Der König Hat Eselsohren

ベルリン修行旅(15)

8月14日(金)

朝起きて、朝食のためにお湯を沸かしている間、外に出て深呼吸するのがほぼ日課になった。
今週に入ってからずっと、朝は物凄く涼しい。
涼しいと言うよりちょっと寒い。
日本でいったら10月や11月といった感じだ。
出かける前に、この近くでどこに郵便局があるか訊いておく。
ゲーテで毎回くれるバインダーが邪魔で、そのほかにもガイドブックやらなんやら、先に送ってしまわないとスーツケースに入りきらない。


昨日は何してた?とEmmaが訊くので、ElsaとAntonioと一緒にPlenzrauerbergに食事に行って、そこでAntonioの友達と会ったんだけど、その友達がイタリアン・マフィアみたいでさぁ~、というと大ウケ。
それをStefanoの前で言うのはどうよ?とちょっとは思ったけれど、Stefanoにもウケたようでよかった(笑)
つーか、Stefanoが、まじめで物静かで、イタリア人っぽくなさ過ぎ。


授業は今日が最終日だ。
最後は文法はやらない、と言っていたのに、実際はまず完了受動態の練習。
最初はなかなかぴんとこなかったけれど、途中で思い出す。
Emmaは意外とこう言うのが苦手なようだ。

でもその次に、昨日見たショートフィルムについて、今日は字幕付きで見る前に、各グループで3つ、他のグループに対して質問を考えろ、と言う問題を出されて、固まる。
そもそも何を訊いたらいいのかわからないよ…f(^_^;
StefanoとEmmaがそれぞれ質問を出して、で?と訊かれてもどうにもならない…orz
だめだ~。
昨晩寝たのが遅かったので、頭が働かない。
それどころか、2週間でしっかり力をつけるつもりだったのに、全然進歩していない。
少なくとも、昨日行くんじゃなかったな、と思う。

Dieterが、試験はやらない、と言うのでちょっと騒然となる。
え?
私は最初からないと思ってたんだけど。
2週間で午前中だけだと、ワンステップ終わらせるには時間が足りないし。
ただ、きちんと証明が必要らしいPierreには大問題のようだ。

休憩時間にFrauサカグチを探すけれど、姿が見あたらない。
いつものように、その辺に立っているIainと話してもいいけれど、眠いので立っているのがめんどくさい。
ちょうどRolandが一人で座っているので、空いているところに座る。
Rolandとサシで話をするのは珍しいかも。
彼は以前、ミュンヘンにいたこともあるので、ドイツの他の町についてひとしきり話す。
彼はベルリンがいたく気に入ったようだ。
私にとってはミュンヘンは知り合いもいるし、とても好きなのだけれど、彼にとっては退屈で、しかもバイエルン訛りのドイツ語が嫌らしい。
それでも、今回参加した人の多くが、ベルリンは2度目以上だったので、初めて来た彼には「そこなら前に行った」とみんなが言うのにびっくりしたそうだ。
Rolandは明日にはフランスに帰るという。
どうするの?と訊かれたので、あと一週間、どこかへ行こうか、それともこのままベルリンにいようか考えている、と答える。

今日は12時で切り上げて、みんなで食事に行くことになっているので、休憩後はもう一つショートフィルムを見、さらにJuliの曲を聴く。
いつも会社の近くに立っている乞食に小銭をめぐんでいる会社員が、その日は物凄く細かい小銭のほかは大きい札しかない、と言う場面で一端止まって、彼はどうすると思うか、と言うので、これは絶対に札を出したらおつりがもらえるんだろう、と思ったら全然違った。もっとまじめな内容の映画だったf(^_^;
終わったら、今度は内容が一文ずつばらばらにされた紙を並べ替えさせられて、さらにできあがった文の穴埋めをして…。
はやい!!
今回はちゃんと内容がわかっている上に、実際に文自体は読めばわかるんだけど、周りのスピードが速すぎてついていけない。

しかもいっぱいいっぱいになっているところに、Dieterが席を外した隙に、Emmaが「これ書いて!」と寄せ書きを出すので、動転するf(^_^;
「あとで書くから、ちょっと待って」と待ってもらうと、結構みんな、ちょっと待ってと言っている(笑)
やっぱ、そうとっさには書けないわな。

Juliの曲もまた残念ながら持ってない曲だった。
今日は訊きながら書き取れ、と言うことだったのだけれど、半分くらいしかわからない。
ある程度韻を踏みつつ、ありがちな単語については結構わかったんだけど(笑)

とにかく終わった。
一応修了証をもらえる。
みんなと同じものをもらっていいんだろうか、とも思うけれど。

教室を去り際に、先週から壁に貼りっぱなしだった周辺探索の写真を、Sophieが何枚かはがしている。
持って帰らないの?と言うので、私はいい、と言うと、気に入った写真を持って帰ってくれるという。
撮影した本人としてはとてもうれしい。
Stefanoにも訊いていたけれど、いや、データを全部もらってるから、と言っている。
そうだった。先週、USBメモリに、そのときに撮った写真を全部落としてあげたのだった。
すっかり忘れているなんて、随分と昔のことみたいだ。

Dieterのアナウンスでは、食事は行ける人だけで任意、と言うことだったけれど、結局Rocio以外の全員が集まった。
というか、みんな行くのが当然だと思っている。
まずはゲーテの中庭で、全員の集合写真を撮り、店に移動してからは、みんなであちこちから撮りまくる。



Dieter曰く、このクラスは特別だったという。
毎日、準備をするのが楽しかった、と。
よそのクラスとは全然違っていたらしい。
確かに、昨日、食事に行ったときに、B23はうちよりレベルが上のはずなのに、接続法なんて全然やらなかったと言っていたし、話していても、うちのクラスの人たちの方がずっとレベルが高いと思った。
しかもレベルだけの話ではなく、クラスの雰囲気が、先週の土曜日からがらっと変わったのだと。
Dieterの見方としては、2つのグループに分かれてから変わったと感じたらしい。
まぁ、後半くらいからは、10~20代と30代以上で何となく固まっている感じではあった。
絶対的なものではないけれど、ある程度座る場所も決まってきていたし。
かといって、2つが断絶しているというわけではなく。

Sophieは明日帰るのだという。
ウクライナ訛りや日本語訛りは聞き取るのが難しかった(笑)といいつつ、「Michelとあなたの二人が美術館や博物館に凄く詳しいので助かった」と言ってくれた(笑)

帰りに、Stefanoにも訊いてみる。
授業中は何かと一緒のことが多かったけれど、個人的に話すのは朝来たときくらいだったので、もうちょっと話したかった。
Stefanoも明日帰るのだという。休暇はあと一週間あるけれど、家のことをしなくちゃ、と(笑)

ゲーテの中庭で、ついにみんなとお別れ。
そんなにべったりと一緒にいた訳じゃないけれど、とても名残惜しい。
でも、一端帰って、ビール瓶を片付けて、ファイルや何かを送っちゃわないと。


家に帰って、昨日飲みきれなかった最後のビールを飲みつつ、いつもゲーテに行くとくれる、邪魔っ気なバインダー(笑)ともらった印刷物、ノート、そのほか本やらCDやら入れられそうなものは一通り一緒に入れて日本に送る準備をする。
このまま直接日本に帰るんだったら、別に自分で持って帰ってもいいんだけど、これからあちこちを旅行するんだったら邪魔で重いだけだ。
実際、持ってみると3キロくらいはある(笑)

それからたまりまくったビール瓶とペットボトルを買い物袋2つに詰めてスーパーへ。
返ってきたお金で、今夜から明日にかけて飲む水と、明日持って歩く水を買う。

やれやれ。一番面倒なことが終わった。
もうあとは明日の朝に荷造りすれば十分だし、かなり疲れてもう嫌なので、PCをもってもう一度ゲーテのMediothekに行ってみる。

誰かいるといいなぁ、と淡い期待を抱いていたものの、さすがに今日はもうみんな帰ってしまったようだ。
知った顔は誰もいない。
閉室時間のぎりぎりまでPCに向かい、どこかで軽く食べて帰ろうと思う。
おなかは空いていない。
けれど、今日はもう帰ってもビールはないから、飲んで帰りたい。
つーか、とにかく酒!!

昼は飲み物別のビュッフェ形式だったので、みんながデザートを食べ始めたときに、「私は甘いものよりアルコールがいい」と言ったら、Emmaに「もしかしてアル中?(笑)」と言われたけれど、アル中でも何でもいいから、今日はしこたま飲みたい気分だ。
普段はそんな風には思わないんだけど。
午後にみんなと別れて以来、寂しくてしょうがないのだ。
そんなにいつもいつも、一緒にいた訳じゃないし、結構一人であちこちの美術館や何かに行ってることの方が多かったのに。

結局、前にも一度行ったタパス屋で、軽くつまみながらワインを飲む。
最初0,25Lで十分だと思ってとったのに、結局もう1カラフェを空けるf(^_^;

昼間では、もう一週間ベルリンにいてもいいかな、と思っていたけれど、やっぱりどこかほかのところに行こう。
まだ見ていないところもいっぱいあるし、明日の昼には新しく、カリーヴルスト博物館なるものが開館するとTVでやっていたけれど、どこへ行ったとしても、もうみんなに会うことはないんだと思うと寂しすぎる。
たとえ同じひとりぼっちでも、全く別の場所だったら気分も違うだろう。

そう考えて、さっき荷物を送るときに、今回持ってきたベルリンとドレスデンに特化したガイドブックを残しておいたけれど、今から色々考えるのも面倒なので、最初から考えていたQuedlinburg(クヴェトリンブルク)に行くことにしよう。
そのあとのことはそれからで。

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