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コラム01【第三話】~サムピックの構造的な問題

2020-08-17 08:13:24 | 銘木アトリエEq


市販のサムピックは構造的に2パーツと考える事が出来ます。
1つ目は指に装着する部分、これはリング(指輪)に準じた構造になっています。
2つ目はピック部分、リングの上部から水平にピックが伸びているイメージでOKです。

ここで注目する部分は、ピックとリングの間に隙間がある事です。
この隙間がある理由を考察しましょう。

まず最初に私は、音色に関して隙間が何かしらのメリットがある可能性から探りました。
ところが通常の三角形ピックは二本の指で挟みこんで使う事から、音色の違いは出ない事が判明します。
むしろピックをしっかりと固定する方が弦への振動が伝わり易く、音色には良い影響のある事が分かります。

サムピックの形状が音色に影響を与えないのであれば、次の可能性は現実的な問題です。
世の中の市販品の多くが持っている側面、それは商業的な問題です。

どういう事かと言うと、量産をして価格を廉価にする事。
多くの方がお求めできるように、作り易くする必要があるのです。

指は人それぞれ太さが異なりますので、サイズを細かく設定してしまうと価格が跳ね上がってしまうのです。

私のアトリエで指輪をオーダーメイドする際には、指輪のサイズは0.5号刻みで作成しています。
工業製品としてのサムピックを、0.5号刻みの既製品で作ったとしたら手が出せない金額になってしまうでしょう。

総括です。
サムピックのリング部分とピック部分が開放している理由は、フリーサイズリングにする事で多くの方が装着出来るようにする目的である。と考察しました。

もちろん現段階での考察ですので、実際に研究開発品を作ってからギターを演奏してみない事には確定は出来ませんので悪しからず。


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