〈戦後と女性〉研究会

立命館大学大学院先端総合学術研究科院生によって2005年4月に始動。
現在休止中(ご興味のあるかたはメールください)。

西村しのぶの仕事をたたえる

2006-04-21 17:10:10 | Weblog
昨晩、じっくりゆっくり読み進めてきた、西村しのぶ『美紅・舞子(miku&maiko)』(小学館文庫、2002、初出1986-89)を読了。

最高傑作ですね!!!

この1冊だけでずいぶんな量の名言集を作れそうなほどでもあり。
ちょいちょい小出しに引用していこうかと。

また、巻末の香山リカのエッセイもよかった。
「だから、「ほら、私ってかわいそうでしょ?」と言おうとしない美紅と舞子は、それだけで私には新鮮だった。それに「あなたもがんばればきっと…」といった万能感を鼓舞する囁きにもそそのかされず地元で等身大の生活を送る姿や、「今は男も女も関係ない」というジェンダーフリーのメッセージをもあざ笑うかのように目一杯、女の子としておしゃれや恋を楽しんでいる姿に衝撃を受けた。とても失礼な言い方をすれば、ある意味、時代に完全に逆行していたのかもしれない。しかし、「時代に逆行」とは言っても大時代的なロマンスが描かれているわけではなく、登場するのは時代の先端を行くかっこいい女の子、男の子ばかりだ。「女は女」として描かれているとはいっても、実はジバンシーの香水をふりかけながら心の中身は彼女たちのほうがそのへんの男よりずっと潔かったり義理堅かったりもする。/女の子は女の子。夢は見るけど見過ぎたってしかたないと思う。……恋もするけど友だちはもっと大切。弱音はあまり吐かない、なるべく大人に見られたい。でも本当はけなげで純情、ってことをだれもが知っている。……/だから私は、『美紅・舞子』を読んで心底、ほっとした。時代の毒気みたいなものに当てられながら、「だれもが病んでいるのかも」と滅入っていた気持ちにすーっと太陽の光がさしたような。「そうそう、女の子ってこうじゃなくちゃ!」と何度も声を上げたくなった」(pp.253-254)
「それから長い月日がたった。80年代はとっくに終わり、なんと90年代まですぎてしまった。でも、西村しのぶは相変わらず“元気でけなげでかっこいい女の子”を描き続けて、熱い人気を集めている。……世の中は「子どもっぽく見られたい」と思う少女たちであふれているが、西村しのぶの「背伸びしたい女の子たち」に共感する派もまだまだ勢力を保っている、ということだ。それはとてもめでたい。そしてたとえ「カヤマさん、弱くて傷ついている女性の味方でしょ。元気で背伸びの女の子が好きだなんてがっかり」と言われようとも、私はいつまでも『美紅・舞子』に自分が癒された(という言葉をここで出すのもどうかと思うが)あの80年代の日々を思い出しながら、「女の子はこうじゃなくちゃ」と言い続けることだろう」(p.255)
そーだよなー。うん、ホントにそうだ(世代ちがうけどな)。

分不相応、現場主義。「So What?な人生」万歳!


有末「おまえ……ちょっと見ない間に大きくなったなあ」
美紅「背伸びも一生懸命すれば追いつくと!!」
有末「うんうん、やってみるもんだ」


「青少年去り、娘たちいたって元気――」

「オンナのヒトリメシ」

2006-04-19 21:53:02 | Weblog
先月、こんな本が出ました。
私がなぜかよく通じているシンガーの人によるものです。

私はたとえ持っていたとしても役立てられそうにはありませんが……、ずらっと並んだ店名のなかに、ご存知のものありますか?

しかし、「何でもピンキリを見ましょー」という感覚には、late80s~early90sに都会で遊び回った人間の本質を見るような気がします。