投資家の目線

投資家の目線80(今年を振り返って)

 今年はM&Aが多かった。花王とカネボウ化粧品、阪急阪神ホールディング、王子製紙と北越製紙(不成立)、コナカとフタタ、日清食品と明星食品、特種製紙と東海パルプ、キリンとメルシャン、マルハとニチロ、先週のHOYAとペンタックスが有名どころであるが、子会社の合併や完全子会社化、MBOを含めるともっとある。
 マイケル・ポーターの競争戦略論では、衰退期にある業種のリーダーシップ戦略の1つとしてシェアの拡大がある。そして競争を決定する5つの要因として、
・ 既存企業との競争
・ 新規参入の容易さ
・ 代替製品の存在
・ 買い手の交渉力
・ 売り手の交渉力
が挙げられている。少子高齢化で消費市場が縮小するならば、M&Aでシェアを拡大することは理に適っている。例えば即席めん業界(日清食品と明星食品)に関し、買い手の交渉力についていうと、原材料の小麦粉の買い手である同業界は、経営統合により寡占化されれば売り手の製粉業界に対して強い交渉力を持つことになる。また、製品の売り手である卸、あるいは小売業界に対して強い交渉力を持つ可能性もあり、利益を向上させる。また、花王とカネボウ化粧品のように生産の一部を相手方に委託し、効率化を目指すこともできる(06/12/14日本経済新聞朝刊 参照)。
 M&A(&D)(Merger合併 & Acquisition買収 & Divestiture分割)についてはファンドが絡んだものある。ファンドは『対話と圧力』を通して企業に改革を迫る。阪神電鉄や明星食品などは、いわゆる村上ファンドが大株主になっていた。その後、村上ファンドという国内最大のアクティビストファンドは解散することとなったが、スティール・パートナーズやダルトンなど外資系のアクティビストファンドは健在である。また、村上ファンド元幹部がシンガポールで新会社を立ち上げるとの一部報道もある。村上ファンドの解散は日本人による外資系アクティビストファンドを作ってしまうだけかもしれない。来年もファンドの動きを止めることはできない。
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 12月20日のボクシング世界タイトルマッチ(TBS)の視聴率(関東地区)は30.1%だった。トヨタカップや、世界バレー、プロ野球日本シリーズよりも高く、時間帯は異なるが2月24日のトリノオリンピック並みの視聴率だ。亀田の日、恐るべし。
 
それでは皆様良いお年を。

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