投資家の目線

投資家の目線597(企業情報開示の新ルールと報道機関)

 企業情報開示の新ルールの金融庁最終案が提示された。企業が「特定の人」に未公開の重要な情報を伝達した場合、企業はすぐに情報を公表しなければならなくなるが、『「特定の人」は株式の売買にかかわる証券会社や運用会社の関係者らに限定し、報道機関は含まない』(証券などに伝えた重要情報、企業に即時開示求める、金融庁最終案、対象の線引き曖昧、報道機関は除外。 2016/12/03 日本経済新聞 朝刊)という。

金融審議会 市場ワーキング・グループ
フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース報告(案)
~投資家への公平・適時な情報開示の確保のために~
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/fair_disclosure/siryou/20161202/01.pdf

 企業の不正など、報道機関が企業の内部情報を報道することには一定の社会的な意義はあると思う。しかし、2006年には日本経済新聞の社員、2008年にはNHK職員のインサイダー取引が発覚しており、金融機関以外でも金融機関同様の不正が行われる素地はある。「特定の人」から除外されたからといって、報道機関関係者は慢心しないことを願う。
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