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変革は彗星か花火か 【フロム スッドセントラル (タケイ・アキト)】

2004-12-19 | §コラム§
コマーシャリズム

――渇き

「練習の雰囲気もいい、チーム全体のコンディションも上向いてる。選手個人のガッツも十分だ。
ただ、何かが足りない。」
コキ・イーダ選手兼強化部長はつぶやく。
「何か、そう、核になる何かが足りないんだ。」

プリンスの登場を待ちわびているのは、コキ・イーダ選手兼強化部長だけではない。
熱烈なB.M.minamiサポーターも同様の声である。港北地区の少年は言う。
「学校の皆は、B.M.minamiは地味なチームっていう印象じゃないかな。
ボクはいいチームだと思うけどね。」

バルセロナのロナウジーニョ、ユベントスのデルピエロ、アーセナルのアンリ。
伝統あるビッククラブ(それも実力と人気の備わった!)にはきら星のようなスター選手がいる。
B.M.minamiサポーターの少年は、こういったチームにおけるアイドルの不在を指摘しているのだ。

――坂の向こうへ

B.M.minamiにおけるプリンス候補はもちろんタクティーヌ・イガラションだ。ほかに誰がいるだろう。
「天才がその文化を生むのか、文化が天才を誕生させるのか、、、鶏と卵の話じゃないがね。」
かつての港北サッカーの偉人、タカユキ・シマーダの言葉だ。
スポーツにおいて、ゲームに勝つ為には天才は必要ないだろう。
ただ、そのスポーツが文化として、国に、地域に定着するには時としてカリスマ性が求められる。
シマーダは続ける。
「ペレ、クライフ、ジーコ、彼らは天才だ。そして、イガラションもその例外ではない。」
人には、それぞれ持って生まれた特性がある。
古くは戦国の世の「千の利休」、現代人にまで茶の心を伝え、その道を楽しませる天才だ。
そして、イガラションも、その卓越したプレーで人々を楽しませる天才であることに疑いは無い。

5月27日、B.M.minami広報は記者会見を開き、タクティーヌ・イガラション獲得の意思を表明した。
移籍金約120億港北ドル、年俸約40億港北ドルとの情報だ。
チームの財政状況を考えれば、大博打に出たと考えざるを得ない。
しかし──。

イガラションが加入したB.M.minamiを想像してみて欲しい。
少年だけでなく、誰だってファンにならずにいられない。

<この項、了> 

タケイアキト/Akito Takei