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暗闇 ダイアログ・イン・ザ・ダーク

2012-09-12 15:28:04 | in mind

東京で行きたかった
ダイアログインザダーク


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ダイアログ・イン・ザ・ダーク


参加者は完全に光を遮断した空間の中へ
グループを組んで入り
暗闇のエキスパートである
アテンド(視覚障害者)のサポートのもと
中を探検し、様々なシーンを体験します


___________

私が参加したシーンは「お祭り」

中に入るグループは友達同士でなく
知らない人同士

目を閉じているか
開けているか
わからないほどの暗闇は
本当に
本当に
暗闇

聞こえてくるのは
水の流れる音
祭りの太鼓や笛の音

同じグループの6人がどこにいるかなんて
わからない

最初は
声に出して「見えない」「怖い」とか
「どこ?」「どっちに行くの?」と言っていたのが

すぐに
自主的に
「ここに橋がありまーす」
「後ろにまだ一人いまーす」
「OO(自分の名前)座りまーす」とか

相手を想い
相手に伝えようとする発言に変わってくる


重ねて言いますが
これ 今さっき会った他人同士
相手の手に触れ
手を取り合う

しかもすごいことに
顔もしっかり見てないうちに自己紹介して
あっという間に暗闇に入ったのに
声だけで誰が誰か解るようになる

これ
入って数分のこと


__________


入ってすぐに橋を渡り
「おばあちゃん」の家に着いて
縁側に座る

靴を脱ぎ4畳半の
畳の部屋にあがる

茶ぶ台の上に麦わらぼうしがあって
棚の上には黒電話

これ
また言いますが暗闇です
何も見えてない
ただ手と耳で動いてます

この頃には暗闇は楽しくなってくる


まったりした後
縁側の下で
線香花火

もちろん音だけ

あの小さな線香花火の音を聞いて
終わったあとには
「きれいだったねえ」と言ってしまった

ほんとに
見えてた気がした

______________

その後
屋台へ

屋台でもらったうちわに絵を描く
暗闇

風船釣りの風船です
ペンは赤だったのね



イスに座り
屋台の店員さんから
お菓子とジュースを買う

もちろん
お金も見えてない中でやりとり

りんごジュースと
うまい棒

暗闇の食べ物は味がはっきりしていた気がする


30分くらいたったかなと思って聞いたら
1時間くらいたってますよ、と

6人とも
声を合わせて言ったのが

「まだ出たくない」



_______________


暗闇は快感だった

自分の中に
これがあることを教えてくれた
 

それは
「記憶」


畳をみたことが
触ったことがある記憶が
見えない中で「手」を通して畳とわかったこと

触ることで
500円玉の大きさが500円とわかること

音だけで
線香花火が光る様子がわかったこと

川にかかる橋が
渡る足の感覚で丸太だということがわかったこと

食べたうまい棒がコーンポタージュ味だったこと

声だけで誰か解るということ

_________________

記憶をひとかけらも落としたくはないと思った

手で触れて
足で感じて
声を聞く


そのどれもが
私の中にあったんだと

それが
このカラダだったんだと思う


誰に会い
何に触れ
何を感じたか


なにひとつ
忘れたくない

なにひとつ
記憶を落としたくない

ひとつでも落としたら
なにもかも消えてしまうような気がする

____________

目が見えなくなったら怖い
暗闇は確かに不安

でも

暗闇は
孤独ではなかった

周りに人がいることを感じられる
暖かい場所だった

それは
明るいところでは
「見えなかった」もの





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