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「時をかけるお姉さん」 短編小説

2025-04-25 19:52:19 | 短編小説

 

2025年4月のある日の午後、マサミはいつものように食器洗いをしていたのだが、少しでも早く洗って早く買い物に行って早く帰ってきたらゆっくり出来るわ…と思い

「時間なんて伸びたり縮んだりするし自由自在になるわ....」

なんて思い食器を洗いながら「時間のない世界に住んでいます」などとブツブツと何回もつぶやいていたのだ。

 

そして、洗い終わって時計を見ると

「まぁまぁ、早く洗い終わった!シメシメ」と思いちょっと神経質なマサミは、洗面所でもう一度手を洗っていたところ....

 

「あっ!わぁ~!」

 

いつも左手首にお守りがわりにつけていたスモーキークォーツのブレスレットが、ちぎれてあちらこちらに飛び散ったのだ。

 

「あぁ~、でもブレスレットがちぎれた時って、何か身代わりになってくれたか、守ってくれたことなんやけどなぁ。別に特になにもないのになぁ」

などど思いながら....

 

「あぁ、このブレスレットつけたり外したりする時にゴムが伸び縮みするからさっき、つけたり外したりしてたからなぁ....」

 

「そういえば、時間て輪ゴムのようなもので、伸び縮みするって、聞いたことあるなぁ」

 

「あっ!わかった!」

 

「さっき、食器洗いをしてた時、時間のない世界に住んでいるとか、つぶやいてたから、そういう風に意図的に時間を伸ばしたり短くしようとしたり、時間のない世界に住んでると言ったりしていると時間がバラバラにちぎれてしまうんやわ。あんなこと言うてたから、もうそれ以上あんなこと言ったり意図的に時間を操作しようとするのはするのはやめときなさいよとブレスレットが、身を持って教えて守ってくれたんやわ。言霊の力ってすごいんやから、しかも最近のわたしは、なんでも思ったこと言ったことが本当になるんやからなぁ。このままこんなことをしていると、タイムトラベラーか、はたまた「時をかける少女」ならぬ『時をかけるお姉さん』になるところやったわ~。」

 

とマサミは胸を撫で下ろしたのであった。

 

                                                              【⠀終  】

 

 



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