幼かった頃、本屋の前を通る時、本屋の店頭に並べられた週刊誌の表紙にドキドキしていた時期があった。
その週刊誌とは、「プレイボーイ」であった。
プレイボーイといえば、当時「平凡パンチ」と並ぶ「2大エッチ週刊誌」というイメージがあった。
ヌード写真が掲載されていたからだった・・と思う。
幼い子供には、とてもじゃないが買うことなんかできない週刊誌だった。
興味があっても、立ち読みすらできなかった。
誰が見てるかわかったもんじゃないし、プレイボーイや平凡パンチを立ち読みしたり、買ったりしてる姿を級友にでも見られたら・・特に女の子の級友に見られたら大変なことになりそうだった。
誰にも見られないようにマッハのスピードで本屋のレジに持っていって買ったとしても、本屋の店員には覚えられてしまいそうな気がしたし、本屋の店員が、そのことを言いふらしでもしたら・・・と思うと、買うこともままならなかった。
だいいち、買えるようなお金も持ってなかったのだが(笑)。
なので、せいぜい、その表紙を、少年漫画週刊誌を読むふりをしてチラチラ盗み見するか、本屋の前を通りがかる時に、たまたま・・・のようなふりをして、プレイボーイや平凡パンチの表紙をチラ見するぐらいしかなかった。
特に、当時のプレイボーイの表紙は、表紙だけでも、十分なエロスのインパクトがあったし、魅力があった。
こと表紙に限っていえば、当時のプレイボーイ誌の表紙は、群をぬいていた。少なくても、無垢な(?)少年にとっては、刺激ドキドキだった。
後にも先にも、ああいう表紙の週刊誌が本屋の店頭に飾られてるのは見たことが無い。
で、当時のプレイボーイの表紙がどんな表紙だったかというと。
半ヌード状態の女性の素肌に、ペイントしたり、装飾をくわえたり、小道具を付け足して、一見「動物」に見える姿にしている写真であった。
今でいう「仮装」。半ヌードの状態で、動物に仮装させられていたのだ。
しかも、「仮想・動物化」している「半ヌード」の女性は、決して顔を見せることはなかった。
もし、顔を見せていたら、顔というのは主張度が強いし目立つから、その女性は「動物」には見えなかったろう。
顔を見せずに、半ヌードになって、そこにさらに第3者が細工をして「動物」に見せてるからこそ、半ヌードでありながら動物にも見えたのだろう。
顔を出していたら、それはやはりコスプレ・ヌードにしかならなかったのではないだろうか。
遠目で見ると動物なのだが、近くでよく見ると半ヌード。
それが毎回違う趣向で、表紙になっていたのだった。
もう、目に焼きついたったら、ありゃしない(笑)。
この表紙は、なんといっても、顔を出していない・・というのが、個人的に衝撃だった。
なんというか、この表紙に写っている半ヌードの女性は、どういう気持ちでこういう写真を撮られているのだろう・・・・そう思うと、ドキドキした。
せっかく表紙を飾るのなら顔を出したいのではないだろうか・・とか、こうした半ヌード姿を表紙に使われてしまうのは恥ずかしくないだろうか・・とか、動物にされてしまうことにどんな気持ちを持ってるだろう・・とか、色んなことを考えたもんだった。
あの動物仮装は、モデル女性の自らの意思でああいう格好をしてるとは幼心にも思えなかったし、ということは、現場の第3者にああいう格好をデコレーションされてたことになる。
そう思うとなおさら・・・この表紙のモデルになった女性の心境が気になってしかたなかったのだった。
でも。
今、すっかり大人になってしまった自分が、今の感覚で見るとすると、これはエロスのあるアートだと思うのではないか。
あのモデルをつとめた女性たちは、体つきから言って大人だったと思うので、大人の観点から見ると、アートという感覚で、あの仕事をこなしていたのかもしれない。
あの時代にあっては、顔を出さないからこそ、ああいう格好ができたのかもしれない・・・とも思うかもしれない。
当時と今とでは価値観の違いはあるにせよ、あの写真は、単なるヌードではなく、趣向を凝らしたアートという視点には変わりはなかったのかもしれない。
そう思うと、普通に仕事としてモデルの仕事をこなしていただけかもしれない。
それにしても、今あの写真を見たとしても、ドキドキ感はあるだろうし、インパクトもかなりなものだと思う。
あの時代で、しかも表紙で、よくああいうシリーズ(?)を続けられたものだと思う。
正直、当時のプレイボーイの表紙を飾った「半ヌード女性の動物仮装」写真ばかりを集めた写真集があれば、今でも見てみたいと思うくらい、傑作だったと思う。
ちょっと調べてみたのだが、当時のプレイボーイのこの表紙のシリーズ写真を撮ってたのは、早田雄三さんという方だったようだ。
発想が素晴らしい。
・・と、ここまで書いて、今ふと思ったのだが,このネタはひたすら記憶だけで書いているので、けっこう記憶が曖昧である。
この表紙が・・・もしも写真ではなく、イラストだったのだとしたら・・・??
イラストだったのだとしたら、当然モデルになった女性もイラストであるわけだし、少年時代に私がこのモデルたちに対して思った「恥ずかしくないのかな?」とか「どんな気分だったのかな?」という疑問は、ひたすら意味のない思いということになる(笑)。
私の印象の中では、これらのモデルたちは「実在の女性が仮装した実物写真」だったし、だからこそこの記事を書くのを思いついたのだが、もしもイラストだったのだとしたら・・・・む、空しい。
長年、このモデルたちが実物だと思い込んでいた私は・・・・特に少年時代のピュアな思いは、一体どうなってしまうのだろう(笑)。
その答えは・・・・この表紙たちだけが知っている。
そういう意味でも、もう一度見てみたい気はする。
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