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筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

単調なはずの中の緊迫感 「激突!」

2009-10-06 16:22:57 | 映画ア~サ行

昨日BS放送でやっていたスピルバーグの初期の作品(1971年 デニス・ウィーバー)。

先を急いで運転していたマンは、前をゆっくり走っていたタンクローリーを追い越す。その上ガソリンスタンドでもたついたせいもあり、その運転手を怒らせてしまう……

そうしてそのタンクローリーに嫌がらせされるだけのお話
こう書くと、一体どこが面白いんだ、と言われてしまいそうだけど、これがだんだんのめり込んでしまう

遅い前の車を追い越す、という誰でもよくやる行動
でも抜かれ方によってはかなり腹が立つ。それもよく起こる感情
それがこうまで泥沼化するかというと現実には疑問だけれど、あり得そうだから怖い

前へ出してやったら超スロースピードで前を塞ぐ
「抜いていいぞ」と合図され、抜こうとしたら対向車
そのうちあおられて150㎞超の猛スピードを出さざるを得なくなる
踏切待ちで後ろから押し出されそうになる
……

嫌がらせからだんだんエスカレートし、殺意に変わっていく相手。
自分の車より図体も重量もあるタンクローリー。
最後まで運転手がどんな人なのか映らないのも一層恐怖

いやいや、ただ道路を走るだけのことなんで、単調かと思いきや。
えらい緊迫感です。
運転が、こんなに怖いものだとは
再確認。

みなさん、前の車を追い越すときには充分注意しましょうね


淡々と見せる「幸福な食卓」、ドラマチックな駆け引きの「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

2009-10-02 21:31:53 | 映画ア~サ行

おうちで録画鑑賞~~。

「幸福な食卓」(2006年 北乃きい、勝地涼、石田ゆり子)
「お父さんは今日からお父さんをやめる」と食卓で宣言した父。そんな普通なようで普通でない家族が、ありふれた毎日を過ごしていくが……

ありふれているようでありふれていない毎日だったり家族だったり。
そんな中に小さな幸せがいろいろ。傷もある。
淡々とした描かれ方が心地よかった

だから……最後までそのトーンで行って欲しかったな~~~。
ドラマチックなことを入れるために、勝地君の末路が……ってこと? うああ~~~(>_<)
途中からそうかも、そうかも、と嫌な予感はしてたんだけど。
ちょっと許し難い……

原作が瀬尾まいこさんの小説だそうだけど、未読。
原作もこの通りなのかなあ。。。(かなり不満)

勝地君がとてもいい味です。
「六番目の小夜子」の頃はただ可愛いだけだったけど、今や目力のある、印象に残る役者さんになってますね
北乃きいちゃん、今も初々しいけど、この映画ではもっと新鮮 最初、誰だっけと思い出せないくらいでした。


「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年 レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス)
実在した偽造小切手の詐欺師。パイロット、医者、弁護士と次々なりすましてはお金をたたき出す。一方担当FBI捜査官も、わずかな会話の手がかりから彼を追いつめていく……

いや~、こんな実在の詐欺師さんがいたとはオドロキ
とにかく突発的な不測の事態に対しての頭の回転がすごくて見物(ここは実話か、虚飾かわかんないけど)。

対するFBI捜査官も、ジョークも言えない頭が堅い奴ではあるが、とても切れる。
ただ、情がある。それがいいな~

詐欺師の方も、根本には父親孝行をしたい気持ちがありあり。だから憎めない

二人のめまぐるしい駆け引きや、だんだん信頼関係が出来ていく様子は、まるでルパンと銭形を見てるようだったわ

そしてラストもとってもホッとする。彼がこうなってよかったな~って。
観て満足の一品

ただ……このときディカプリオ、28歳。
さすがにほとんどが16~17歳の役ってどうなの? って思ってしまった
童顔だから、大丈夫といえば大丈夫なんだけどね。

レオ様のパイロットや白衣姿、ビシッと決めた背広姿など、それも見物でした~~


「ウルヴァリン」 何度もヒューに惚れ直し

2009-09-29 18:40:48 | 映画ア~サ行

ミュータントと人間の闘いを描くX-MENシリーズの始まり。ウルヴァリン誕生バージョン

「ニューヨークの恋人」で、ヒュー・ジャックマンに撃ち抜かれた私
でもX-MENシリーズは全く見たことがないので、観に行こうかどうしようか迷っていた。
そこで愛読させて頂いているブログの映画ライターまち子さんに相談。で、シリーズ未見でも全く問題なし、とお答えをいただき、意気揚々と観に行きました

○○○○○

大正解

ヒュー・ジャックマンファンの皆様。それほど熱烈ではなくても気になってはいるという方々。
観ましょう、絶対

葉巻くわえて木こりの力仕事をするヒュー。キャー
レトロなライダースジャケットを着て炎の中からバイクで飛び出してくるヒュー。ドヒャー
素っ裸で他人の納屋に忍び込むあやしい奴のくせして「寒いんだ」(当たり前)とか可愛いことを言うヒュー。うわわわーー

何なんでしょうか、この目をそらさせない男っぽさ。力強さ。吸引力。奥深さ。

何か、絶対的な安心感、圧倒的な安定感のある男性――「オトコ」とか「男」じゃない。「イケメン」とかでもない。そういう軟弱な響きが似合わない。野性味タップリでそれでいて紳士的で、ムキムキなんだけど色気があって

ストーリーは、ヒュー演ずるウルヴァリンが、凶暴化した兄や政府の組織に振り回され、愛する女性を失ったり、体を変えられる苦痛を味わされたり、悲しみやら怒りやらで悶々とします。
あの、シャキーンという凄い爪も、元は骨みたいだったのがこういう誕生なんだ、とわかるわけで。
ただ……まあ、ストーリー的には割と普通

あの兄キが何であんなに凶暴化したのか、なのにどうして途中急に味方になるのか、わからないといえばわからないし

でも、アクションもCGも迫力あるし、展開もスピーディで、あっという間の2時間でした。

で、エンドロールの後も見逃しちゃいけません。ふ~む、この人はこうなるのか。で、こっちの人はこう……って、シリーズファンの方はそもそもご存知なことだったわけですね、きっと

確かにシリーズ観たことなくても充分楽しめたんですが、その分続きがもう気になって気になって。この映画館の帰り道にレンタルDVDを探しに行ったけど……案の定、「X-MEN」は貸し出し中でした……

 

他にもこの映画、気になる男優陣が続々
兄キ役のリーヴ・シュレイバーも、憎まれ役のくせにその獣っぽい動きがカッコよし
島への案内役テイラー・キッチュも、素晴らしくハンサムで今後が気になる若手さん
あっという間に死んじゃったけど、ロストの彼ドミニク・モナハンも
個人的には、太っちゃったフレッド役のケビン・デュランドも好み……


いやあとにかく、近々必ずシリーズ全部クリアしたいと思います

 


強烈なセクハラ訴訟映画 「スタンドアップ」

2009-09-08 14:22:23 | 映画ア~サ行

久々にお家で録画観賞~。

二人の子を育てるため、シングルマザーのジョージーは割のいい鉱山で働くことを選ぶ。しかし、閉山や仕事がなくなることを恐れる男達には女性鉱員が邪魔。耐え難いセクハラを受け続けたジョージーは、立ち上がり、訴訟を起こすが……(2006年 シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド他)

 

1988年の、実際の世界初のセクハラ訴訟を元にした物語。

確かにこの年代は「セクハラ」という言葉が出だした頃だと記憶している。今では「結婚しないの?」のセリフや水着のポスターを貼ること等も時にセクハラにあたるらしいが、当時は大体の女性が傷つきながらも我慢していたように思う。

ただ、この映画で出てくるセクハラは並大抵ではない。鉱山という男の力仕事がメインな職場では、いつどこで暴力を受けるかわからないという恐怖。卑猥な暴言や侮辱的な落書きなど日常茶飯事。トイレすら我慢しろと強要される。

そんな現状を何とかしようと主人公は立ち上がるが、嫌がらせはひどくなり、仕事を失いたくない他の女子鉱員達からも敬遠され、孤立。裁判では自らの思い出したくない私生活まで暴き出され(ここにもセクハラ……アカハラ? が絡むところが巧い)、ボロボロになる このリアリティは強烈だ。

今でいうと、さしずめ内部告発なども同じようなことになるのではと想像するのだけれど。とにかく人が働く場では、必ず似たような問題が起きるのだろうと実感した。

それでも、現在「セクハラ」という言葉を知らない人はいないだろうくらい認知度が高いことを思えば、この映画の結末は明るいものだとわかる

厳しくつらい裁判をみんなで闘っていこうというラストシーン。思わずこみ上げてくるものがあった

シャーリーズ・セロンが熱演。
そして、個人的には友人役のショーン・ビーンが注目でした。


期待よりよかった「アマルフィ 女神の報酬」

2009-08-11 14:30:25 | 映画ア~サ行

テレビ局の過剰宣伝。人気俳優の大集合。

この二つが揃う映画は、ど~も観に行く気がしない、というのがいつものパターン。過去、ガッカリさせられたことがあまりにも多く、一応学習したわけで。

けれどこの「アマルフィ」の原作は、個人的にお気に入りの真保裕一さん。そして宣伝のために再放送していた「振り返れば奴がいる」も大好きなドラマだったせいで、ついフラフラと……

というわけで、フジテレビの術中にはまった様相のこの「アマルフィ」、余り期待しないようにして観に行った。でもそのせいなのか、意外に満足してしまった(^O^)/

イタリアで起きた日本人の少女誘拐事件。外交官の黒田は、母親と共に娘を取り返すべく奔走するが、事件は意外な方向へ……

防犯カメラに映っているはずの少女失踪シーンが消えている謎。金を受け取りにきたチンピラとそれを頼んだ誰かとが会っている場面も、その誰かだけが映っていない謎。
また、母親を心配していろいろと親切にしてくれる友人の不可解な行動。

そうしたことを、細かいことから鋭く見抜く黒田がかなりカッコイイ 自己流の一匹狼だが誰よりも頼りになり、誘拐犯ともイタリア警察とも渡り合う これは、娘を誘拐されてイタリア語も出来ずにどうしていいかわからない母親にとっては、ものすごく頼もしいでしょう

笑顔を封印し、淡々と事実を積み重ねて真実に近づくクールな織田裕二がいい そして、「BOSS」であれだけ男前上司だった天海祐希が、人に頼りたくない強さは持つが心細さ全開という母親で、はかなげで哀しげ。これもとてもよかった

まあ、話の展開がだんだん大がかりになっていくので、どうして織田裕二が天海祐希にあそこまでしてあげるのかがちょっとウヤムヤになっている気はしたけれど。。。
「女神の報酬」の意味も、私には結局わからなかったし……

面白いと思ったのは、外交官という職業、こんな細かいことまで、こんな意識でやってるのか~というのが描かれているところ……「無駄遣いは外交官の特権ですから」とかね
そもそも原作者の真保裕一さんは、「小役人シリーズ」といわれる、公務員が題材のきめ細かい描写の小説をたくさん書かれている。これもそういう取材力のすごさの本領発揮、というところでしょうか(「アマルフィ」は原作未読ですが)。

また、この映画を観るとイタリアに行きたくなる この前「天使と悪魔」を観たときもあの辺りへ行きたい気になったけれど、イタリアのステキな観光名所がいっぱい。ここらへ行く人、増えそうだなあ。

サラ・ブライトマンの歌も聴き応えがあってとてもよかった。

というわけで、私の中の「過剰宣伝・人気俳優大集合の法則」ではダメダメなはずだったこの映画、結果的に結構好きでした。
でも、クリスマスの話なのに、何でこの暑い時期に公開なんだろ……?? という疑問は残るにせよ。

世界陸上でテンションの高い織田さんを見る前に、抑えたトーンの彼に会えたのには満足でした