バッハと音楽についての道草日記

~気になる音楽、ドラマ、書籍、雑誌等についての雑記帳~

トン コープマンは.....何処へ

2008-02-25 22:55:10 | 音楽

Scan10293 最近はクラッシク業界も不況なのか、CDの新録が少なくなってきています。再版が多く、昔に比べるとちょっと寂しいです。特に映像(DVD)のnew releaseは少ないです。昔買ったCDをゴソゴソと探していたら、左のコープマンの2、3、4台のチェンバロのための協奏曲集(PHILIPS:PHCP-3515/6)が出てきました。1980年の録音で、何時買ったのかも忘れていて(買ったことさえも記憶にない状態で.....)、埃もかぶって、ジャケットも黄色く変色していました。コープマンのCDは殆どERATOから出ているので、アレッと思いました。この曲を、コープマンは1988年と1990年に再録音して、ERATOから出ており(WPCS-10807/8)、これしかないのかと思っておりました。この、PHILIPSの演奏はERATOの演奏より、彼の演奏としてはあまり軽くなく、オーソドックスで、堅実な演奏のように思います。新鮮に聞けました。
最近、コープマンの新譜は見当たらず、以前にレコ芸では彼はERATOから解任されて、母国で自費レーベルを立ち上げて、未完成であったカンタータ集を、2巻出版したと書いていたと思いますが、その後はどうなったのでしょうか?(日本で発売された12巻は何とか揃えたのですが、この2巻はゲット出来ませんでした)。彼のバッハの全曲録音の構想は、あまりにも急ぎすぎ、十分に検証しないままに録音を進めた為、多くの批判を浴びているように思いますが、コープマンのバッハに対する情熱は十分に伝わってきます。彼のチェンバロ曲は軽快で現代的で、個人的には悪くないと思っています。

Comments (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フーガの技法

2008-02-19 22:06:39 | 音楽

Scan10289Scan10292Scan10290Scan10291 最近、フーガの技法を久しぶりに聞いてみました。というのも、お店でピエール=ロラン・エマール(ピアノ)の「フーガの技法」(ユニバーサル:UCCG 1386)(08.1.23)が発売されていて、思わず買ってしまったからです(最も左のCD)。この曲については、今更、素人の私が解説するまでもないと思います。この曲には楽器の指定はないのですが、確か本で読んだ記憶では、バッハは鍵盤楽器を意図してこの曲を作曲したのではないかと推測されているようです(間違っていたらすみません....)。  ただ、個人的には弦楽器で演奏した方が深遠な雰囲気が良く出て、各声部も良く聞き分けることが出来て好きです。ピエール=ロラン・エマールのピアノ演奏が良いかどうかは私には分かりませんが、オーソドックスな演奏のように思います。その他、管弦楽器で演奏したCDには、左から2番目の「ザール放送室内管弦楽団」(Erato:WPCS-22073/4、録音:1963年頃)、左から3番目の「エマーソン弦楽四重奏団」(ユニバーサル:UCCG 1175、録音:2003年)、左から4番目の「カール・ミュンヒンガー指揮/シュツットガルト室内管弦楽団」(KING:210E 1173/4、録音:1965年)です。他にも沢山ありますが、すぐ手元にあったものを載せてみました。
私がこの曲を始めて聞いたのが、一番右端の「カール・ミュンヒンガー指揮/シュツットガルト室内管弦楽団」のフーガの技法で、このイメージがずーっと残っており、この演奏が最もお気に入りで、他の演奏を聴くといつもこの演奏と比較してしまいます。この演奏を超える演奏は私にはまだありません。ピアノ、チェンバロ、オルガンによる演奏もそれなりにいいのですが、若い時に聞いたこのCDの深遠な素晴らしい演奏が未だに忘れずにいます。目が悪くなり(糖尿病からきた白内障でしょうか?)、口述筆記をしながら作曲していたであろうバッハの姿を想像すると思わず心がジーンとして、涙が出そうになります。

Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェルツマンのイギリス組曲

2008-02-10 21:36:34 | 音楽

Scan10288 以前から、フェルツマンの「イギリス組曲」が欲しかったのですが、最近、やっとゲットしました(カメラータトウキョウ、CMCD 20068-9)(録音2005年12月14日、15日)(2007.4.20)。確か、去年NHKのBSでイギリス組曲第6番を演奏しているのを見たことがあります。CDのジャケットに“フェルツマンの演奏を聴くと、心が静かにざわめきはじめる。”とあるのですが、彼の演奏がどういう特徴があるのかは良く分かりません(いつもながらまだ解説書は読んでません)。カメラータの録音はどれも音がクリアで、かつまろやかで綺麗ですが、この録音も快い響きです。イギリス組曲は多くの演奏家が弾いていますが、ピアノでの演奏は今までヒューイットとグールドの録音が気に入っていました。フェルツマンの演奏には、彼らのような特別に強い個性を感じないのですが、熟練した技巧に裏打ちされた正確で歯切れの良いタッチで、欠点の無い緻密な演奏で、この曲の構成も良く分かるように思います。5番、6番は平均律とイメージが似ているように感じますが、晩年とは違う、バッハの若さを感じます。フェルツマンはパルティータも録音していますが、平均律、フランス組曲のCDが早く出ないかと楽しみにしています。CDジャケットやテレビで見た彼の印象は、ちょっと頑固なおじさんです。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3台のチェンバロのための協奏曲

2008-02-04 21:16:52 | 音楽

Scan10287 今日も寒い一日でした。家に帰って暖房してホットしています。
3台のチェンバロのための協奏曲(第1番と第2番の2曲あります)はバッハの器楽曲の中で最も好きな曲の1つです。バッハの熟練した作曲技術が凝集した傑作と思います。もう30年位聞き続けていますが、何回聞いても飽きません。バッハのチェンバロ協奏曲はほとんどが自作のバイオリン協奏曲を編曲したものとされています。このCD「J.S.バッハ・チェンバロ協奏曲第2集」(NAXOS  8.554605)は1995-1999年に録音されたものですが、第2番をバイオリンで復元したものが収録されているのが聞き所と思います。バイオリンで復元された曲は、“あ~、オリジナルはこんな風だったんだな~”、と感慨深く、興味を持って聞けます。オリジナルはケーテン時代に作曲されたのでしょうか(調べていないのでわかりません....)。でも、やはりチェンバロの方が、きらびやかで花があるように感じます。
第1番の方は、他の録音よりテンポが速く、一気に聞け、爽快感がありますが、第2楽章のAlla Sicilianoがやや情緒に欠けるように思います。バッハの器楽曲の緩徐楽章はどれも美しい旋律ですが、特にこの3台のチェンバロのための協奏曲第1番の第2楽章は最もお気に入りで、疲れたときに時々聞いてリフレッシュしています。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする