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シンガーソングライターです。オセロが趣味でユーチューブで選手宣誓の場面を見れます。川端三段と打ち込んでください。

「山縣轟然と飛び出す!」 男たちの全力疾走2018クリスマスバージョンその1

2018-12-21 20:00:00 | 男たちの全力疾走

男たちの全力疾走2018クリスマスバージョンその1
「山縣轟然と飛び出す!」

平成29年6月陸上日本選手権男子百メートル決勝!
山縣は5着と敗れた

「負けたオレは他日を期す!」
山縣はそう誓った

このレースで2位に入った多田! 世界選手権の日本代表に選ばれた!
山縣は、今回は多田に全てを持っていかれた!、そう思った
リレーの一走も多田に取って代わられた

悔しいという気持ちもなかった
コンディションが悪すぎたのだ
今回はレースに出られただけでいい、
そのくらいの気持ちだった

そして思った
このままで終わる自分じゃない、と!

リオリレー銀一走のプライドが彼にいわせた
「これでいいんだ、これで・・
後から来る新人に追い越されても・・」

「また抜き返せばいいんだ!
オレはオレなんだ!
リオ一走の山縣なんだ、
これで終わるオレじゃない!」と!

「オレはこの負けを受け入れる!その上で他日を期す!」
山縣が自分自身に誓った

その後10秒00の記録を出すなど完全復調した山縣!
「努力は決して人間を裏切らない!」
山縣はその思いを新たにした

そして今年6月の日本選手権がまたやってきた!
アジア大会日本代表選考を兼ねた大会!
そして大会はいよいよ最終日、男子百メートル決勝を迎えた

日本のトップスプリンター、一堂に会す!
この1レースに彼らは己(おのれ)の全てをかける!

彼、山縣が走る!
多田もいた 
桐生、ケンブリッジも!
二百が得意の小池も参戦している
各人が侮れぬ好敵手たち!

果たして大記録は生まれるのか!
固唾を呑んでレースを見つめるスタンドの大観衆!
さあ、いよいよスタートだ!

号砲鳴り、レーススタート!
号砲とともに一斉に飛び出した8人のファイナリストたち!
各選手、スターティングブロックを力強く蹴り出しての発進!
8人の選手が夢に向かって自分のレーンを走っていく!

スタートから爆発した一人の選手!
7レーン山縣だった
昨年のこのレースでは多田が先行した
しかし今回は違った
山縣が飛び出したのだ!
ロケットのように・・

人間ロケットと化した山縣!
飛ばした! 最初から!・・

一方多田が伸びない、伸びてこない
なぜだ、どうした、多田!
コンディション不良か!
それとも山縣の圧倒的爆発力が8レーンの多田を抑え込んでいるのか!

山縣が全力で両腕を振る!
山縣が全力で両足を動かす!
まるで走るマシンと化した山縣!

8人の走るマシンのレッドゾーンでの飛ばし!
だが山縣が前に躍り出ていた!

山縣、全身への力感注入!
空中からそして大地から吸い寄せられたエネルギーが
際限なく山縣の体内に注ぎ込まれていく!
そしていったんは山縣の中に取り込まれたエネルギーが
今度は走る中で外部へと放出されていく!
山縣の全身からほとばしり出るエネルギー! 

彼は走る稲妻!
山縣は夏の稲妻!

それは天から地へ流れる電流ではなく、
大地に平行して流れる電流!
水平電流!

その白い光の束となった稲妻に
つつみ込まれるように山縣が走っていく!
まるで繭(まゆ)のようになった山縣!
シルクにつつまれて光り輝く山縣の走り!

山縣の走りは、例えると亀が丸い背中を
さらに丸くして走るかのようなフォーム!
ハリネズミにも似たフォーム!
まるで殻にはまった人間がその殻ごと走るかのような
ランニングフォーム、山縣!
しかしそれはパワーを外に逃がさないために
山縣が自ら開発したフォームなのだ!

山縣が飛ばしていく!
スタートダッシュから中間疾走へ、
そしてラストスパートへ!

一人の選手である山縣が、
リレーのバトンリレーのように
序盤、中盤、終盤へと流れるように自分の走りを
つないでいく!

8人の選手の激走が続く!
8人の選手それぞれに恩師がいる、家族がいる、仲間や友人、
応援してくれている多くの人がいる!
多くの人の期待を背負い、彼らが自分のレーンを走っていく!

繰り広げられる陸上日本選手権男子百メートル、
8人のファイナリストの激走!
男たちの全力疾走!

2人のオリンピック選手、ケンブリッジと桐生が
激しく2位を競っていた!

山縣のスタートから続く両手両足の大車輪回転!
山縣がそのままゴールへと突き進む!
スタンドの大観衆、そしてテレビで見ている
全国の陸上ファンを魅了する山縣の疾走!
そして選手たちはゴールへ!
8人の選手がゴールを駆け抜けていく!

山縣が勝った! 山縣1着でゴール! 
山縣優勝!
叩き出されたタイム、日本歴代6位10秒05!
ケンブリッジが2位、桐生は3位、4位小池、
多田は5位だった

山縣は二度目の優勝!
山縣の見事な復活劇!
努力が元々強いランナーを
元の位置へと押し戻した

山縣のリベンジなどではない、
再生と復活の走り!
山縣はそれを堂々と試合で体現した!

5位に終わった多田が泣いていた
号泣だった
今回は多田が敗れた
会場の片隅で一人泣いていた

いつもいつも勝つ選手なんていないんだ!
わかりすぎるくらいわかっている現実!
でも多田は泣いた
ここで泣かないなら、
負けなんていったい何なんだ!
桐生だって一昨年泣いたじゃないか!

誰もが思っていた、そして願っていた
山縣が再び、ひのき舞台で大活躍する日が来ることを!
そして山縣は帰ってきた
日本選手権優勝という最高の結果とともに!

平成30年6月陸上日本選手戦男子百メートル決勝!
そのゴールを1位で駆け抜けた選手!
そこにいたランナー!

山縣だった

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