「別の世界」

目を開けたら
そこはもう別の世界
たとえ目前の人が
前の世界でどんなに悪人であったとしても
それはこの世界の人ではないから
間違ってもその人に手を挙げてはいけないよ

そう思えば、ほら
目の前にいる彼が
私のケーキをさっき横取りして
口についたクリームを指で
ぺろりとしている仕草も
許せるかもしれないよ
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夢路

「らしさ」

　たった三文字だけなのに
どうやらいなくなってしまったみたいです
羽根でも生えて飛び立ってしまったのでしょうか

　たった三文字だけなのに
とても大事なものだったようです
いまの私は抜け殻はみたいで
どこへ飛んでいいかもわからずに
ここから動けずにいます
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夢路

「いっぽ」

　向かっている方向が
あっているかどうかなんて
いつから気にするようになったんだろう
進んでみたらわかる
間違っていれば来た道を戻ればいいさ
気軽に踏み出せた一歩が
なかなか踏み出せなくなってる
ことに気がついたとき
良い方法がある
目を閉じて、一歩ずつ進んでみればいい
前が見えないじゃないかという人もいるかもしれない
じゃあ、目を開けていれば前は見えるの？
そんなことを考えながら
今日もいっぽ
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夢路

「記憶ノートとしおり」

　記憶のなかに
一語一句忘れないよう
メモをしたはずなのに
そのあとにも
たくさんのことが
記憶ノートに情報が入ってきて
いつしか、埋もれてしまったメモ
ある日、懐かしい人からの手紙が
郵便受けに届いていたような
ふとしたきっかけで思い出す
お元気ですか？
そんな件からはじまって
忘れていたメモは何ページにありますよ
なんて、やさしく教えてくれたりして
わたしはなぜこんなに大切なことを
忘れていたのだろう
自分らしく生きるということ
今度こそ、忘れないように
しおりをはさんでおこう
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夢路

「迷路へ」

　進むべき道が一直線にあるとき
迷うことはないのに、余計なことを考えて
進むことを戸惑う

　これが曲がりくねった道で
先が全然見通せない道だと
こういうものだと進みたがる

　子供の頃なら素直に
ゴールが見えるほうへ行くのかな
と思う

　どうして素直になれないのだろう
誰からもそんなことは教わっていないのに
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夢路