バッハと音楽についての道草日記

~気になる音楽、ドラマ、書籍、雑誌等についての雑記帳~

イタリア協奏曲BWV971(ピアノ編)

2005-11-06 19:47:46 | 音楽
Scan10004
ここ1週間、アンジェラ・ヒューイットのピアノによるイタリア協奏曲を聞いています(hyperion:CDA67306)。これまで、グールドによる演奏(1959年録音)が一番と思っていましたが、ヒューイットの演奏もなかなか感激ものです。音の強弱、テンポの変化、左右の手が奏でる旋律のバランスの変化が絶妙です。第1楽章は単調になりがちですが、彼女の演奏には楽しさ、軽快さ、奥ゆかしさが感じられます。第2楽章も程よい緩除さで、深みを感じさせます。第3楽章もグールドと同様の早いテンポで、楽しく駆け抜けていきます。ただ、第3楽章で右手の旋律のタッチがやや荒々しい所があったり、左手の旋律がやや聞こえにくい所がありますが、個人的にはお気に入りです。
Scan10003
__scan10003
グールドは、ゴールドベルグ変奏曲と同様に、若年期と晩年期の2回録音しています。1回目は1959年6月、ニューヨークでの録音(左の写真、未完のイタリアン・アルバム、Sony:SRCR1855)で、2回目は1981年8月、トロントでの録音(右の写真、シルバー・ジュビリー・アルバム、Sony:SRCR2289-90)です。若いときの録音の方がテンポが速く、第3楽章では特に息も尽かさず一気に駆け抜け、グールドの若さを感じます。この第3楽章は何回聞いてもまったく飽きません。グールドの繊細かつ大胆で、一点のミスや狂いもなく、1本1本の指の先端まで神経が行き届き、一定のリズムでコントロールしていく様は圧巻です。グールドの独特な解釈も魅力です。晩年の録音はやや遅めのテンポですが、左手の旋律をはっきり強めに弾いており、曲の構築がはっきりしています。
__scan10004
ファジル・サイもこの曲を録音(シャコンヌ!~サイ・プレイズ・バッハ、TELDEC:WPCS10571)しています。サイの演奏も生き生きして魅力的ですが、グールド、ヒューイットに比べると、少し平凡にも聞こえるかな~?
是非、皆さんも3人のCDを聞き比べて見て下さい。特にヒューイットのイタリア協奏曲は期待していなかっただけに、グールドにはない魅力があり大変良かったです。


Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幻の結婚カンタータ | TOP | グレン・グールドの映像 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 音楽