goo blog サービス終了のお知らせ 

リバウンド王京都のバスケ( スラムダンクの続き )話

京都のバスケットプレイヤーです。
スラムダンクの続きを細々と書いてます。

スラムダンク 35巻 8

2007-12-03 21:05:11 | スラムダンク 35巻
#312  変化3


「ポストプレイだ・・・・」
絶叫する神奈川応援団、ざわめく観客の声が響く中、三井がぼそっとつぶやく・・・



ピーーーー
「タイムアウト、愛知。」



赤木 「なんてでたらめな シュートエリアだ・・・」

河田 「うまい・・・・」




82-76
追いつかれそうな神奈川だが、神のスリーで突き放す。



愛知ベンチでは神に対するディフェンスの指示が出ている。
運動能力抜群で高身長の影虎が、佐東に代わり、神にフェイスにいくようである。




三井「 牧が抜けて、いままでのようにフリーでボールを受ける機会がへった。」

赤木「 そして神自身は流川や仙道のような身体能力はない。」

牧「 神奈川ナンバーワンスコアラーは華やかなシュートとは裏腹に、
影で死ぬほど練習してる。しかし、本当にうまいのは・・・」

河田 「 そう愛知だ。」

牧 「今のプレイをマグレだと考えず、ちゃんと対策をたてているようだ。」

河田 「愛知も勝負どころを知っているな・・・」







一方、タイムアウト直後の神奈川ベンチ―――。



神と仙道がハイタッチ。

清田 「さすが神さん!!」

彦一(ほんとすごいでこの人は・・さすがは神奈川得点王!)

田岡 「 仙道、いけるか?」

うなずく仙道。



桜木 ( ん? センドーは疲れているのか。)



田岡 「 流川はラスト4分で投入する。けっして逃げるな。オフェンスこそ神奈川のバスケットだ!」


桜木 ( 帰ってこなくていいぞ)


一同 「 ハイ 」






宮城 「 ハナミチは大丈夫か? 」

彦一 「そや、一番疲れているのは森重君とマッチアップしている桜木さんや!!」




「がっはっはーーーりょーちん!! この天才を、貧弱キツネ・センドーと一緒にしてもらっては困る!! さあ凡人ども、最後はこの天才にボールをよこせ!!」



と、普段なら言う花道であったが、この時は違っていた。



桜木 (ん?みんな何を言ってるんだ?)








この時、桜木は気づいた。

周りの人間が異様に疲れているのを。

愛知ベンチを見渡しても、森重・影虎・佐東 みんな疲れていた。

そして。。。

自分の肉体はまだまだパワーが有り余っている事を。


この時花道は自分以外の人間がスローモーションで動いているかのような錯覚に陥った。





桜木 「あぁ・・」

宮城・彦一 ( ? )

気のない返事をして、桜木はコートに戻っていった。





右手を ぎゅっと握り締め、自分の力がまだ有り余っていることを再確認した。


次に左手・・・上半身は大丈夫だ。


次は下半身・・・2,3歩踏み切り、ゴール下でジャンプ!!






ゴン





桜木 ( 痛っ )




緊迫した場面で一人リングで頭をぶつけていた・・・・













スラムダンク 35巻 7

2007-12-02 19:05:23 | スラムダンク 35巻
#311  変化2


  愛知の攻め―。

 ブロックされた 弟 俊二にボールが渡る。


 宮城(またか!)





 シュッ! 





 いきなりのスリー・・・・






 シュパ





 
 79-74 
 俊二のスリーが炸裂した!



 「うおおお、こんどは愛知がやりかえしたぞ!」
 「いいぞ、いいぞ シュンジ!!」




 愛知監督 「 ふぅ~ 」

 

 三井 「 強気だなあのガード。」

 牧 「だが、まだ若い。」

 赤木 ( ・・・・・ )





 続く神奈川の攻め。

 流川はベンチ、仙道は足をいためている。
 愛知は 佐東が 神にフェイスガード。
 ボールを持たせない作戦だ。


 清田 「 こら、赤毛ザル! スクリーンかけろ!!」
 
 桜木 「 何を! 天才のシュート力をいかすためにお前がかけろ!!」




 牧 「だめだあいつらは・・・」

 三井 (少し冷や汗かきながら) 「 だよな、スクリーンは大事だ。 」

 赤木 「 ああ・・」

 河田 ( ?? )

 




 バシィ







 仙道からのキラーパスがゴール下の福田にとおる。

 「おお、速い!!」



 しかし、福田はシュートにいけない。


 福田 ( くっ )

 森重・影虎にはさまれては、シュートまでいけなかった。

 
 フェイクをいれて強引にシュートにいく!!








 ガン





 

 シュートは外れる。

 リバウンドは森重。

 恵一にボールが渡る。

 



 ダム




 愛知のアーリーオフェンス


 森重が強引にゴール下まで走りこむ!!


 
 恵一からの少し高めのループパスがでる。 



 「アリウープ!?」



 宮城 「 ハナミチ!!」


 桜木 「おうよ!!」


 
 空中戦では桜木も負けていない!  

    
 
 
 ドン

 
 桜木 (ぐ・・)


 森重が桜木にボディチェックを入れる。

 一瞬、ふんばる桜木。


 森重はかまわずジャンプ!!






 ダン






 森重のダンクが決まった!!


 
 「うおおおおおおお!!」 
 「きたー ビックバーーーン!」


 三井 「あっちゃ~ アリウープ 決めやがった。」



 79-76

 その差は3点まで縮まった。




 宮城 「 流川、まだだ、慌てるな。」

 交代しようとした流川を宮城が止める。





 河田 「 ピンチ だぞ。 」

 赤木 「ああ、攻めてがない。」
  
 三井 「あっ、何?」





 コートでは神がスリーポイントラインから1~2メートルの地点でポジションどりをしていた!


 三井 「なんなんだ?」


 フェイスガードの佐東はもちろん前をおさえる。

 
 神はキュっとターンし、裏へ走る。

 仙道からの裏パス。

 




 バシッ 






 ボールが通る。

 それもそのはず、神がボールをキャッチした地点は、まだ3Pラインの外だった!!





 バッ!
 三井が思わず立ち上がる! 




 

 シュッ 






 いつもなら、神の手からボールが離れた瞬間、
 「ウーーーーーー」と声を出し始める応援団も、


 神に対抗意識まるだしの三井も、


 ずっと声を出しつづけていた宮城も、




 誰もがその一瞬すぎた出来事と、神のシュートの放物線の美しさに、

 口をポカンと空けて、リングに吸い込まれるのを、眺めていた。










 シュパッ







 ボールがリングに吸い込まれる 乾いた音だけが 超満員の観客全員の耳にとどいた・・・







スラムダンク 35巻 6

2007-11-29 11:43:24 | スラムダンク 35巻
#310  変化



ダン


ダン


ダン


ダンン・・・・





愛知の歓声の中、時が止まったかのような神奈川ベンチの横をボールが転がる・・・



彦一 「仙道さん・・・・」



「うおおおおー、ナイスブロック!!」
「いいぞ~恵一!!」




仙道が自分よりも身長の低い 小名 恵一にブロックショットされたのだ!!





そして、仙道はコート上でそのままシリモチをついて、ふくらはぎのあたりを押さえていた。




牧 「大丈夫か? 仙道・・・」

三井 「足がつったのか?」

赤木 「流川に仙道・・・一体どうしたんだ!?」




慌ただしくなる神奈川ベンチを尻目に
愛知監督 「 ふ・・やっと仙道も足にきたか。さあどうする神奈川? 仙道に流川、日本を代表するプレイヤーだ。オフェンスマンの2人だが、今年になってからは一層ディフェンスの意識が高くなっていた。たしかに2人の能力があれば、10cm差のミスマッチはカバーできる。しかし、インサイドプレイヤーを1試合とおしてマークした経験はあったのかな? ポジション争い、ボディチェック、スクリーンアウト・・・肉体の削りあいになるインサイドディフェンスはフォワードのディフェンスとは違い、筋力の消費が半端じゃない。さらに仙道はインサイドプレイヤーをマークしたり、超高速ガードにプレッシャーをかけられたりと流川以上に疲労しているはずだ。」




 必ずスクリーンプレイから始まる愛知のプレーは、スローペースのハーフコートバスケットを展開するためだけではなく、インサイドの桜木・仙道・流川の脚を削るためのものであった!!
 その愛知の作戦が、普段以上に体力を奪っていた!!



  愛知監督 「さあ宮城か? いまさら出せるかな? 今の神奈川で一体誰が宮城のスピードについてこれるんだ?  しかもミスマッチになるぞ。 フフ・・」


      


 79-71  今だ神奈川がリードするも、絶体絶命のピンチとなった。



  屈伸する仙道。 自分の身体を確かめているようだ。
  どうやら、完全につったわけではなかった。
  ただ、全力でプレイすれば、そのうち足がつることは自身気がついていた。

  
  そして・・・


  「あと 7分だ。 優勝するぞ!!」




  
  田岡監督 ( 仙道 !!)


  福田 ( 仙道 !)
  越野 ( 仙道 !)
  彦一 ( 仙道さん!!)


  

  脚をかるく引きずりながら、プレイしようとする仙道を見た桜木・・・

  桜木 ( 軟弱男のキツネはともかくセンドーはなぜバテテるんだ? )





  24秒ぎりぎりの神奈川の攻め、清田のシュートは外れた。

  リバウンドは森重。

  恵一にパスを出し、そのまま走りだす。

  恵一からノールックで前を走る俊二へフィードパス!!

 

  「ああ!もう走ってる!!」 
  「おお、速い!!」



  

   疲労がたまってきた神奈川に対して、トランジションを上げてきた愛知。
  特に体力があだある小名兄弟のスピードは飛びぬけていた!!




   だれもが速攻で2点と思った瞬間・・・





 バシイ

 




  俊二のシュートをブロック!!!

  彦一 「 うおおおお!! きたで!!  きたで!! わいは見たで !!」

  田岡監督は思わず立ち上がる!! 「仙道っ!!」
    
 
 

 
   「 うわ~ 仙道がブロックショット やり返した!!」

   「いや、ちょっとまてよ、脚を痛めたんじゃないのか?」





   歓声をよそに仙道はうずくまりながら、足をおさえる。

   そして立ち上がり、観客席にむかって、人差し指を指した!!

   「うおおおおおおお」
   「仙道さん!!」
   神奈川応援団は 抱きついたり、 飛び上がったりしている。


   普段はポーカーフェイスでプレイし、そのプレイでチームメイトの気持ちをつかんでいた仙道であるが、今回は仙道のハートが神奈川のチームメイトの心をつかんだ!!



   
   いや、仙道に最も心をつかまれたのは、チームメイトではなく、監督であったかもしれない・・・



  田岡監督 (せ・・仙道・・・・)


  天才仙道を陵南キャプテンに指名した田岡であったが、仙道は天才ゆえに、
 他の選手とはどこか違った。 牧や赤木にくらべると、『勝つ』ということに
 貪欲ではないように感じていた。

  仙道自身はある意味プロフェッショナルかもしれないが、周りはまだまだ未熟な高校生、田岡は仙道のキャプテンのスタイルにウインターカップにむけて一抹の不安を感じていた。

  そこで、国体決勝では宮城をはずし、仙道のリーダーシップを磨こうと考えていた。

  




  愛知の作戦にはまってピンチの神奈川。

  さらに自身も足をつりかけるという極限の状態が、

  田岡の予想を越えた変化を天才仙道にもたらしていた!!





  


 
  



    
         


スラムダンク 35巻 5

2007-11-27 11:18:16 | スラムダンク 35巻
# 309   A's
 


  79-69 

 神の3Pで再び点差を広げる。
 こういうタイミングでのスリーポイントは効果絶大である。



 三井 「やるな 神!!」

 赤木 「流石は神奈川ナンバーワンシューター。」

 三井 「なんだと? ナンバーワンは・・」



 赤木 牧 河田 「三井はもう大学生だろ!!」

 
 
 三井 ( く・・・正論だけに・・・)






 ダム ダム ダム





  コートでは愛知がアーリーオフェンスを展開しようとしていた。


  俊二にボールが入る。


  もちろん神のスリーに触発されていた。



  宮城  (何!?)







  シュッ






  俊二のジャンプスリーポイント!

 「おお!やっぱ速い!!」








  シュルシュルシュル・・・・








  ガン



 
  


  俊二のスリーは外れる。


  愛知ベンチ 「ああ~ 惜しい!!」


  宮城 「リバウンド!!」
  

 






  ガシ







  リバウンドボールを森重がワンハンドで鷲づかみにする!!


  そしてそのまま・・・・・








  ドガン







  チップインダンク!!

   
  「おお~」
  「きたきたきた~!! ビックバン!!」


  ここ数分の沈黙を破る 森重のビックプレイ。

  そのダンクは 小名兄弟や神のプレイを 人々の記憶から一掃してしまうくらい
  破壊力抜群であった。




  愛知応援団 「いけいけ 森重!!  おせおせ愛知!!」

  第4ピリオドは 神奈川・愛知 お互いのオフェンス合戦となろうとしていた!




  



  彩子 (第4ピリオドの集中力はまるでマイケル・ジョーダンだわ)







  マイケル・ジョーダン   バスケットの神様

  平均 30点オーバーのジョーダンも後半の集中力がすごかった。

  第1クオーター  2点
  第2クオーター  4点
  第3クオーター  8点

  アナウンサー 「今日のマイケルは調子が悪いですね。」

  第4クオーター  16点


  計 30点


  アナウンサー 「・・・・・」

  島本氏 「いや~これがジョーダンなんですよ (笑み) 」


 





  各チームのエースがそろった国体メンバー。

  第4ピリオドの集中力はすさまじいものがあった。

  エースたちの夢の競演にふさわしい内容である!

  互いにリズムをつかんだまま点の取り合いの様相をみせてきた・・・・



  ように見えたが、流川に続き、あの男に異変が起きていた・・・・
    






バシイ



 思わず立ち上がる牧

 「何?  ブロックだと!!」





スラムダンク 35巻 4

2007-11-24 22:53:54 | スラムダンク 35巻
#308   DNA

 ダム、ダム、ダム・・・

 仙道がボールを運ぶ。


 ディフェンスは恵一、俊二が清田につき、神には佐東 龍司がついた。

 

 清田(む・・なんだ?このプレッシャーは!!まるで牧さんじゃないか!)

 
 小名兄弟のプレッシャーはコートサイドで見ていた以上であった。

 

 清田(くそ、ふりきれねえ・・・)




 「こっちだ!」
 神が0度の外にでてボールを受ける。


 仙道から神にパスが入ろうとした瞬間、清田はディナイの逆をつき、ゴール下へ走りこむ。


 神はボールをうけてタップで清田へパス。


 走りこんだ清田はそのままランニングシュート!!


 

 が、愛知のゴール下にはもちろんこの男がいた!!





 「おおでっけえ!!」

 

 森重がチェックにいく!!



 清田は十分にひきつけて逆サイドの桜木へバウンドパス。


 
 桜木 (ぬっ)


 一瞬慌てた桜木であったが、ゴール下シュートを確実に決める。


 76-69


 

 河田 「 ほう・・・・」

 赤木 「 いいプレーだ。 海南らしく、単調だが堅実なプレーだ。」

 三井 「 まさしく王者のプレーだな。」





 ディナイ(ボールを持たさないようにするディフェンス)に対するお手本のようなプレー。 

 神 & 清田のコンビプレー   仙道&福田 小名兄弟 のような派手さはないが、
 息のあった堅実なプレー。
 (時には派手なプレーも炸裂するが。)

 

 神奈川3強の中で、常に全国の強豪と戦ってきた海南には、
 伝統的に堅実なプレーがしみついていた。





 ピーーーー
 「オフェンス!!」


 
 

 「なにぃ? 俊二がチャージング」
 「おおチャージングとったぞ!!」



 
 コート上では、倒れこんでいた清田がガッツポーズしていた。


 神が清田の手を引っ張り起こす。

 そして2人でハイタッチ。


 清田が俊二に話し掛ける。


 「 神さん相手だと誰もが強引に突っ込んでくるんだよ。」


 神はどうしても身体能力で劣ってしまう選手である。オフェンスは日本トップクラスであるが、ディフェンス力は強引なプレーやパワープレーに弱い。

 神にマークされた選手は、強引に突っ込んでくる場合が多い。

 それを逆手にとった清田のナイスディフェンスであった。
   
 

 弥生 ( まさしく王者海南のプレーね。 王者のDNAだわ。)


 
 流川の交代は 双子のDNA 対 王者のDNAの戦いの幕開けとなった。 

 


 続く神奈川の攻め。

 

 神が45度でボールを受ける。


 清田がスクリーンにいく。




 「おおまたまた海南コンビ」

 「ピックアンドロールだ!」



 


 シュッ!!



 神は迷わず打つ!



 「なんだと!?」


 

 どこまでもスリーに自信がある男。
 
 この男の手からボールが離れた時点でもうすでに勝負はほぼ決まっているかもしれない。

 



 シュパッ






 一瞬の沈黙の後、波打つように観客から歓声が巻き起こる!!






 「うおおおおおおお~」
 「きたーーーー!!」



 赤木 「あのタイミングでいきなりスリーとは、前言撤回だな。」

 三井 「 いや、ある意味堅実だぜ。」

 


 内に秘めた闘志をもつ男、神 宗一郎。

 自分のシュート力には絶対の自信がある。

 どんな状況であれ、スリーポイントを打つことに躊躇しない。

 IHの連続出場は途絶えたが、ウインターでのリベンジを誓い、努力を続けていた。

 そんな神がIHに出れなかったうっぷんを晴らすかのように、決勝戦でその実力をいかんなく発揮していた。

 
 
 

スラムダンク 35巻 3

2007-11-23 01:09:21 | スラムダンク 35巻
#307   以心伝心 


 PG 長男 恵一のアシスト力、

 SG 次男 俊二のシュート力、

 ともに開始そうそうのワンプレーでその実力をみせつけたかたちとなった。



 そして・・・





 俊二 「あたるぞ!!」

 シュートを沈めた俊二がいきなりディナイする。

 仙道に 2人がついた。

 

 「何!?」
 虚をつかれた神奈川。

 エンドラインの神がパスコースを探す。





 神 (仙道は無理だ!)


 流川も振り切れない。

 桜木・福田はフロントコートにいて、パスを受ける体勢になっていない。

 


 俊二の突発的なプレスディフェンスは森重・影虎も戸惑いをみせたが、
 仙道にマッチアップしている恵一、
 流川にマッチアップしている “三河の竜” 佐東 龍司、
 この2人は俊二と意思疎通がとれているため、
 瞬時に反応していた。




 バイオレーションをあせった神は仙道頼みのパスを出すが、
 そんなパスが通るようなら、この双子はこの場に立っていない!!




 バシイ





 恵一のスティール。




 そのままゴール下へ・・・




 仙道が必死のブロック・・・





 恵一はノールックで無人のコーナーへパスを出す・・・




 そこに走りこんでいたのはもちろん次男 俊二・・・・





 シュッ






 愛知応援団(右手の指三本だけ挙げて)「ぉーーーおーーーーーーー」

 





 シュポッ!!







 愛知応援団 (両手とも三本指 挙げて)「 イエスッ!! イエスイエスイエス  !!」


 「きたーーーー ルイージゾーン !!!」
 「コーナーのスリーはおちねえ!!」
 

 


 恵一のスティールから俊二のコーナーでのスリーは
 小名兄弟のスペシャルコンボである。

 もちろんアイコンタクトなしでできるプレーである。





 74-69
 いよいよ 愛知が神奈川を射程圏内に!!




 ピーーーーー
 「タイムアウト 神奈川」

 
 


 愛知ペースになりそうな状況で、田岡監督が一息いれる。

 



 牧 「すごい逸材がいたな愛知には」

 三井 「いや、それより流川はどうしたんだ?」




 
 神奈川ベンチ
 田岡監督「清田!」
 
 「ハイ」

 田岡監督「流川と交代だ。」



 (何!?)
 一同、驚きの表情を隠せない!!





 憮然とした表情でベンチに腰掛ける流川。
 しかし、この怒りは田岡監督へのものではなく、
 自分への苛立ちであった。
 





 一方、愛知ベンチ

 愛知監督「ふ・・・やっと作戦が功を奏したな。
     さあどうする?神奈川?
     いまさら宮城をだしても遅いぞ?
     ディフェンスもどうする気だ?  フフ・・・」

     





  赤木 「流川に代わって清田か・・・怪我でもしたのか?」

  三井 「おいおいいつまで宮城をださねえつもりだよ!」

  牧 「そうだな、俺でも宮城を使う。しかも、もっと早くな。」


 

  ピーーーー
  「タイムアウト終了」


  神奈川
  PG 仙道
  GF 清田
  SF 神
  PF 福田
  CF 桜木

  
  愛知
  PG 小名 兄
  SG 小名 弟
  FC 佐東
  CF 影虎
  C  森重



  


 田岡 ( く・・・仙道信じているぞ・・・) 
 



 田岡には野心があった。
 陵南高校の全国優勝である。
 彼にとって、昨年一度優勝している国体優勝よりも、
 仙道の最後の全国となるウインター優勝こそが彼の念願であった。

 下手すれば一生に一度しかないチャンスが彼の理性を狂わせていた。


 陵南の全国制覇にとって最大の敵は
 名朋工業や山王工業ではなく、湘北高校であった。

 
 仙道3年のこの年のIH予選で初めて優勝し、IH準優勝までいった陵南高校。
 しかし、田岡は全国で感じていたことがある。
 湘北よりも弱いチームばかりである。
 さらに海南より強いチームも数チームしかなかった。
 ウインター優勝への最大の関門は神奈川県予選であったのだ。



 愛知との決勝戦、接戦が予想できた。
 バスケットに限らず、スポーツの世界では、頂上決戦において、時に練習ではえられないような経験をすることができる。
 “覚醒”とでも言うべきか、トップアスリートが試合中に劇的な変化をするときがある。
 田岡は、ライバル湘北のキャプテン、宮城にこれ以上極限での試合経験をつませたくなかったのである。
 陵南のエース、仙道にすべてをたくし、仙道の更なる変化を求めていた。



  平常では考えられないこの考えが、本来ならこの後、神奈川にピンチをもたらすのであったが、双子のDNAに対抗できるDNAが神奈川にはあった。。。

スラムダンク 35巻 2

2007-11-20 23:51:17 | スラムダンク 35巻
#306  愛知の逆襲 弟


 仙道のアシスト、小名 恵一のアシスト、第4ピリオドはともにPGのプレーが引き立った。


 続く神奈川の攻め。

 仙道がボールをキープ。

 アシストを決めた、恵一は気分よくディフェンスをする。

 



 キュッ キュッ キュッ






  バッシュとコートが擦れる音だけが静かにコートに響き渡った・・・

 それくらい観客は息をのんで次のプレーに注目していた。

 


  仙道といえど、恵一のディフェンスに対して、そうそう連続でアシストをきめることはできず、

  俊二にマークされている神は、自らフリーになることは出来なかった。

  こういう場面で幾度となく、チームの状況を打破してきた男がいた。





  
  流川  楓





  三井「こういう時こそ、エースの真価がとわれる。」

  赤木「ああ、ピンチの時こそ力を発揮するのが流川という男だ。」

  牧「だが、何かおかしいぞ。」


  


   キュッ キュッ キュッ





  彦一(流川君がふりきれない?!)


  宮城 (流川・・・・・!)




  第3ピリオド ラストのシュートを落としたあたりから、流川の動きがどこかおかしかった。



 

 

  攻め手のない神奈川は、神にボールを託した。

  しかし、神はノーマークで持ってこそのシューターであり、
 小名 俊二のディフェンスを1on1で切り崩すことはできなかった。


  



  神は3Pライン外でボールをうけ、ピボットでボールをキープしていた。

  

  彦一 (あ・・あかん 24秒や・・)


  神は、右→左とドリブルフェイクをいれたあと、その場でクイックモーションでスリーポイントを放った!


  三井 「 おおっ 速い!!」

  
  赤木 「 が、リズムが悪い!!」


  


  24秒バイオレーション ぎりぎりの3ポイントシュート。

  攻め手を欠いた神奈川のシュート。

  勝負はここからのリバウンド争いに注目が集まった。

  



  桜木 vs 森重の リバウンド争い!!


  桜木がエンド側から飛び込もうとする。

  ここは森重が右腕を使い、桜木の動きをボディチェック!!

  桜木がターンし、逆から飛び込もうとするが、今度は左腕でポジションをキープする。

  スピードのない森重は腕の使い方が進歩していた。

  巨体とその腕を使い、2人分の壁をゴール下に作り上げていた。




  桜木 「ぐっ・・・」

  彦一(あかん、リバウンドもとれない!!)







  しかし、観客席の牧だけが、うっすら微笑んでいた。






シュパッ






  赤木・三井 「 なにぃーー!」

  「うおおおおお あの体勢でスリー決めたぞ!?」

  「きゃ~ 神さま~」



  牧 「俺のあとを引き継いだ男だぞ?」
  
  赤木 「まぐれじゃないのか?」

  三井 ( ゴクリ・・・・)
  同じシューターとして 三井が 今の神のシュートのすごさを感じていた。







  神 宗一郎  ピュアシューター

  牧 が抜けたあと、海南を支えるエース。
  ディフェンスをひきつけてパスをだせる牧が引退したことで、シューティングの内容をかえていた。

  連続30本イン を  10セット
  ロングスリーポイント を 100本
  ピボットやターンからのスリー を 100本

  この 計 500本を 新たな課題とし、毎日続けていた。






  清田 (神さん・・・・)
  普段はおちゃらけている信長も、神の努力をだれよりも知っているだけに、
  その喜びはチーム一番であった。


 


  観客の盛り上がりをよそに 愛知はアーリーオフェンスにでる。


  愛知監督 「 ふっ・・ あいつにも火がついたようだな。」

    
  ボールを運ぶ、恵一から俊二へパスが渡る。





  ダム




  
 俊二はワンドリブルをつき、ジャンプスリーを放つ!!






 シュッ






  「何!?」


  あまりにも早いタイミングでのシュートだったからか?

  あまりにも速いシュートモーションだったからか?

  あまりにも綺麗なシュートフォームだったからか?


 
  観客からは 驚嘆に近い声が自然とでてきた。 









  シュポッ










  俊二のスリーポイントが決まる!!

  「おお~今度は愛知のスリーだ!!」
  「第4ピリオドは点の取りあいだ!!」



  74-66





  ここまで開始わずか1分15秒。

  小名 兄弟がはいったことで、決勝戦は一気に高速ノーガードでの打ち合いの様相になっていた・・・・

  








  

スラムダンク 35巻 1

2007-11-17 22:25:50 | スラムダンク 35巻
#305  愛知の逆襲 兄


 勝負の第4ピリオドがいよいよ始まった。

ダム・・・仙道がボールを運ぶ。

ディフェンスは小名 恵一。小刻みなステップでプレッシャーをかける。




三井「おお、すげえプレッシャーだな。」




第3ピリオド終盤まで、温存されていた小名兄弟、スタミナは十分だ。

いや、正確には、第3ピリオドのラストにでてきたことにより、やっとこの第4ピリオドから全力を出すことが出来た。




ダム





仙道がチェンジオブペースから、右ドライブ。


小名は即座に反応し、コースまで入った。


彦一 ( 速い!!)


仙道はすかさず、リバースターン。
(宮城が序盤、深津をかわしたターン)


牧 「 あぶない!!」



仙道がターンしたその先には、尾張の虎・影虎が待ち受けていた!!


仙道は、ディフェンスを感じて、ボールを前にだしたり、突っ込んだりはしなかったが、

反対からは、小名 恵一がダブルチームにきていた!!








恵一がプレッシャーをかけるとオフェンスはキープするだけで精一杯で視野がせまくなる。

スティールされた後ならなおさら一層、恵一に注意がいく。

恵一が完璧にコースに入り、ターンしたオフェンスに対して影虎がヘルプに行き、

恵一と2人でダブルチームでボールを奪う。

愛産大尾張、いや、小名 恵一と影虎のコンビネーションディフェンスである。






しかし、小名 恵一がむかった先は仙道ではなく、福田であった。

リバースターンした仙道は、影虎がダブルチームにくるのを感じ、

ボールが影虎の死角に入った瞬間に、左手に持ち替え、ビハインド ザ バックパスで

影虎のマークマンであった福田にボールを送っていた。

恵一からはもちろん仙道のパスが見えたので、福田にチェックへいった!!







シュポッ!








彦一 「きたで 福さん!!」


冷や汗の牧 「ふう~流石だ仙道。」

小名兄弟の登場で勢いづく愛知に対し、仙道は第4ピリオド開始のプレーで、

いきなり出鼻をくじいた。


71-61


仙道の実力をコートで感じた恵一であったが、仙道のすごさは前からわかっている。

いまさら動じない。

それどころか逆に喜んでいた。






ダム ダム ダム





ポイントガードの恵一がスピード全開のドリブルで運ぶ。

「おお速ええ!!」

恵一には仙道、 俊二には神 がマッチアップ。

今まで、ハーフコートバスケットを展開してきた愛知であるが、

トップ2人が代わり、あきらかにゲームスタイルをかえてきた。

速いテンポで攻めるプレイスタイルである。






恵一のマークマン仙道に、俊二がスクリーンをかける。





ダム





仙道「スイッチ!!」


仙道・神の場合は、スクリーンにたいしてスイッチしてもオフェンス・ディフェンスともに身長が同じなのでスイッチしてもミスマッチにならないので、かまわない。







ダム



恵一は縦に突っ込んだ!!


神( くっ・・・ )


抜かれそうになる神に対して福田がへルプにいく。

恵一はおもわず、福田に突っ込んでいく。



「チャージだ!!」

恵一の身体と福田の身体がまさにぶつかろうとしたその瞬間、恵一が急ストップした。

福田は目を丸くした。

ぶつかりかけたからではない。

ボールが恵一の手元になかったからである。









パサ






「うおおおお」

「きたーーーーー」


恵一からのループパスを 影虎がタップシュートで決めていた。


福田と神はなにがおこったかわからない。


71-63

愛知に2点が加わったことしかわからなかった。






恵一はチャージ寸前に、あえて名づけるなら、

ビハインド ザ バックループパス を 

だしていた。





チャージングをとる瞬間、本能的に身構えてしまう。

もちろん腰もおとす。

その瞬間を逆手に取り、恵一は突っ込むふりをして、福田の視界をせまくし、

ビハインドパスを出していた。





先ほどの仙道のように・・・・






牧「(仙道の)マネをしたのか?挑発か?」

三井「いや、真似しようがないだろ。あんなプレー。」






ざわめつく観客。

おどろく神奈川をよそに、愛知監督はやれやれ という表情。


愛知監督 「ほんまにしょうがないやつだ。」







  小名恵一

     トリッキーなパスで相手を翻弄する愛知の絶対的ポイントガード。

     もちろん仙道のプレーを真似をしたのであるが、

     『仙道にできることは俺にもできる』 的な挑発や、自分の実力を見せつける選手ではない。

     ただ、純粋なだけである。  純粋にバスケットが上手くなりたい。
     
     そんな選手である。

     仙道のプレイをみた恵一はすぐさま自分もやりたくなったのである。

     ジョーダンのダブルクラッチを初めて見た時のように・・
  
     ジェイソン・ウイリアムのエルボーパスを見たあとのように・・・
 
     この純粋なバスケットマンにとって、決勝の緊迫した状況など関係なかった。

     仙道のパスをみた恵一はすかさず自分もやりたくなったのだ。

     もちろん出来る自信があったからやったのであり、その技術も相当高かったが・・・





    インサイド重視の愛知がいよいよガード陣で神奈川にその力をみせつけようとしていた。

  
   そして、この恵一のスーパープレイに触発されたのは、

  マッチアップしていた仙道でも、負けず嫌いの流川でもなかった。







   そうあの男・・・・・








   弟の 小名 俊二であった・・・