ベールに包まれた彫刻家 アントニオ コツラディーニ
私はグラン パレでこの彫刻にあったときに驚きで暫し立ち尽くしました。
顔にはまさしくベールがかけられています、そのベールは下に続き、胸のあたりで波のようにカーブしています、実になめらかな曲線ですね。
もう少し近づいてみてみましょう。
顔に掛けれれたベールの皺が鼻のあたりにかかっています、女性は静かに目を瞑っています、ベールとその皺そして女性の表情が、私たちに一層神秘的なインスピレーションをもたらします。
体にはゆったりとした衣装を身につけています。その衣装のひだや皺の一つ一つが、衣装の生地の持つ質感を感じさせます。
そして、衣装は下に広がっていき、床におちます。向かって左側の足だけが露出しています。
また、向かって右側の胸だけ薄い生地で覆われ、乳房の質感をはっきり感じさせます。聖女の持つほのかなエロチシズムともいうのでしょうか?
右から見た感じと左から見た感じと大きく違うのはそのせいでしょうか。
作者のアントニオ コツラディーニは17世紀から18世紀にヨーロッパ各地で活躍した彫刻家です、1711年にArte de Tagliapietra に登録されているので、この頃彫刻家として認められてということになります。
このベールの技巧は、錬金術師のライモンド ディ サングロが生地を大理石に変える技術を発明したためと当時は思われていたようですが、このベールは紛れもない大理石でできているそうです。
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