アリゾナ州知事の共和党候補のカリ・レイク氏が、マリコパ郡に対して選挙に関連する様々な文書の引き渡しを要求する公記録訴訟を起こした。”Her lawyer, Tim LaSota, says in the suit filed Wednesday that the county has not fulfilled public records requests filed on Nov. 15 and 16. The requests seek to identify voters who may have had trouble casting a ballot, such as people who checked in at more than one vote center or those who returned a mail ballot and also checked in at a polling place.”(彼女(レイク氏)の弁護士、ティム・ラソタは、水曜日に提出された訴訟で、郡は11月15日と16日に提出された公的記録の要求を満たしていないと述べています。この要求は、複数の投票センターでチェックインした人や、郵便投票用紙を返送して投票所でチェックインした人など、投票用紙の投じに問題があった可能性のある有権者を特定しようとしています。)(”Lake seeks election records in suit against Arizona county” By JONATHAN J. COOPER ASSOCIATED PRESS (STARS&STRIPES) 2022/11/26)と報じられている。アメリカ合衆国では投票所や開票の運営が酷くいい加減になっているようだ。こんな不公正な選挙を行う国が「民主主義国家」などといえるのだろうか?
『首都ワシントンの弁護士事務所に所属する別のロビイストは「トランプ政権は部外者が多く、我々の意見はあまり聞き入れられなかった。バイデン政権下でワシントンは平時に戻った」と証言する。「政権内部はエスタブリッシュメント(主流派)で構成され、ロビイストが接触しやすい」という(「アメリカン・デモクラシー 漂うマネー・惑う票3 与野党拮抗、ロビー活動勢い 企業、強まる政策拒否権」 2022/4/20 日本経済新聞朝刊)。エスタブリッシュメントにとっては、アメリカ人民とともにあるよりもワシントンDCのお友達だけで政治を行う方が、都合がいいのだろう。大企業の経営者にとっても、アメリカ市場に市場が限定される「アメリカ・ファースト」より、世界市場で金儲けができるグローバリストの政策の方が好ましいだろう。一方、ティーパーティーは『「ワシントン政治」を嫌い、その反発は共和党指導部や現職議員にも向けられた』(「ティーパーティー運動 現代米国政治分析 現代臨床政治学シリーズ7」 藤本一美・末次俊之著 東信堂 p.66)。
現在アメリカ合衆国の政界で起こっていることは、映画「スミス都へ行く」(1939年 コロンビアピクチャーズ)のようだ。破産した暗号資産業者のFTXからPACに$100万をもらっていたミッチ・マコーネル上院少数党院内総務(共和党)(”FTX US Donated $1 Million to a Super-PAC Aligned With Mitch McConnell in October” By Bill Allison Bloomberg 2022年11月26日)は、裏切り者のペイン上院議員の役どころといったところか。ティーパーティーを源流とする勢力は、政権から「エスタブリッシュメント」の幹部が次々辞任にしていったトランプ氏を、「ワシントン政治」に妥協しなかったタフガイと評価しこそすれ、批判することはないであろう。「ワシントン政治」と妥協しない大統領になるにはそれなりに大きな資産が必要であろうし、トランプ氏に代わる人物を見つけることは簡単なことではない。なお、FTXに関しては、アメリカ合衆国の「保守派は、民主党とSBF氏との蜜月もあって、米政府からウクライナへの支援金が同国と寄付金サイトを経由してFTXに流れ、政治献金としてバイデン氏率いる民主党に還流したとの憶測を展開」(「FTX破綻、民主党への疑惑の眼差しと米国の暗号資産規制のゆるい網」 2022/11/25 安田 佐和子(株式会社ストリート・インサイツ代表取締役) 現代ビジネス)している。
トランプ氏の支持層は、キリスト教を信仰する人が多いように思う。多くの米国人の倫理観は、キリスト教の神の教えから導かれるものだろう。司法判断も、その倫理観に基づいているはずだ。慣習法の米国で無宗教や他の宗教の人が増えれば、米国社会は秩序を保っていけるのだろうか?