投資家の目線

投資家の目線334(TPPおばけと中国おばけ)

 野田政権はTPPを推進しようとしている。前原民主党政調会長は、TPP反対派を得も知れぬ恐賦エをかきたてている人たちとし、「TPPおばけ」におびえていると揶揄した。しかし、同政権は中国軍の増強に懸念を示すなど、中華人民共和国に対してはずいぶん恐賦エを持っているようだ。これって「中国おばけ」ではないのか?ウィキリークスでは地理的に最も近い沖縄は中国を安全保障上の脅威と捉えず、米国は沖縄を「親中」と見ているようだ(沖縄の「親中反米」傾向指摘する米公電=ウィキリークス公開文書 WSJ日本版 2011/7/5)。

 エマニュエル・トッドは「帝国以後」(石崎晴己訳 藤原書店)で、2002年春にフランスでユダヤ教会堂の襲撃があったとき、フランスのユダヤ人は冷静だったのに米国のユダヤ人は敏感な反応を見せたことを記している。長年、朝貢関係(朝貢貿易は貢物をした以上のお返しがもらえ、貢物をした側が儲かる仕組みになっている)にあったインサイダーである沖縄は、欧州のユダヤ人が将来に信頼を抱いたように中国との関係に信頼を抱き、それに対してアウトサイダーの日本本土は米国のユダヤ人のように恐浮エじるのではないだろうか。そこに中国に対する沖縄の冷静な対応と、本土のヒステリックな反応の差を感じる。
 
 なお、イスラエルに批判的な発言をした人に対する攻撃のすごさは、「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」(ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト著 副島隆彦訳 講談社)にも書かれている。

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・日本はEFSF債の購入継続の方針を伝えた(日本、EFSF債購入継続を表明<激OリングCEOに 2011/11/1 WSJ日本版)。お金を貸す代わり、日本はEUに統一的な財政政策が取れるように欧州中央政府の樹立を要求するぐらいしてもいいのでは?日本も何度も救済に協力できるわけではないだろうし。

・アイヌ民族が政党を結成し、参議院の比例区などに候補を立てるという(2011/10/30 asahi.com)。各層が自己主張をし始めたのは良いことだと思う。

・クレハグループのレジナス化成が広島に新工場を建設する。広島進出の理由のひとつとして原子力発電所から100KM以上離れていることをあげている(2011/11/2 日経産業新聞)。やはり原発は地域振興の面でマイナスが大きいのではないか?
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