2019年撮影
オーギュスト ルノアール 2点 ポーラ美術館 箱根
『オーギュスト・ルノアール』(1841-1921)
《髪飾り》(1888) 油彩 カンバス
『ルノアール』の絵が順調に売れるようになり、経済的に安定するようになったころ、
1888年頃に彼はエクス・アン・プロヴァンスに『セザンヌ』に会いに行っています。
このころから、彼は自分の絵画に不満を持つようになり、
また身体的には神経痛に悩まされることになります。
この作品は、少女が母親か家政婦に髪を直してもらっている様子です。
なんでもない日常によくある光景を彼はうまく切り取っています。
少女は薄いピンクのドレスをまとっていますが、そこから出ている、腕や顔の白さが、
ピンクが薄いからこそ強調されます。
《レースの帽子の少女》(1891)
この作品に描かれている少女は、《髪かざり》のモデルと同じでしょうか?
なんとなく雰囲気が似ています。
《髪かざり》の時と比べると、タッチがかなり柔らかくなっていて、
全体ももやっと紗がかかったような雰囲気を醸し出しています。
バックもそれに合わせて淡い春系の色彩を使っています。
何気なく椅子に手を置いてあちらのほうを向く少女。
幼い顔と、もう成熟に向かっている張り出した胸ののアンバランスが、
甘酸っぱい色気を感じさせます。
参考:ウイキペディア