投資家の目線

投資家の目線297(抑止力は方便発言と日経新聞)

 文藝春秋2011年2月号のアーミテージ、ナイの座談会の聞き手は日本経済新聞の春原剛編集委員だった。その中の「沖縄米軍は核の傘の人質」で春原氏は「沖縄に駐留する米海兵隊が日本にとっては実質的な『人質』となって、それをもって『核の傘』の信頼性を担保しているという考え方ですね」などといっていた。沖縄では「抑止はゆくし(嘘)」という言葉があるようだが、鳩山前首相の「抑止力は方便」発言は日経にとって困ったものだろう。そうであれば、座談会での理屈はマヤカシとなり、日本経済新聞の面子にも関わる。辺野古に基地を作りたい人々にとって海兵隊の存在が抑止力でなければならない。そのため鳩山発言への非難も、抑止力の有無という本質的な部分を避けたところで行われている。

 2009年9月の民主、社民、国民新党の三党合意は「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」というものだ。辺野古沖の基地建設は46(都道府県)対1(県)になるが、米軍基地などのある自治体(渉外関係主要都道県)は14都道県になるので、日米地位協定は沖縄1県だけの問題ではなくなる。

 2月6日の日本経済新聞の風見鶏で伊奈久喜特別編集委員が『日米同盟は、中曽根・レーガン、小泉・ブッシュ時代を除けば、ほぼ「事務方同盟」(船橋洋一氏)であり、鳩山氏の言う「安保を飯のタネにしてきた人」たちが支えてきた。鳩山政権末期も彼らが動き、さらなる悪化を食い止めた』と書いていた(「国際政治 権力と平和」モーゲンソ?現代平和研究会訳 福村出版 では、核保有国と非核保有国の同盟は非効果的同盟とされる。核保有国は非核保有国との同盟を尊重してまで、他の核保有国から核攻撃を受けるという危険に自国をさらすのか?)。

 鳩山前総理の発言に対して、「安保を飯のタネにしてきた人」たちはどんな屁理屈をつけてくるのだろう?とても楽しみだ(笑)。
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・2月20日のしんぶん赤旗に、

TPP交渉“米国主導 貫け” 米政府に大企業連合が圧力 製品売り込み “障害なくせ”

という記事があった。マスメディアは農業の関税問題に矮小化しているが、TPPはむしろ通信、医療、金融などが大きな問題になると予想されている。同記事の中の要望書では、「規制の統一」や「公正な競争」が要求されている。日本において米国より厳しくなっている規制や業界慣行、独自の産業政策が、「規制の統一」や「公正な競争」に反すると見なされる恐れはないだろうか?

・15日の「ガイアの夜明け」にワタミのサービスが紹介されていた。前会長の都知事選出馬発表の日に間がいいなあ。
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