ベスタが死んだ
うそみたいで実感がいまひとつわかないけど。。
七夕の早朝に 逝ってしまった。
享年16歳と18日
その日の明け方 なぜだかものすごいびっくりして目が覚めた。
ぷ～んと漂う ベスタの匂い。
。。。。。。。。
ふと時計を見ると 4時47分。
ばるとあんこも どこを見るでも無いけど 起きて頭を上げてる。。
こんなこと普段はない。。
私が起こしても起きない二人なのに。。
なんとなく意味がわかったような気がして 頭が真っ白のまま
とりあえず起きて、仕事に行く支度をする。
携帯がポロりんポロりんとなる。。
なんで？
目覚ましがなる前に止めたまま元の画面に戻してないのに。。
この状態ではメールが来ても音はならないのに。。。
見ると着信もメールも何も入ってる様子はない。
数秒後、メールが入っているアイコンが点滅 （メールが入っても音はならないので。。）
。。。。。 5時19分 母から 。。。。。
”やっぱり。。” ひとりごとを言い、 メールは読まずに身支度続ける。
が、動揺してるのか何をしてるかわからない。。。
暫くして 姉からのメール。。 もう、わかったって。。
ちょっとしてから重い気分で二人のメールをあける。
”ベスタ五時頃亡くなりました”
”ベスタ死んだって”
心臓に突き刺さる 短いメッセージ
何にも考えられない。
とりあえず仕事が終わるのを待ちわびて 大急ぎで車を取りに行き、
ばるとあんこを拾ってそのまま実家へ。。。
到着すると 網戸からお線香の匂い。
入って見つけた。
リビングのテーブルの真ん中で 気持ちよさそうに横わる ベスタ。
人と違って犬は毛があるから ほんとに生きてるみたいに見える。
ちょっと改まって寝てるだけにしか見えない。。
起きてよ べすた。
大好きなmakiちゃんにきれいに梳いてもらう べすた。
ジュースとかたっくさんのお菓子とお花に囲まれて
いつもの低反発ベッドに横たわる べすた。
少し挨拶をして 少し泣いて、、、、、
さて、最後の散歩に行きますか。
抱き上げて改めて ベスタの死を実感。
体が冷たい。
頭が座らない。。。
手足が 背中が
ぐにゃぐにゃ。。。。。
いつも父が連れて行っていた神社まわりのお散歩道への
最後のお散歩。
木の葉と空が見えるように仰向け抱っこでお散歩した。
だけどベスタは目を開けていたけど、
その目はもう空も木の葉も私も 見てはいなかった。
ゆっくり歩いたり、ベンチに腰掛けてひざに横たえて
いろいろたくさん話をした。
たくさん謝って たくさんありがとうを言った。
謝ったほうが多かった
お散歩終える前にいつもの神社の神様の前にベスタを連れて行った
”どうぞベスタをお願いします。” と一緒に頭を下げた。
ベスタ ベスタ ベスタ ベスタ ベスタ ベスタ ベスタ
ずっと呼びたい。
お散歩中 何度か鼻息が首にかかったような気がした。
動かしたら肺にも空気が入ってそういうことになるのかも知れない。
どうしてこうしなかったのだろう。。。
何でああしてあげなかったのだろう。。。
くだらない考えなんか捨ててなんでもっと色々出来なかったんだろ。。
こうしてたらベスタまだ生きてたかもしれない。。
後悔ばかりが頭をよぎる。
翌日、 ベスタの遺体は うちを出た。
ベスタが横たわっていた場所を 確認するボク。
何か考えてる様子の あんこ。
ベスタ、
あなたは私がアメリカにいた頃、帰国間際に犬がほしいと探し、
メンフィスのモールで偶然会った子。
シーズがほしくて探したら、2人いたのを迷ってるうちにあなただけが残った。
抱かせてもらうと とってもくさかったあなた。
店員さんはおなかがしっこだらけだからくさいのよ。
洗うわよ、と言ったが それは断った。
あなたはあまりに小さく、柔らかく、
初めてのお風呂なら私がいれたいと思ったから。
両手に抱くと シーズの子犬特有のデロンデロンにやわらかい手を、足を
プルプル喜びで震わせて 小さな尻尾をぶりぶり千切れんばかり振って
ひたすら フンフンフンフンフンフン と私を嗅ぎまわっていた。
あなたのアピールは強烈で、即決だった。
その後数日で ちょっと後悔。。？
あなたはとんでもなく やんちゃくれな子犬さんでした。
手を焼いた、手を焼いた～～～
その後暫くして帰国し、動物検疫のおじさんまで手を焼かせてましたね。
「それ、ベスタですか？」と聞きたくなるくらい
ふた周りくらい大きくなったあなたを
重そうに抱えて連れて来てくれた 小さなおじさん。。
開口一番、
”この子 わっるいですなぁ～～！！^^;) ”
ははは。。汗
連れ帰って改めて あなたの猛烈さにたびたび閉口することも。。笑
そっちは行くな、こっちだと言うと、 こっちに来る振りをして～
”ぶん！”と向きを変えて あっちに行こうとする。。
リードで手をつないでるのにちょっとその辺は浅はかでかわいかったねぇ。
こたつの中の発酵中のパン、 だめよ と言われたら
ごろんと横になり、う～～んと伸びをする振りをして
のびのび。。ずるずる。。と こたつの中へもぐりこもうとする。。。
まったく 頭がいいといったらいいのか。。。汗
それから暫くしてまたアメリカに行くことになった私。
ベスタも連れて行こうと思ってると 母からかわいそうだから置いて行くようにと強く言われる。
きっと父母も思い入れが入ってしまい手放したくないのだろうと思い、父と母に託して渡米。。。
その後 私はあなたのことを良く知らずに、知ろうとせずに、今まできました。
ベスタ あなたは楽しかったのか。。。幸せだったのか。。。
年を重ねるに連れて仕方ないこともあるけど、
大好きなことがひとつづつ減ってしまって寂しかったね。
makichan大好きだったけど、私のせいでいろいろあって
makichanずいぶん前から家を出てって、会えない年月長かったね。。
謝っても謝りきれない。ゴメン。
お散歩大好きだったけど、
走ることはかなり前から出来なくなったあなた。
最近では歩くほうもかなりおぼつかなくなってしまってた。
食べることも大好きだったけど、
ここ数週間前からもうあんまり食べることもできなくなってたんだよね。
そうやって たくさん好きなことがうまくいかなくなってきて
つまらなかったでしょうね。
でももう今はきっと何でもできるようにまたなってるよね。
放浪癖のあるあなた、 思う存分 放浪してるよね。
右見ても左見ても。。。。
おとん！ いなぁ～い♪ おかん！いなぁ～い♪
ａｎｅｇｏｎ！いなぁ～～い♪！ みさ！いなぁ～い♪♪！！
いっえぇぇい！！じゆうだぁ～～♪♪
って。。。笑
背中や頭や腕に出来た数々の脂肪腫も取れて、、
ずいぶん前からどうやら聞こえなかったらしい耳も聞こえて、、
かすんできてた様子だった目もすっきり今じゃ見えるでしょう？
口の周りのただれもなくなって、、
荒れた耳もきれいになって、、
自慢のピカピカしたふさふさの毛も心臓病で薄くなってしまってたけど、
今じゃぁさぞかし ぴっかぴっかふっさふっさで
自慢のふさふさの尾をぶんぶん振りながら
虹の橋で たっくさんの かわいい子達とお友達の輪を広げてるでしょう。
あなたとお友達になれない子はまずいないよね。
怒った顔なんか1回しか見たことないの。
それもきっと家族で私しか、あなたが怒った顔を見た者いないと思う。
ボク、あんこ、コアラちゃんが生まれて暫くたったお散歩のとき、
なぜだか急によその子に歯をむき出して、うなったあなた。。
あなたはあなたなりに、父親になってぴりぴりしてたのでしょうか？
後にも先にもあれっきり。
あなたの怒り顔は見たことがありません。
吠えることすらしなかったやさしい穏やかなベスタ。
唯一吠えるのは夢の中だけ。
あなたと離れて住んだから もしものことがあってもそんなつらくないかも。。
と思ってたけど、、
あれからずっと胸に鉛が入ってる。。。
これが終わったら、、、、あれを我慢したら、、
今度の休みに、、、来月になったら、、、
とつい考え、そして気がつく。
もう何が終わっても、何をどうがんばっても、
夏が終わっても、秋が来ても、
クリスマスが来ようと、お正月が来ようと、、、
もうあなたに会うことは出来ないのだと。
毎日朝3時過ぎには目が覚めてそこから
なんだかわからないけどいてもたってもいられず落ち着かない。
正直、あなたは立派な体格だったし、ずっと食欲旺盛な子だったから
病気をしてても 長くがんばってくれると思ってた。
こんなにすぐに逝ってしまうとは夢にも思わなかった。
予測しない時に ふいに熱いものがこみ上げ
仕事中涙をこらえるのに疲れてへとへとですわ。
あなたには何をどう謝ってもどうしようもない。。
本当にたくさんの申し訳ないことをしたと
そういう取り返せない後悔を背負って生きていくしかない。
せめて最後のとき、本当にそんなに苦しくなかったことを
祈るしかない。
ありがとう、ベスタ。 ごめんなさい。
あなたとの最後から2番目の(^^) お散歩。忘れません。
ひらりんひらりん、ひょろひょろん と頼りなげに歩いては
またひらりんひらりん戻ってきて私の足にちょんと鼻をつけに来る。
私が散歩付き合ってるのが信じられなかったのかなぁ。。
それとも目が見難いくくて、いるのを確認しながら歩いてたのかなぁ。。
なんでもかわいかったわぁ。
途中じっと顔を見るから
「あんまり苦しいならぼろぼろになるまでがんばらんでええよ。」
といって聞かせたら、じっと見てたよね。
言わなきゃ良かった。
ほんとに長い間、ありがとう。
だだっ広い異国で たくさんいるわんこさんの中から会ったあなた、
きっと私か家族の誰かと、とてつもなく強い縁があったんだと思います。
次は何になって帰ってくる？
出来たらベスタがいいなぁ。。。（笑）
虫はやだよ。（笑）
じゃね、べすた。 愛してます。
てへっ。
： ベスタが逝ってから約3日間、 たびたびこういった光景にぶち当たりました。
