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天国なんか、どこにもないぜ

『クロス・ザ・レンズ』特集 第5回・カネコアツシ

2005-11-12 | 【雑文・映画】
『乱歩地獄』のトリを飾る『蟲』を監督したのは漫画家のカネコアツシさん。

カネコさんと最初にお会いしたのは、佐藤組『芋虫』の現場。真夏の撮影でカネコさんが見学にきていて、そのときプロデューサーから紹介された。

『BAMBi』『SOIL』などのカネコさんの漫画(すげー面白いからぜひ読んでみてください)から受ける印象だと、ロックで強そうで怖そう野蛮そう、な感じなのだが、実際お会いしたカネコさんは、とても腰が低くてとんでもなくいい人だった。鋲付きの服着てクールなスミが入ってるから思いっきりロックだけど。

そんな「いい人」カネコさんが書いた『蟲』の脚本をもらって、びっくりした。その内容はもちろん、何よりも脚本の分厚さに。
何でそんなに分厚かったかというと、実は脚本自体は普通の長さで、全体の2/3くらいが画コンテだったのだ。
しかもただの画コンテじゃない。カリスマ漫画家が描いてるので、もうそれだけで漫画作品として読めてしまうほどの画コンテ。これには浅野さんや緒川たまきさんもかなり驚いてたようだ。いや、スタッフみんなが驚いていた。それくらい、誰も見たことない脚本だった。

カネコさんは初監督なので、現場には監督補として、いまおかしんじさんがついた。いまおかさんとは監督協会の広報委員会でご一緒してるので、現場中もちょこちょこと世間話をした。

そのいまおかさんがサポートについて、カネコ組が進行していった。しかし連日ハードな日程。てっぺん超えは当たり前で、毎日寝る間もなく撮影が行われた。

そんなハードな日程だが、カネコさんは楽しんでいた。撮影前は相当なプレッシャーがあったらしいが、いいスタッフに囲まれて撮影が進むことが、本当に楽しかったらしい。漫画と違って共同作業で作品を作る映画に、カネコさんは魅了されていったのだ。

カネコさんはすごくいい人でいろいろ話してくれるので、現場中だけでなくインタビュー後や試写の時など、映画や漫画のことからプライベートなことまでいろんな話をさせていただいた。話すたびとにかく、「この人はなんて純粋な人なんだろう」という思いが強まった。あまりにもいい人すぎる。そして、話しやすすぎる。そんなカネコさんがなぜいろんな表現行為をしているのか。そこに一番の興味があった。

カネコさんの章のサブタイトルは「サプライズ」。彼の創作の原動力が、この言葉に集約されている。

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4 Comments

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 (たまき@謎系)
2005-11-12 19:52:14
コメント書くのは初めてですね。



「蟲」…。「乱歩地獄」の中でも特に楽しみにしてる映画なんですよ。ストーリー自体も好きだし(今日また図書館にて原作を借りてきました)、役者も好き。



緒川たまきさんに萌えw。(携帯版公式HPにて一場面を公開してましたが、声に萌えw。)



カネコアツシさんのマンガにも興味を持ちました。

「サプライズ」も見てみたいですね~、DVD化をぜひ。
カネコさんの漫画 (福島拓哉)
2005-11-14 02:04:21
とんでもなく面白いです

オススメ

『蟲』は『乱歩地獄』のメイン作品です

プロデューサーがそもそも『蟲』を映画化したくて企画したので



ところで、コメントくれたので当市の市民に認定します

特にいいことはないですが今後もよろしくです
Unknown (たまき@謎系)
2005-11-14 23:01:07
サンクスです。

これからもどうぞよろしく☆



最近「マンガ」から離れているのですが、カネコさんの作品は読んでみようと思います。

「蟲」含む乱歩作品を図書館にて借りてきました。

うーん、文字情報だけでも「蟲」はグロだ…。映像化が楽しみなような怖いような。(ちなみに「グロ耐性」には自信がありますがw)
カネコさんの (福島拓哉)
2005-11-17 00:50:01
作品はどれも面白いです。

でも一番はBAMBiかな

SOILの続きが気になる…