汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

職人さんの話-内田勲氏実演と「藍田正雄の世界展」

2011-11-03 | その他
染色教室で染めた帯をとりに出かけたとき、教室の「二葉苑」のある落合界隈は、「落合ほたる」というイベントが行われていた。

教室の講師を務めてくれた若手の職人さんたちは、この日はイベントを訪れる見学者向けの実演に余念がない。私も教室に通ったとはいえ、本格的に反物を扱う作業を見られる機会はそうはなかったので、私も興味津々で見学させてもらった。

この日は、二葉苑の職人さんたちに加え、小紋などを染める時の型紙の「伊勢型紙」を彫る職人の内田勲さんも工房にいらしていて、型彫りの実演をされていた。
三重県の白子在住の内田さん、その「職人芸」を見られるなんてめったにない機会!

※内田さんと二葉苑さんは以前からコラボされているんですね。こちらに詳しくありました



<実演中の内田さん>

職人というと、気難しくて…と思っていたけれど、質問してみると、意外に気さくでいろいろ面白いお話をしてくださる。
以下は実演しながらうかがったお話。


・先日、弘前で昔の型が大量に出てきた。昔の技術はさすがにすごい。それができたのは、たくさんの職人がいて、お互い競い合ったから。

・型彫り職人は、老眼になってくるときつい。年取ると近眼の人のほうが有利。自分は昔は目がよくて自慢だったが、最近は近眼の人がうらやましい。

・ある職人は、目が悪くならないようにとTVを家に置かなかった。そうしたら、息子二人は国立大に入りおった(笑)。

・昔の職人で、作業台の上の電球に、大きな凸レンズをつけて作業した人もいた。それほどしないといけないほど緻密な作業。

・今使っている小刀(彫刻刀みたいなもの)を作ってくれている職人さんが高齢で、いつ仕事をやめてしまわれるかわからない。その職人さんは、自分の技に誇りがあるあまり、弟子もとっていないから、その人が止められたら、こちらも仕事を続けられなくなる。そんなわけで、向こう何年分かを注文している。

・ところが頼んだ分を、なかなか作ってもらえない。最近は素人さんの注文も多くて、そちらに手が取られてしまうから、こっちは後回し(笑)。ただ、こっちの注文は、行政からの支援金使ったから…(後略)

・伊勢型紙でランプを作ったり、技術保存と需要拡大の取り組みは知っている。でも私らからしたら、着物の染めに使ってもらえるのが一番うれしい。


うーん、やっぱり私、好きだなー。職人さんって。
もちろんいろいろな人がいるでしょうけど、不思議とまっすぐなオーラを感じる。

そんな職人さんの一人でもある、染色教室のイケメン先生が、私の帰りがけに一枚のイベントのお知らせはがきを渡してくれた。それがこちらの「藍田正雄の世界」@椿山荘フォーシーズンズ。

門を出ようとした私を、若い男性が奥の作業場から追っかけて、渡してくれたんですよ~。
思わず、胸がきゅんとなりましたよ(笑)。

その時は絶対に行きたいと思ったのだけど、残念ながら平日日中のみ。
せまじきものは宮仕え。繁忙期を迎え、さすがに仕事を抜けてはいけませんでした…。
イケメン先生が「すごい」と尊敬している藍田さんの仕事もいつかぜひ拝見できたらいいなあ。
(「買いたいなあ」でないところが謙虚でしょ(笑))




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2 コメント

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失敗 (はつき)
2011-11-04 23:29:17
絵美さん
いいですよね、職人さん。ものを作っているという行為がそうさせるのか、長年の蓄積でそうなるのか、不思議とまっすぐなオーラを感じて、こちらも背筋が自然に伸びます(^^)v。

実は内田さんとのお話でも私はちょっと失敗しちゃいました。型彫り士にいろいろご専門があると知らず、更紗の型を彫っている内田さんに、江戸小紋の型についての質問ばかりしてしまったのです(汗)。失礼なやつですよね…。
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私も (神奈川絵美)
2011-11-03 21:55:29
こんにちは。私も職人さん、職人気質の方は大好きです。こういう方に、伊勢型紙の着物姿を見てもらえたらなあ、、、喜ぶことでしょうね。

藍田さん、私はお弟子さんの愛郎さん狙いです(笑)。正雄さんは言うまでもありませんが、愛郎さんの技も素晴らしく、伝統工芸展でいつもうなってしまいます。
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