本の大手メディアが取り上げる気配はありません。日本語のネットの世界でも、あんまり騒がれていませんよね? 検索してもぜんぜん出てこないんです。

なんでこれがアルグレイブ並みの大騒ぎにならないのか、不思議で不思議でなりません。だから、個人的にはホラーもスプラッタもだいっきらい!!ですが、あえて写真をご紹介します。

■9月21日付 イーストベイプレス(アメリカのオンライン報道サイト)の記事(原文

 「戦争ポルノグラフィー」 by クリス・トンプソン

 戦争の真実の姿を見たいと望むなら、素人投稿のポルノサイトナウザッツファックドアップ・ドットコムに行けばいい。ここ一年近くの間、イラクとアフガニスタンに駐留する米兵達は、つぎつぎに死体の写真を撮影してはこのサイトの管理人、クリス・ウィルソンに送り続けている。その多くは四肢がむごたらしく切断されたり、爆弾でバラバラになった死体だ。ウィルソンはこういった写真の投稿とひきかえに、米兵達に自分のサイトへ無料でアクセスする許可を与える。米兵達は、イラク人の凄惨な死体写真を、ポルノ写真を買うための通貨にしてきたのだ。

 ウィルソンのサイトでは、切り刻まれたあげくに血でいっぱいのボウルの中につっこまれたアラブ人男性の顔面を見ることができる。顔全体がこびりついた血と爆薬による火傷に覆われ、砂礫の上に倒れている男性の頭部もある。革のコートを着て、車の運転席に沈みこむようにして死んでいる男性もいる。軍の検問所を通り抜けようとしたらしい。男性の頭部は身元の判別が不可能なほどの銃撃を受け、首の皮膚が何枚も、バラの花びらが開くようにめくれている。ベージュの作業服姿から米海兵隊員だとわかる男性6人が、カメラに笑いかけつつ、足元に横たわる黒焦げの焼死体を指差している写真もある。

(翻訳ここまで)

 ◇   ◇   ◇    ◇

 ではここで、上記のイーストベイプレスの記事がリンクを貼ってる6枚の写真を紹介します。自信のない方は、見ないで下さい。

 6枚全体の小さな写真  ・・・写真の上にカーソルをあわせてクリックすると拡大します。拡大写真にはキャプションがついています。キャプションはすべて、投稿した米兵達が自分でつけたものです。

 一枚目 料理されたイラク人  投稿日 2005年4月15日 投稿者 サイドバーンズ

 二枚目  この器官の名前をあてよう  投稿日 2005年5月17日 投稿者 アバブモ

 三枚目 イラク人はみなこうだ 投稿日 2005年9月4日 投稿者 ラルフマルフ

 四枚目 ダイ ハジ ダイ (死ね、イスラム教徒、死ね) 投稿日 2005年6月10日 投稿者 ゴヴォルス

 五枚目 アメリカ軍にたてつくな  (DON'T FUCK WITH US ARMY.) 投稿日2005年2月9日 投稿者 ザルザン・カボル 

 ・・・・みなさま、大丈夫でした?

 報道によると、このポルノサイトは基本的には有料。しかし、自分の奥さんやガールフレンドのえっちな写真を投稿すれば、それとひきかえに無料でアクセスできるようになります。しかし、駐留米兵はガールフレンドの写真なんて撮れません。危険地帯にいるのでクレジットカードも使えません。でも、このサイトにアクセスしたい。ならば、「リアルな戦争の生写真」を送ればかわりに無料アクセスOKにしますよ~と、ポルノサイトを運営するフロリダ在住の27歳の企業家は思いついたのでした。(ちなみに、このクリス・ウィルソンのスキンヘッドの写真は、こちらのヤフーニュース(オリジナルはAP)で見ることができます。)

 
ウィルソンは、彼のサイトの利用者の約三分の一、5万人以上が海外駐留の米兵だと推測しています。


9月29日のアルジャジーラの記事 は、ペンタゴンが捜査に乗り出したものの、「どの場所にいるどの兵士が投稿したのかわからないから」という理由で、早々と捜査を終了したことを報じています。

 しかし、アメリカイスラム協会(CAIR)のイブラハム・フーパー理事は、アルジャジーラに対しこう語っています。

 「捜査を終えるには早すぎる。われわれは3万人の米兵がこのサイトに登録しているという情報を得ている。この3万人は、軍から与えられた個人アドレスを使ってサイトに登録しているのだ」

 ・・・つまり、米兵の半分以上は、自分のIDがカンタンにバレちゃう軍のアドレスを使ってポルノサイトに登録したのね。アホや~~。まー、結局は、ペンタゴンは「捜査終了・お咎めナシ」をさっさと決めちゃったので、投稿した米兵達は今頃胸をなでおろしてることでしょうけど。

 それにしても、自分のデジカメを戦場に持ち込み、こんなむごたらしい写真を撮影し、それにこんな最低のキャプションをつけ、ポルノサイトに投稿する神経って異常。ヤフー掲示板に「米兵の一部には確実に精神的に壊れた人たちが混じってますよね、こわっ」と書いたら、「米兵の神経を気分悪くなる程壊さないと、地球の裏側まで縁も無く恨みも無い他人を殺しに行かないでしょう。」とレスつけてくれた人がいました。たしかにそういわれたら、そのとおりかも。

 ああ、しかし、なんで、日本のマスコミは、これを記事にしてくれないの? 今このブログを書いている現在、上記のアルジャジーラの記事は「もっともEメールされた記事」の第二位!なんです。ヤフーUSAも大きくとりあげてました。世界中でたくさんの人がこのニュースを読んでることは間違いないのに、なぜ日本だけ「無視」なの? 報道する価値のない、たいしたことのない事件だから? わたしにはアルグレイブ級、ランセットレポート級のショックだったんですが・・・・。

 
 
 

バスラ続報 ②

2005-10-02 | イラク
 バスラの諜報部員拘束・英兵炎上戦車突入民間人殺傷事件についての英軍サイドからの報道のなかでは、一番スジが通ってるというか、「まー、コレなら納得できないでもないかな?」と思うことができたのは、サンデータイムズの記事。 タイトルはSAS in secret war against Iranian agents(イラン工作員とSASの秘密の戦争)。SASの活動を知る人物からの情報によると、英軍の安全を守りイランのから新型の爆弾が持ち込まれるのを防ぐために24人編成の強力なSASチームがバスラに入っており、そのうちの二名が拘束された英兵。「武装勢力の(イランからの)ルートを割り出し、武装勢力を拘束あるいは殺害すること」が、このチームに与えられた任務だったそうです。

 これなら少しは納得できます。以下は記事に書いてることではないのですが、もしこの記事が正しければ、諜報部員が拘束時に持ってたワイヤーだ対戦車砲だという偵察には不要な、ワケわからん大量の武器は、はじめから彼らが持っていたものではなく「任務で拘束あるいは殺害した武装勢力が持っていたもの。証拠品?として押収し基地に持ち帰る途中だったもの」という言い訳がなりたつからです。これなら、まあ、わかる。イギリス側は当初、ふたりは「民間人から情報収集(すなわち聞き込みね)をしてた」という情報を流してましたが、これはいくらなんでもおかしい。たしかにアラブ風の格好はしてますが、ふたりの顔はどっからどうみても西洋人。こんな人たちが「聞き込み」してたら、怪しまれるに決まってます。それに聞き込みや単純な偵察に対戦車砲なんて必要ないもんね。

 だけど、それでもやはり、腑に落ちない点は多々あります。たとえば、ふたりが乗っていた白い車。写真を見ていただければおわかりの通り、英軍は拘束事件発生後すぐ、車を「確保」、戦車をはりつけ民間人へ銃と砲筒を向けさせて、この車をイラク側に渡さないようそれはそれは厳重に守っています。なんでここまでしないといけないのでしょ? 上記のような「まともな」任務ならここまで必死に車を守らないといけない必要性はないはず。

 一方で、9月19日のアルジャジーラTVは、バスラ選出のシャクイフ議員のこんなインタビューを放映しました。英兵拘束後、戦車突入前の話です(原文)。

「バスラ市民はふたりの外国人を捕らえました。ふたりはイギリス人のようで、(トヨタの)クレシダタイプの車に乗っていました。車には爆発物がつまれ、爆破装置が仕掛けられていました。すなわち、バスラの人々が集まる市場の真ん中で、この自動車を爆破させようとしていたのです。だが、バスラの人々はふたりを逮捕しました。ふたりはバスラの人々に発砲し、何人か撃ち殺しました。逮捕されたふたりは国家警備隊に引き渡され、現在はバスラ(警察)の情報局がふたりの身柄を拘束しています。しかしイギリス占領軍は今も警察署のまわりを取り囲み、ふたりを救い出して無罪放免にしようとしています」

 ◇    ◇     ◇     ◇ 

 
 ・・・「車は英軍側にあるのに、なんで爆破装置が仕掛けられてることまでわかるのら?」と突っ込みをいれたいような気もしましたが・・・・結局、真実は闇の中。なんせ、このトヨタ製らしい白い車に近づいたイラク人警官は、射殺されてしまったのですから。イラク当局も英兵を殺人傷害などの罪と同時に、「許可されていない武器を携行していた罪」「偽のIDを持っていた罪」で告訴したとアルジャジーラは伝えていますが、さすがに「自動車爆弾を市場の真ん中で爆破させようとした罪」は立証できなかったようです。そりゃそっか。証拠の車は英軍の手にあるのだから。

 ハッキリしていることは、この事件でバスラ市民の反占領運動に火がついたこと。サドル派が少ない土地なのに(バスラではライバルのファディーラ党が強いのです)、住民は反占領のシンボル、サドル師の写真をかかげてデモを行いました。そして、事件発生からたった10日で英軍はバスラから逃げ出したのです。

 サマワの自衛隊は、英軍のようにさくさく上手に逃げられるのか? サマワの対日感情は悪くないと思うのですが(希望的観測かもしれないけど)、なんせ自衛能力のない自衛隊ですから。心配です。

 
 

  

バスラ続報 ①

2005-10-02 | イラク
AP通信が9月29日付で伝えたところによると、英軍は29日、バスラの軍事基地をイラク国軍に委譲する式典を行いました。つまり、SAS(SRSという報道もあり)部員二名を奪還すべく戦車で警察署につっこんでから10日で、イギリス軍はバスラから「撤退」し、30キロ南西のアル・シュエバ(al-Shue'ba)の基地に移動することになったわけです。AP通信の短い記事はこちら。写真は英軍側から出され式典の光景。イラクの国旗が掲揚されているシーンです。

 この「撤退」が事件以前から予定されていたものかどうか・・は、ハッキリ調べがつきませんでした。が、まー、常識で考えて、あまりにもバスラ州政府&バスラ市民の反発が強くなりすぎたので、もっと静かな場所へ逃げていくことになりました、というのが正解だと思います。

 

 


They Lied. They Died ・全米15紙掲載の反戦広告

2005-09-29 | イラク
 百聞は一見にしかず。まずはこちら↓をクリック

They lied. They died

「彼らがうそをつき、彼らが死んだ」。下にスクロールするとThey died の文字が見えます。22日付のUSAトゥデー、ワシントン・ポストなど全米15紙に、イラク反戦団体「ウィン・ウィズアウト・ウォー(戦争なき勝利)」が、イラクからの即時撤退を求めて掲載した反戦広告。強烈です。

 見開きの左面はラムズフェルドらブッシュ政権の主な面々の顔写真と彼らの過去の「嘘」語録、右面は9月12日の時点でイラクで死亡した米兵役1900名全員の名前が細かな字で記されています。

 以下、左面の「ブッシュ政権嘘語録」の訳

・「我々は(大量破壊兵器が)どこにあるか知っている」ドナルド・ラムズフェルド 2003年3月30日

・「我々は大量破壊兵器を発見した」ジョージ・W・ブッシュ 2003年5月29日

・「サダム・フセインとアルカイダの関係は疑いの余地もない」 ジョージ・W・ブッシュ  2003年9月17日

・「我々は実際上、解放者として歓迎されるであろう・・(イラク戦争は)ごく短期間で終わる・・・数ヶ月ではなく数週間だろう」 ディック・チェニー 2003年3月16日

・「我々はサダムが、改造核兵器を所持していると確信している」 ディック・チェイニー 2003年3月16日

・「我々はサダムが核兵器を製造しようとしている事実をつかんでいる」 コンドリーザ・ライス 2002年9月10日


 ・・・・いやー、今、こういう発言を読み返すと、実に感慨深いですねー。

 下に参考記事として毎日新聞の記事をアップしますが、気になるのはこの新聞広告を出した反戦団体ウィンウィズアウトウォーの代表者がシンディ・シーハンさん率いる遺族会「金の星の家族会」とワシントンで合流し、プレスクラブでディスカッションした事実に全く触れていない点。同じ記事のなかにシーハンさんが出てくるのに、両者の協力関係については何も書いていない。なんか不自然。まあ、細かなことといえば細かなことなんですが・・・この記事だけでなく、大手メディアはなぜか、シーハンさん自身が遺族会の代表であることや、彼女が逮捕されたワシントンでのデモに何十人ものイラク帰還兵が参加していたことを報道しないんですよね。

 9月23日 毎日新聞
■<イラク反戦広告>全米15紙に掲載「彼らがウソついた」 

 【ワシントン及川正也】「彼らがうそをつき、彼らが死んだ」。22日付の米ワシントン・ポストなど全米15紙にイラク反戦団体「ウィン・ウィズアウト・ウォー(戦争なき勝利)」のイラク戦争反対を訴える見開き2ページの広告が掲載された。
 24日にはイラク反戦の象徴的存在となったシンディ・シーハンさんも加わり、ワシントンで大規模な反戦集会が予定されている。ブッシュ大統領は22日、イラクからの米軍撤退を求める反戦運動を「彼らの立場は間違いだ」とけん制したが、AP通信によると、反戦団体は100万ドル(約1億1000万円)を反戦広告に投入、支援の輪を広げる方針という。
 新聞広告は左面が「彼らがうそをついた」という見出し。ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ライス国務長官の写真の下に「(大量破壊兵器の)ありかを我々は知っている」(ラムズフェルド国防長官)、「我々は大量破壊兵器を発見した」(ブッシュ大統領)など過去の発言録を引用、現実とのかい離を印象付けている。
 右面は「彼らは死んだ」と題する広告で、9月12日時点でイラクで死亡した米兵1900人弱の氏名が掲載され、「大統領、あと何人死ねばいいのか」と投げかけ、「ブッシュ大統領にイラク戦争をやめさせたい」と訴えている。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050923-00000053-mai-int
 

 

各国の撤退状況・いまやすっかり「少国籍軍」

2005-09-27 | イラク
ワシントンではシンディ・シーハンさんが「歩道に座るなと3回注意しても移動しなかったから」という理由で逮捕(ヤフーUSAの記事)、バクダッドではついにサドルシティで、サドル派の民兵マハディ軍と米軍の戦闘が開始。バスラでは英軍と民衆が対立、北部ではあいかわらず米軍によるスンニ派の拠点の「掃討」が行われ、あちこちでバドル組織による暗殺が公然と行われ、イラク財務省からはなぜか85万ドルもの大金が武装勢力に奪われ(CNNjの記事)、そして毎日たくさんの人が死に続けているイラク。「自衛隊は無事にイラクから逃げおおせるかどうか」が当然、気になりますよね。ということで、あまり日本では整理して報道されないかつての「多国籍軍」の撤退状況をまとめたものがこちらです。

 ○昨年、撤退済みの国・10カ国 (=撤退時期、撤退人数)

 ▽ニカラグア=昨年2月撤退、120人
 ▽スペイン=同4月、1300人
 ▽ホンジュラス=同、370人
 ▽ドミニカ共和国=同、300人
 ▽ノルウェー=同6月、149人 (注・連絡将校20人のみ残していたが、2005年9月にこれも完全撤退が決定)
 ▽フィリピン=同7月、50人
 ▽タイ=同8月、451人
 ▽ニュージーランド=同9月、61人
 ▽ハンガリー=同12月、300人
 ▽トンガ=同12月、45人

 ○今年に入り、撤退済みの国・3カ国

 ▽ポルトガル=今年2月撤退、127人
 ▽モルドバ=今年2月撤退、12人
 ▽オランダ=今年3月撤退、1350人。

○今年に入り撤退開始した国及び撤退(或いは兵力削減)を予定している国・5カ国
 
 ▽ウクライナ=同3月撤退開始、今年末までに完全撤退の予定。1600人。
 ▽チェコ=今年以降大幅削減。98人。 
 ▽ブルガリア=同6月削減・年内撤退、460人。
 ▽ポーランド=来年1月末までに撤退、1700人。
 ▽イタリア=今年8月撤退開始、3000人。
 

○まとめ

 ・撤退済みの国及び撤退開始・撤退予定国 合計18カ国
 ・米英韓日など派兵を継続している国     20カ国 

 ・国連加盟国                191カ国(ソース

 191カ国のうちの20カ国では、とてもじゃないけど「多国籍軍」とはいえませんよね? 実情からしても「米国同盟軍」あるいはせめて「有志軍」ぐらいにしてほしいのですが、最近もこの「多国籍軍」という言葉、日本のマスコミは平気で使ってるんですね。

 例■イラク駐留英軍、来年5月に本格撤退…英紙報じる
   読売新聞 9月25日

 「計画は、イラク移行政府と米英双方の外交幹部、軍司令官らが協議を進めているもので、多国籍軍の段階的撤退に関する「ロードマップ(行程表)」となるという。」

 ↑だから、多国籍軍じゃなくて「少国籍軍」なんだってば^^;。

 それにしても、この「ロードマップ作り」って、当然のことながら日本は蚊帳の外。決まった結果にただただ従うだけなのね・・・。

 サマワで自衛隊は何をしてるのでしょう? たぶん訓練とかしてるんでしょうね。自衛隊員なんだから日常的な訓練はするのが当たり前なんだけど、もし「イラクでしかできない訓練」をやってたら? 米軍はイラクの4箇所の空軍基地に駐留し続ける予定らしいですが、ひょっとしてそれを見すえての訓練だったりして。 いや、それは考えすぎかしら。 

 以上、撤退状況の数字はヤフー掲示板でお世話になってるKさんが集めた資料を使わせていただきました。ありがとうございました☆

 写真はリラックスした笑顔を見せてるサマワの自衛隊員。たしかロイター配信。うしろに見える文字は「イラクの未来のために」

 
 
 
   

バスラ暴動・サドル事務所の声明 

2005-09-22 | イラク
  
 バスラで緊張が高まっています。「バスラは比較的沈静化している」という英国軍側の発表にもかかわらず、アルジャジーラ(電子版)で今一番新しい記事(21日配信)(こちら)は、「イラク南部の街バスラでは、諜報部員二名を奪還するためにイラク警察を襲撃したイギリス軍に抗議して、300人規模のデモが行われた。デモの群集のなかには制服姿の警察官もあった」と伝えています。警察官が制服のままデモ? すごっ。

  バスラでのイギリス軍の暴挙に関する日本の報道はおおまかにいって、1)英国軍側、英国政府側の発表、2)イラク警察、イラク政府側からの発言 3)ちょこっと目撃者証言・・・の三つでなりたっています。もちろん、すべて日本のマスコミの自主取材ではなく、海外の通信社やBBCなど大手マスメディアの報道を、適当に取捨選択して翻訳し、記事にしたてあげたものにすぎません。

 しかし、1)~3)以外の見方も、ちゃんと存在するんですよね。で、案外、そっちのほうが重要だったりする。ということで、イラクレジスタンス運動の星(になりつつあるかもしれない?)サドル師事務所のバスラ暴動に関するプレスリリースをご紹介します(原文の引用先はこちら)

 
  
 ■ムスタグ・アル・サドル事務所の声明

 「イギリス占領軍の二名の兵士が、バスラ市民がよく足を運ぶ宗教施設の近隣において運転中の車の中から発砲。パトロール中の警官たちが白い車を停車させ、乗っていたふたりを逮捕した。ふたりがイギリス兵だと判明すると、英軍は彼らを解放するよう介入してきた。バスラ市民はこれに抗議してデモを行ったが、占領軍側はこれに対し、デモの群集にむかっての銃撃で応じ、多数の死傷者が出た。住民達はその報復としてイギリス軍戦車を何台か炎上させた。ふたりの英兵は逮捕された際、爆発物と遠隔爆破装置、小型~中型の武器とその装備品を所持していた。

 今夜遅く、英軍はバスラ州警察署本部を襲撃し、この英兵ふたりと150人近いテロリストを解放し、警察用車両を何台か炎上させた」

 
・・・また、サドル支持者達からの声明といえば、これも見逃せません。同じくインフォームドコメントから。

 ■サドル師のスポークスマンであるリヤド・アル・ナリ氏は「ザルカウィのサドル支持者(マハディ軍)は攻撃しないという声明は、シーア派内の派閥抗争の種をまこうという企みからくるものだ」と述べた。また、氏は、サドル支持者たちがアルカイダとザルカウィを「我々にとって最もしぶとい敵」であると語り、「我々がザルカウィを拘束したら、彼を八つ裂きにして殺すだろう」と述べた。

 
 ・・・・ということでですね、サドリスト(サドル支持者、サドル派、マハディ軍を意味する)は、アルカイダやザルカウィとは戦う姿勢をはっきる打ち出しているのです。彼らは「反占領」であるけれども、同時に「反アルカイダ」でもあるわけ。

 しかし、日本のマスコミって、こういうことを伝えないでしょう? 「ザルカウィはマハディ軍を攻撃しないことをにしたと声明を出した」ことは伝えるけど、それに対しサドル師側が「なーにいってんだ、ばっかやろー、おめーらなんかにっくき敵だ! シーア派を分裂させようとしている陰謀集団だ、あっかんべー、あっちいけ、ばかやろー」(←ものすごく乱暴な意訳)と発言していることは、まーったく伝えないのよね。

 サドリストの動きについては、このアルジャジーラの記事も注目。

 ■イラク議会の議員あるアリ・ダバー氏は 「マハディ軍出身のシーア派民兵たちは、英兵二名の身柄をおさえて人質にして、英兵の引渡しとひきかえに、日曜日に英国軍によって拘束されたふたりの民兵指導者(訳注・マハディ軍の幹部。ひとりはサドル師本人にかなり近い人物だそうです)を釈放させようとしていた」と語った。

 
 ちなみに、このマハディ軍の幹部が逮捕・拘束された理由は「テロ容疑」です。時系列的には日曜日以降のたった数日の間に、1)マハディ軍幹部「テロ容疑」で逮捕 2)車に爆発物だリモコン装置だをつんだ私服姿の諜報部員がイラク警察に拘束される。ワシントンrタイムズの記事 は、ふたりが「殺人と爆発物を仕掛けようとしていた容疑」で逮捕されたと伝えています。 3)なぜだか急に、ザルカウィが「サドル派のマハディ軍は攻撃しない」と、まるでマハディ軍がアルカイダの仲間であるような声明発表 4)そしてなぜか、イギリス軍は戦車で刑務所の塀につっこむという暴挙で、諜報部員ふたりを奪還・・・

 イギリス軍はひょっとするとひょっとして、SASに自動車爆弾テロを起こさせて、それをマハディ軍のせいにしようとしていた?のかもしれません。
 諜報部員の身柄がマハディ軍に渡ったら、いらんことがバレちゃうし、せっかく逮捕したサドル派幹部も解放しないといけないし、解放しちゃったらサドル派を「テロ容疑」で追求することもできないし・・・というような背景だったのでは。

 (写真は英軍の襲撃で破壊された警察署の悲惨な姿。警察車両の残骸などがうつっています)
  

 
 

拘束されたイギリス諜報部員が持っていたものは

2005-09-21 | イラク
 こちらです。

 ホアン・コールのインフォームドコメントに掲載されたサドル事務所の声明(プレスリリース)によると、イギリス諜報部員は拘束された際、「爆発物、遠隔爆破装置、小型~中型のいくつも武器とその付属品」を車のなかに隠し持っていたそうな。

 ふたりは私服で髭をはやし、イラク人風の服装をしていましたが、顔は見るからに外国人(わたしの目には西洋人風に見えます)。そんなアヤシゲな男たちが爆弾だリモコン爆破装置だとかを車に積んで、バスラでいったい何をしようとしていたのか? そして、イギリス軍は戦車10台+軍用ヘリで刑務所を夜中に襲撃するという暴挙に出てまで、なぜこの二人を「奪還」しなければならなかったのか?

 その理由は・・・明日書くかもです。といっても、わたしの場合は「翻訳するかも」ですが・・・はじまったばかりのわたしのブログを読んでくださってるみなさま、本当にありがとうございます☆ では、おやすみなさ~い。

バクダッドの治安悪化【インフォームド・コメント】

2005-09-19 | イラク
中東史の世界的権威であるホアン・コール(ミシガン州立大学教授)のブログ、「インフォームド・コメント」。毎日休みなく更新されています。以下、9月18日のブログの翻訳。

 ホアン・コール インフォームドコメント (原文

 2005年9月18日 日曜日

 ■タイタニックのように沈没しつつあるバクダッドの治安

  あるイラク在住のオブザーバーが、わたしあてのメールに書いている。

 「現在、バクダッドの状況は劇的に悪化している。バクダッド近郊のアミリヤ、ガジリヤ、Shurta,ヤーモーク、ドーラの五つの地区は、武装勢力の支配下に入った。たいへん深刻な事態だ。友人たちの報告によると、この地区に入る道路は封鎖されていて、車で入ることはできない。覆面をした男達がAK銃や他の武器を携えて地区のなかをうろつき、住民に家の外へ出ないようにと告げてまわっている。アミリヤ地区に住むわたしの運転手の話よると、彼の家のあたりは完全に他の地域から遮断され、食料や必需品が足りなくても怖くて外出したがらないという。

 イラク政府の対応はあまり期待できない。イラク国軍はどこかの地区で武装勢力掃討には乗り出すだろうが、ファルージャやラマディ、そしてタルアファルと同じように、武装勢力はこっそり他の地域へ抜け出し、いずれは逃れた先の地区を支配下におさめる。バクダッドの主要な地域は徐々に、武装勢力の手に落ちつつある。彼らの支配がおよばないと確信できる地域は、いまやサドルシティだけだが、それも、武装勢力がマハディ軍に攻撃をしかければ話は別だ。両者の戦闘は大勢の死傷者を出すだろう。

 先ほど、ジャファリ首相がテレビに出演し、バクダッド市民全員に外出しないよう呼びかけた。ジャファリには早急に、次の段階の強硬な措置を望みたい。

 バクダッド市内の公共の場所には、人々に多人数で集まらないよう警告するビラが貼られている。大勢で集まっていると武装勢力のターゲットになるからだ。このビラのコピーは手に入れようと思う。

 Al-Hayat紙(訳注・アラブの有力紙。アラブ各国やイギリスのアラブ系住民の間で広く読まれている新聞)の「ザルカウィとスンニ派レジスタンスは共闘していない」という記事を否定するわけではないが、街で住民達から直接耳にする話はこれとはやや異なる。彼らは、この二つのグループ(といってもその定義はおおまかだか)が協力関係にあるのは、100%間違いないと考えている。しかし、これはにわかには理解しがたいことではある。バクダッド市民は、ややもすればすべてのレジスタンス集団をひとくくりにして考えるが、ザルカウィグループはその「ひとくくり」のなかに入れないのが普通なのだ。

 知識階級は続々と、この地から脱出している。熱烈な愛国主義者ですら逃げ出している。情勢は悲観的で、避難する手段のある人々はみな避難している。バクダッドのスタッフを減員し、Arbilやスラマニヤに移動させている団体もある。イラク政府の統治能力のなさには驚くばかりだ。政府がそれでも存在していることだけが、政府のただひとつのの成功なのだ。

 こんな状況なのに、米国大使館周辺の人々はあたかも、バクダッドが何事もなく平穏無事であるかのように行動している(グリーンゾーンのなかですら甲冑を着ないと歩けないとか、誘拐されないよう用心しなければいけないことをのぞいて)。最近では連邦政府と軍隊出身の一群が、バカバカしい通達によって、ワシントンから天下りしてきた・・・まるでお伽の国である」

「ザルカウィはとっくに殺されている」シーア派宗教指導者

2005-09-19 | イラク
このブログを書いている現在、アルジャジーラ(電子版)で「一番メールされている記事」のトップに来てるのがこちら

■「ザルカウィはとっくに殺されている」シーア派宗教指導者発言

 シーア派のカーゼミーヤモスクのイマーム(つまり、シーア派の中ではかなり偉い宗教指導者)であるハーレスィ師が、パリで開かれた宗教者の会議に出席したついでに、フランス・ルモンド紙のインタビューに答えて、世界中で一番有名なヨルダン人、アブ・ムサブ・アル・ザルカウィについてコメント。

 「(イラクでのテロの首謀者といわれる)ザルカウィは、存在しない。ザルカウィは単に、イラク国民を分裂させる目的で占領者達が作り上げた創作上の人物にすぎない」

 ハーレスィ師によると、ザルカウィはイラク北部のクルド人自治区で、米軍が武装勢力掃討作戦を開始した頃、アルカイダ系組織であるアンサール・アルイスラムのメンバーと合流していた際に殺されてしまったそうです。

 ヨルダンにいるザルカウィの家族は、すでにお葬式も出しているそうな。

 「アメリカはザルカウィの名を、占領を継続するための政治的道具として利用している。ザルカウィの存在を口実にして、米軍はイラクから撤退しない」

 ・・・・という「アルジャジーラで一番読まれている」記事(それもあのフランスのルモンド紙のインタビューだぞ)を決して紹介しないであろう日本のマスコミ。怠慢だよねえ。ちゃんと仕事しましょう。いいお給料もらってるんだから、さ。