四月の八王子の工房には藍染めのハンカチと桜吹雪も舞っていました。
ここでは大きなお釜の中で金魚ものびのびと育ってます。
「100匹生まれたんだよ」里子に出したりしたんですって。
あっという間に乾きました
貴重な長板中形の本藍染のハンカチ!素敵なお土産です♪
野口さんのお仕事仲間の道具たち
伸子が沢山あります。藍染めは隣同士の染物がくっつきあわない様に吹き流しはしません
懐かしい!ラジオカセもありました。職人さんにラジオは必須アイテムでもありますよね。
目打ちらしきものが梁に・・・ 布張りに使うのでしょうか
壇ふみさんは野口さんの長板中形の愛好家さんの一人です。
他にも多くの取材を受け、本や雑誌に記載され紹介されてきました。
玄関から中庭に望む景色もまた趣があります。
どこの景色を切り取っても、どこか懐かしい気持ちになりました。
染め上げた商品が、これから竺仙さんに届きます。 これを見た瞬間、私たちの欲しいモードが全開!!素敵~っうわぁ~っ欲しいぃ~っ!!私は右のがいい!私は藤のがいい!・・・止まりません。なんせあの手間のかかる行程を経て、あの瓶の中の藍で染めてくれるんですよーっ。「この後、竺仙さんに行ったら確実に凄い事になるよね」と誰もが興奮気味に言っていました。
最後まで奮気味の私たちに野口さんは優しいまなざしで、安全な帰り道を教えてくれました。
野口さんの興藍に染まった指。私たちは貴重なお仕事の時間を割いて長板中形のお仕事を見せて下さった野口さんにお礼をして、染色工場を後にしました。
_________________
後日、再び竺仙さんを訪問し、野口さんの長板中形を見せていただきました。
誰もがぽわわ~んと目がハートになっていた藍染です。やはり高級感が違うワンランク上の浴衣ですね。
今年は私を含め、三名の生徒さんが本藍の長板中形をお買い求めました!
こちらは来年お仕立てします。(一年ごしでお仕立て上がりをレポートいたします)
と言うのは一年置いた方が藍が落ち着くからです。
その事についてもう少し詳しく説明します。
まず、藍の甕ですが、1~2月の寒い時期は藍は死んでしまうので、 甕の回りに藁を敷いてそこに火を起こして燻した状態で甕を温めておくのだそうです。 その煙が茅葺屋根を伝って外に出るのですが、その屋根の上に昔は染めた後の長板中形の反物を置いておいたのだそうです。三年置かれることによって、藍の染料が生地に定着し、落ち着くのだそうです。徳島産の藍は最近有機物が少なく化学染料に比べ発色しにくいそうです。即ち長時間浸しておかねば濃い藍色が出にくいのです。
しかも野口さんの染めている柄はかなり細かい粒のような糊なので、藍の甕の中では長く浸けておくこともできず、うっかり糊が溶け出して柄が染まってしまうことになりかねません。
なので野口さんは熟練の勘によって、三度くらい甕に浸けて、染めてを繰り返し、ちょうど良い加減に染め上げることができる人なのだそうです。 あんなに細かい柄で白と藍のコントラストをきっちり出せる職人さんはそうそういないそうで、人の技術をあまり褒めない藍を作っている人ですら、その技術には称賛の声を上げるのだそうです。
このエピソードは、野口さんの持つ技術の貴重さがより深まるものですよね?同業種の人が驚いているというのですから、プロの認めるプロということですね。
最後に広重の「名所江戸百景」です。
往時の神田紺屋町。この江戸時代の浮世絵にあるような風景が今もあったら、東京は京都とは違った江戸文化の香り溢れる土地になっていたのでしょうか。野口さんのお祖父さんは京橋で紺屋をやっていたそうです。その後、野口さんのお父様が八王子に工場を移転し現在に至ります。今は息子さんがお勤めを辞めて野口さんの後を受け継いでいます。職人さん達と長い間良い関係を築きながら現代の流通の窓口として踏ん張り続けてくれている竺仙というメーカーさんもまた貴重な存在です。
~こちらのツアーの内容・写真は竺仙さんの許可の元に転載しております~
ここでは大きなお釜の中で金魚ものびのびと育ってます。
「100匹生まれたんだよ」里子に出したりしたんですって。
あっという間に乾きました
貴重な長板中形の本藍染のハンカチ!素敵なお土産です♪
野口さんのお仕事仲間の道具たち
伸子が沢山あります。藍染めは隣同士の染物がくっつきあわない様に吹き流しはしません
懐かしい!ラジオカセもありました。職人さんにラジオは必須アイテムでもありますよね。
目打ちらしきものが梁に・・・ 布張りに使うのでしょうか
壇ふみさんは野口さんの長板中形の愛好家さんの一人です。
他にも多くの取材を受け、本や雑誌に記載され紹介されてきました。
玄関から中庭に望む景色もまた趣があります。
どこの景色を切り取っても、どこか懐かしい気持ちになりました。
染め上げた商品が、これから竺仙さんに届きます。 これを見た瞬間、私たちの欲しいモードが全開!!素敵~っうわぁ~っ欲しいぃ~っ!!私は右のがいい!私は藤のがいい!・・・止まりません。なんせあの手間のかかる行程を経て、あの瓶の中の藍で染めてくれるんですよーっ。「この後、竺仙さんに行ったら確実に凄い事になるよね」と誰もが興奮気味に言っていました。
最後まで奮気味の私たちに野口さんは優しいまなざしで、安全な帰り道を教えてくれました。
野口さんの興藍に染まった指。私たちは貴重なお仕事の時間を割いて長板中形のお仕事を見せて下さった野口さんにお礼をして、染色工場を後にしました。
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後日、再び竺仙さんを訪問し、野口さんの長板中形を見せていただきました。
誰もがぽわわ~んと目がハートになっていた藍染です。やはり高級感が違うワンランク上の浴衣ですね。
今年は私を含め、三名の生徒さんが本藍の長板中形をお買い求めました!
こちらは来年お仕立てします。(一年ごしでお仕立て上がりをレポートいたします)
と言うのは一年置いた方が藍が落ち着くからです。
その事についてもう少し詳しく説明します。
まず、藍の甕ですが、1~2月の寒い時期は藍は死んでしまうので、 甕の回りに藁を敷いてそこに火を起こして燻した状態で甕を温めておくのだそうです。 その煙が茅葺屋根を伝って外に出るのですが、その屋根の上に昔は染めた後の長板中形の反物を置いておいたのだそうです。三年置かれることによって、藍の染料が生地に定着し、落ち着くのだそうです。徳島産の藍は最近有機物が少なく化学染料に比べ発色しにくいそうです。即ち長時間浸しておかねば濃い藍色が出にくいのです。
しかも野口さんの染めている柄はかなり細かい粒のような糊なので、藍の甕の中では長く浸けておくこともできず、うっかり糊が溶け出して柄が染まってしまうことになりかねません。
なので野口さんは熟練の勘によって、三度くらい甕に浸けて、染めてを繰り返し、ちょうど良い加減に染め上げることができる人なのだそうです。 あんなに細かい柄で白と藍のコントラストをきっちり出せる職人さんはそうそういないそうで、人の技術をあまり褒めない藍を作っている人ですら、その技術には称賛の声を上げるのだそうです。
このエピソードは、野口さんの持つ技術の貴重さがより深まるものですよね?同業種の人が驚いているというのですから、プロの認めるプロということですね。
最後に広重の「名所江戸百景」です。
往時の神田紺屋町。この江戸時代の浮世絵にあるような風景が今もあったら、東京は京都とは違った江戸文化の香り溢れる土地になっていたのでしょうか。野口さんのお祖父さんは京橋で紺屋をやっていたそうです。その後、野口さんのお父様が八王子に工場を移転し現在に至ります。今は息子さんがお勤めを辞めて野口さんの後を受け継いでいます。職人さん達と長い間良い関係を築きながら現代の流通の窓口として踏ん張り続けてくれている竺仙というメーカーさんもまた貴重な存在です。
~こちらのツアーの内容・写真は竺仙さんの許可の元に転載しております~